風の形
(写真:森を散歩中に見かけた木の葉。蜘蛛の糸一本にひっかかり、風に揺られてくるくる回り続けている)
朝(昼近く)目が覚めて、窓を開けて力尽き。もう一度横になる。ダメ人間の二度寝。
早めの梅雨がやってきた五月の風が、ゆっくり部屋に入ってきて頬をなでていく。とても心地よい。
風は目に見えないのに頬に、肌に触れると存在が分かる。
当たり前に思っていたけど、よく考えたらなぜ触れられるのか分からなくなった。目には見えない。しかし肌に触れる感触は分かる。なぜ?
こんな風に日常の中の感覚的なことを文章化しようとすると、いろいろなことと結びついて面白い。
生まれてからずっと当たり前に感じてきたことを、当たり前と思わずに考えて、何か形にしてみる。するとたまにだけど素晴らしい発想に出会える。
風は目に見えないのに肌に触れるのはなぜか。もし小さな子供に訊かれたらどう答えたらいいだろう。そもそも風とはなぜ生じるのか。
調べてみると
隣同士の空気はいつもお互いに押し合いをしている。押す力の強い空気と弱い空気が押し合いをすると、押す力の弱い方向へ空気は押されて動いていく。
このような空気の動きを「風」という。
なるほど。ということは動きがあるから皮膚で感じることが出来るようになる。動きが無ければ感じられない、もしくは感じにくい。いつもそこにあるのに感じにくい。
風の形はどうなっているのだろうか。頬に感じた風の感触から形をイメージすると。
こんな感じの形をしている気がする。なんかふわっとした滑らかなクラゲのようなイメージ。
強い風だと、壁のような
こんな感じだろうか。子供の頃に体験した狸影はこれに近い気がする。大きな壁のようなイメージだった。
あとは温度も深く関係していると思う。個人的には寒い時期よりも、暖かく過ごしやすい気候の方が風の形を感じやすい。
そういえば昔、料理屋さんの厨房で働いていたころ。
あるときヴィシソワーズを作るよう指示されたので、野菜を刻んで煮込み、丁寧に漉してから味付けをしようとすると。冷たいスープは塩を強めにするよう料理長に言われた。
人間の舌は、冷たいものに触れた時は味が感じにくくなるので濃いめに。温かいものに触れた時は味が感じやすいので控えめにする方が良いのだ、と料理長は言っていた。
ということは人間の触覚は、寒いよりも暖かい方がより敏感にものを感じやすいのかだろうか。
風の形も暖かい季節の方が感じやすい気がするし、なんとなく柔らかい。もうずっと五月ぐらいの気候で固定して欲しい。
しかし冬の寒い季節のおでんは食べたい。
こんな風に最近は、なんでもかんでも思ったことを文章化してみようと節操なく考えている。なので日常の何気ないものへと関心を抱くと、いろいろなことと結びついたりして面白い。
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