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Kの向くままにおススメ映画『心中天網島』短文紹介

【運命には決して抗えない恋愛映画】 

近松門左衛門 原作による人形浄瑠璃『心中天網島』の映画化作品。
お話はよくある遊女と客の心中もの…ですが、人形浄瑠璃と映画の融合というのがアバンギャルドなポイントです。

人形浄瑠璃とは、浄瑠璃と人形によって演じられる人形劇で、人形は人形遣い(黒子)により操られます
そして浄瑠璃とは、三味線の伴奏による語り付きの劇場音楽の事です。

それでは映画『心中天網島』について。
これは映画なので人形ではなく俳優が演じています、当然ですけど。
にもかかわらず、何故か黒子が終始登場し、俳優やお話をリードします。
「…黒子 要らんだろ?」
そう思うでしょ? しかし、必要なんですね。
黒子がいなければ単なる高レベルの心中映画です。

「人生は見えない何かに支配されている」
その「何か」を見えるようにしているのがこの映画の凄い所。

(映画冒頭、監督の電話音声も同じ意味で必要な演出です)

何をやっても上手くいかない時、その原因は、、運命の糸ではなく 黒子の糸だったのです!
失敗や不幸が続くと視野が狭くなりがち。そんな時は一度落ち着いて周りの黒子を探してみると良いですよ(いや、コレ本当に)。
そうすれば、心中しなくて済んだかもしれないのにね…。


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