【リレー小説】第一弾 #2(にしえみ)
「ねえ、アヤ!久しぶり~」
最悪だ。こんな日に限って、一番会いたくない人と会うなんて…。
彼女の名前はサキ。中学のときの同級生で、私は彼女が苦手だった。私は家の近くの公立高校へ、サキは隣町の私立高校へ行ったので、中学卒業以来、会っていなかった。
そういえば、サキの家はこの辺りだった気がする。
「ごめん。ちょっと急いでいるから」
私は逃げるように、彼女の横を通り過ぎた。膝上のスカートからすらりと脚が伸び、スタイルがいいのが一目で分かる。中学の頃より、少し背が伸びた気がする。そしてあのころと変わらない、ショートカットで大きな瞳。この瞳で見つめられるのが、すごく怖かった。
「待って。ちょっと話があるんだけど、ちょっとだけでも時間ない?」
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