飲酒.inc

友人宅でお酒を飲みながら「文章を書くということ」について考えている。
「エッセイ」というものの書き方について僕が例の国で教わったことを、酔っ払いなりにサクッとシェアしたいな、という話。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うえーい。(ほろ酔い)


[ Preface(まえがき) ]

僕だよ、フールくんだよ。
みんなにとって「エッセイ」って何?
長いポエム? 小論文? それともみたことも聞いたこともないオバサンがドヤ顔で書いてる私小説モドキ?

僕にとっては大学の単位だよ。学生生活を続けるための義務だったよ。
つまり、ある程度の型にハマっていないと、どんなに良いことを書いていても「不可」とされてしまう、酷く残酷なものだったよ。
それがどんなものなのか、この良い具合に酔っぱらった頭でどこまで正確に伝えらるかわからないけれども、少なくとも「エッセイってそういうものなのか!」という感だけでも残せれば満足だよ。

[First paragraph(第一段落)]
あの国の大学では、何はなくとも「エッセイの書き方」をまず叩き込まれる。
なぜならそれが「論理的に自分の考えを他者に理解できるように開示する」唯一の方法だからであり、即ち自分には学術的に価値があると証明する手段だからであり、よって学生の本分であるとされるからである。つまり、頭の中でどれだけ優れた思想があっても、あるいはどれだけ先進的な方程式が出来上がっていようとも、エッセイが書けなければ「ないものと同じ」とされるからだ。そこで今日は、この例の国式エッセイの書き方について少し書いていこうと思う。といっても、何のことはない。それは非常にシンプルで、かつ拍子抜けするほど整然としている。お時間と気概のある方は、ぜひ一度目を通していただきたい。何かの役には立つはずだから。

[Second paragraph(第二段落)]
かの国式エッセイ法においてまず何よりも主眼とされること、それはまず何よりも主眼とされることをまず何よりも明確にすることだ。すなわち、「このエッセイは、これこれこういうことを言いたい(証明したい)ので、そのために書いたものですよ」ということをまず最初に明文化することである。別の言い方をすれば、あの国のエッセイというのはまず一番最初に結論が書かれている。そして、「〜というのつまり、これこれこういうことによって証明されるわけです」ということをフォローバックする形で延々つらつらと書き連ねるわけです。これがあの国式エッセイ法における基本のキとなります。では、基本を押さえたところで次は、このフォーマットを前提として、実際はどのようにしてエッセイが書かれていくのか、見ていきましょう。

[Third paragraph(第三段落)]
あの国においてエッセイというのは、とにかく「論理的に」書かれていきます。まず結論を踏まえ、物事を体系別に、順序立てて書くことで著者の主張はようやく日の目をみるのです。では、論理的思考[ Logical thinking ]とはなにか。何をもって思想あるいは思考をロジカルと定義するのかというえらく哲学的に聞こえる命題ですが、あの国式エッセイ法においてその答えは既に、いやさ、とっくの昔に出ているといって良いでしょう。すなわち「AならばB, BならばC, よってAならばC」。これをロジックと呼んでいるのです。ここには語弊も誤解も多分にあるのですが、そこは酔っ払いのあれということでご勘弁願いたい。ではそのA=B=Cという文章をどのように書くのか。ここがキモとなるのでもう少しだけお付き合い願いたい。

[Fourth paragraph(第四段落)]
さて、このへん↑に書かれている「パラグラフ」とかいうのが良い加減気になってきているとおもうので触れておく。パラグラフというのは「主題(結論)」をレペゼンするファーストパラグラフと、「結論」を再度リフレーズするラストパラグラフを除き、それぞれが「主題(結論)をサポートする、独立したアイデア」をレペゼンしている。すなわち、ある平凡なエッセイの構造とは、以下のようになる:

1st(主題/結論)ーーーーーーーーーーーーー
2nd(サポート1) ーーーーーーーーーーーー
3rd(サポート2) ーーーーーーーーーーーー
4th(サポート3) ーーーーーーーーーーーー
5th(上記を踏まえた結論の再定義)ーーーー

こんなにも単純なのだ。だが、単純すぎるが故に日本人にとってこれが理解しづらい。というのも、一般的に日本式の「読ませる文章」というのは、このように書かれることが多いからだ:

名称未設定7

このように、全く構造が違う。

どちらがいいか、というのは敢えて語るまい。しかしその構造が明らかに違うのはご理解いただけたと思う。この「えっ!? そうなの!? あっ、でも確かに言われてみればそうかもしれない!!!」を伝えたいがために、酔っ払いながら、いや、酔っ払いだからこそ、ここまで2時間半をかけて文章を書き連ねているのだ。ちなみに終電は逃した。なんと言って良いのかわからないが、少なくとも「スキ」はしてくれるとうれしい。というわけで、次のパラグラフが結論だ。

[Fifth paragraph(第五段落)]
「思いを伝える」ということは非常に難しい。たとえあなたがイヌイットでも、アマゾンの秘された部族であっても、東京砂漠に喘ぐ現代人であっても、ただ自己を表現するだけでも難しいのに、ましてそれを「理解させる」段に到れば、ものごとは何倍にも、何乗にも複雑さを増す。そして書けば書くほど真意から遠ざかっていくのは、どの世界(コンテクスト)においても同じなのだろう。それでも僕たちは書き続ける。何かを伝るために。何かを残し続けるために、書き続ける。そのための努力は惜しまない。その努力をしないようにする努力も惜しまない。何であれ、僕たちはーーーーーー

↑的な、めっちゃカッコつけた「これが結論だわ(ドッヤァ)」みたいなのを書かなきゃいけねえんだわ。それを結論とするんだわ。

マジつまんねえ。
やっぱ日本語最高。あの国のルール、もうツレーわ。
日本のエッセイもっと読みたいし、もっと誇りに思ってほしいわ。

みんなもっと書いてね!  大好き!!



ファック!!!!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?