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1回 神田明神

 このコラムは、StudioBpm.-kandaスタッフによる街歩きレポートです。
 スタジオ のある神田の町をより知りたいと、日々界隈を歩いて、新たな発見やちょっとした情報を記していこうと思ってます。
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さて、その第1回目――。神田といえば、やはり産土神である神田明神から始めるのが筋ってものかもしれません。さてさてお立ち会い!。

いくつもある神田明神…?

 当スタジオでは年始の神田明神参拝から年が明けます。毎年一度は必ずスタッフが参拝に伺っているわけです。

 個人的にも、5月の例大祭(※註1)には欠かさず、日々の通勤途中などにも立ち寄らせているなじみのある神社です。

神田明神本殿狛犬(小)

 さてこの神社、何を祀っているかご存じですか? 

 じつはご祭神は3柱(※註2)あります。一の宮(※註3)が大己貴命(オオナムチノミコト)。大国主(オオクニヌシ)とも呼ばれ、また大物主(オオモノヌシ)と同一神とも呼ばれています。ま、天から降りていた神ではなく、もともと日本の出雲地方に土着していた神様っていうわけです。

 ついで二の宮が、少彦名命(スクナヒコナノミコト)。前出の大国主と一緒に日本中を回って、国づくりを手伝ったという神様です。とっても小さな神様で、国づくりが一段落したとき稲穂に乗って一休みしていたところ、稲の弾力で弾き飛ばされて「常世の国」に帰ってしまいます。ユーモラスな逸話が可愛らしく、私のすきな神様です。

 そしてご存じ、平将門が三の宮として祀られています。反乱を起こしたため捕まって京都で首を斬られた将門ですが、その首が空を飛び、関東の数カ所に落ちたとされています(※註4)。その後、中世に関東地方に疫病が流行。これが将門の祟りだとされ、神田明神で供養されたといわれています。

境内末社

 神田明神の祭神は三柱とはいいながら、じつは境内にはほかにもたくさんの神様が祀られているんです。境内の説明書きによれば、籠祖神社、金刀比羅神社、日本橋魚河岸水神社、江戸神社、大伝馬町八雲神社、小舟町八雲神社。さらには末廣稲荷神社、三宿稲荷神社、浦安稲荷神社などのお稲荷さんまで…!

 じつはこれ、神社の摂社・末社というもの。昔から不思議に思っていたのですが、地元の神社の境内に別の神様の祠をみかけたことってありませんか? あれもこの摂社・末社なんです。小難しいことはともかく、その神社のご祭神とゆかりのある神様を祀っているのが摂社、それ以外の理由(例えば、地元の管理者がいなくなったので大きな神社に管理をまかされた…とか)で祀られているのが末社というわけです。

 よくよく調べてみると、神田明神の場合、これら境内にあるもののほかに、神社の敷地の外にも摂社・末社があるんだそうです。

 これは知らなかった! 早速、境外社の名前を頼りに行ってみました!

講武稲荷

 1つ目。神田明神の男坂を下って5分ほどいった秋葉原駅に近いところにあったのが「講武稲荷神社」。平安末期~鎌倉時代に活躍した仏師であるあの運慶作といわれるご神体が祀られているんだとか。幕末にこの近くにあった幕府の講武所(武芸訓練所)の名前にちなんでこう呼ばれているそうです。

大柳稲荷

 2つ目は、神田駅北口の飲み屋街にひっそりと佇む「大柳稲荷神社」。関東大震災後に、地元・神田多町一丁目町会の人々を中心として創建されたのだとか。戦争で焼け、昭和25年に再建。その後、管理上の問題が生じたのでしょう。平成15年に神田明神へ寄贈されたそうです。

 クーラーの室外機と、隣のビルの看板に挟まれてなんとも可憐なお稲荷さんですが、祠を守るキツネは、意外と強そう。これなら酔客のいたずらも寄せ付けないでしょう。

大柳稲荷キツネ(小)

 こうした境内の外にある末社(境外末社、と言うそうです)は、記録に残らないケースが少なくないそうです。

神田明神の飛び地ともいうべき神田明神の関連末社は、ほかにも少なくないのかもしれません。
 
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註1:神田明神のお祭りは2年に一度。表の年には神輿がでますが、陰の年は神事のみ。今年は陰祭にあたるので、もともと御神輿の出ない年でした。
註2:神様を数えるときは“人”でも“体”でもなく、“柱”を使うんですね。
註3:神社にはそれぞれ格があります。つまりランク、順位ですね。もっとも社格が高いのが一の宮、続いて二の宮、三の宮というわけです。多くは三の宮までですが、地域によっては九の宮まで整備されているところもあるそうです。ちなみに秋田県には一の宮が一つも存在しません。さていったい何故なのでしょう…。
註4:有名な東京・大手町の三井物産本社ビル傍に首塚があるのは有名ですね。この首塚に対して不敬な行為におよべば祟りがある――という伝承は数え切れないほど。いずれ機会があったら散歩してみます!

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