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不哲学(てつがかず)

すみません、このあたりでナンセンスを見ませんでしたか?
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・よく漫画などで「ピーン!」と妙案を思いついたとき、ひらめきのメタファーとして白熱灯電球の絵が描き込まれることがあるけれど、
世界で最初にLEDライトを思いついた人に灯ったのは、白熱灯だったか、それともLEDライトだっただろうか。
もし白熱灯が灯ったのだとしたら、白熱灯そのものにトドメをさしかねないLEDという発明にすら光を当てていったその白熱灯は、内心どれくらい白熱していただろうか。(明るかっただろうか、それともボンヤリと照らす程度にとどまっただろうか)

・どこか未開の地の部族が、伝統的な儀式の一環としてとんでもねえ幻覚作用のある灰を鼻から無理くり吸い込んで、ぶっちぎりにキマッている様子を収めた動画が10年近く前のYouTubeにあったのだが、削除されてしまった。その後再アップされたらしいその動画を数年ぶりに発見したので試聴したところ、思わず「なつかしー」と呟いてしまった。明らかに正気を失った目つきで小躍りする裸の男たちと、それを見て「なつかしー」と独り言をこぼす僕。
この状況だけをもし誰かが見ていたら、その「なつかしー」はどんな意味に聞こえるだろうか。

・ウイスキーに「ワイルドターキー」というものがあるが、これは直訳で「野生の七面鳥」を意味する。
ところでワイルドターキー(熟成8年)という商品がいま手元にあるが、これはもともと野生だった七面鳥を8年熟成したものなか、もしくは8年間野生だった七面鳥を熟成したものなのか区別がつかない。
もし前者であれば、それは「七面鳥を8年飼っていた」こととなにが違うのだろうか。ただのよく愛されたペットではないのか。
また後者の場合、8年間野生だった七面鳥がいたとして、なぜ8年と正確にカウント出来るのだろうか。

「そいつはこの辺に住んでる野生の七面鳥だぜ、もう8年になるかな。そろそろ熟成させるつもり」

などと言う人物がいたとして、その人物を信じろと言うのか。正気か。
よしんばそんな状況が本当にあるとして、この人物にはちゃんとした社会的地位があり、信用に足る人物であると仮定すると、それは七面鳥の平飼い農場主である可能性が非常に高い。
いずれのケースにせよ七面鳥は野生とは言い難く、何よりただのでかい鳥がいかにウイスキーへと変貌していくのか、全く不明瞭である。

まあ、きっと異教徒どもの仕業だろう。
そうタカをくくって、僕はジャック・ダニエルのオールドナンバー7を飲み干した。

参考:
https://youtu.be/2EQ5byYkYFI

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