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Kの向くままにおススメ映画『チャイナタウン』短文紹介

【食えない探偵の迷走映画】 

チャイナタウンとは、日本でも横浜とか神戸などにある中華街の事。本作の舞台はL.A.の中華街。脚本家は特典映像で、そこの管轄だった実際の警官との会話から着想を得た、と語っています。

チャイナタウンL.A.の元警官 :「チャイナタウンでは怠慢が一番だ。中国マフィアの世界は言葉や人間関係が複雑で、犯罪の防止をしているつもりでも逆に手助けをしてしまう事がある。あまり首を突っ込まず、何もしないでいるのが一番なのさ。」

しかし、本作の主人公は怠慢な警官ではなく、何にでも首を突っ込みたがる探偵。依頼人からお礼の小切手を戴いた時点で止めときゃよかったのに。。探偵の仕事って、事件を解決する事ではなくて、依頼人のオーダーをこなして満足してもらう事だと思うのだが…。
ラストで警官の好意(というかその実は怠慢)によりようやく引き下がるのだけど、、遅いね…。あれだけ知ってしまったら黒幕が見逃してはくれないでしょう。

そしてこのラスト、HappyかBadか、プロデューサーと監督とで最後まで対立したのだとか。でも、監督の判断は正しかった!客の印象とか興行収入とかを考えて作るのは芸術家として二流。やっぱり爪痕を残さないと。
もしハッピーエンドだったなら、脚本家が着想を得たという警官との会話も無駄になるしね。

「チャイナタウンでは事件に首を突っ込まず、何もしないでいるのが一番なのさ。」

その言葉が身に染みる残酷なラストでした。


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