見出し画像

【リレー小説】第一弾 #5(にしえみ)

「そっか。もうすぐ夏の予選が始まるし、忙しいのかもしれないね」

 サキは自分に都合の悪いことは、聞き流すタイプのようだ。昔から変わらないこのポジティブ思考は、本当に尊敬する。私もこれぐらいポジティブだったらいいのに…。

 私が佐藤君のことを気になったのは、中2のこと。高校でマネージャーをする前のことだ。
当時、中学の女子ソフト部に入っていた私は、ピッチャーとしてスタメン出場していた。しかし、プレッシャーなどのストレスから、思い通りに投球できず、イップスになってしまった。
そんなとき、種目も性別も違うけど、同じ市内の硬式野球チームに、すごいピッチャーがいると聞いて、試合を観に行った。それが、佐藤君だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?