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映画の感想

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2016年1月の記事一覧

『エンゼル・ハート』 感想

『エンゼル・ハート』 感想

冴えない私立探偵が恐ろしい目にあう映画。

監督のアラン・パーカーと主演のミッキー・ロークが乗りに乗っていた時代に作られた、奇跡のようなオカルトホラー。

1955年のニューヨーク。
冴えない私立探偵のミッキー・ロークことハリー・エンゼルは、弁護士のワインサップから電話を受け、とある富豪の依頼を受ける。

富豪の名前はルイス・サイファー。

ロバート・デ・ニーロが演じており、こいつが大層怪しい上に

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『L.A.コンフィデンシャル』 感想

『L.A.コンフィデンシャル』 感想

1950年代のロサンゼルスで三人の刑事が虐殺事件を追う映画。

原作はジェイムズ・エルロイの傑作刑事小説。
一度DVD化されてたけど廃盤になり、長らくamazonで高値が付いていたけど、少し前にTSUTAYAが再DVD化してくれたので入手しやすくなりました。

ラッセル・クロウ演じるバドは短気で寡黙な暴力刑事。
ケビン・スペイシー演じるジャックは刑事もののハリウッドドラマに演技指導に行っている汚職

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『チャッピー』 感想 ※ネタバレあり。

『チャッピー』 感想 ※ネタバレあり。

ロボットに心が芽生えてさあ大変! て映画。

ヒュー・ジャックマンが神を信じているから人工知能に否定的だ、ってエピソードが冒頭で語られて、そこから『スラムドッグ・ミリオネア』のあの兄ちゃんが完璧な人工知能を開発してチャッピーを生み、彼に「自分が創造主だ」と告げる。

そしてチャッピーは、自分の寿命がいくばくもないことを知り、「どうして自分を死ぬように作ったのだ」と創造主に怒る。

教会に通うヒュー

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『神の一手』 感想 ※ネタバレあり。

『神の一手』 感想 ※ネタバレあり。

賭け囲碁によって殺された兄と己自身の復讐をする映画。

バイオレンス囲碁アクション!
こんなジャンル初めてだし、恐らくこの映画以外ないのでは。

その時点で観るべき価値は絶対にあるのですが、その面白アイデアにあぐらをかくことなく、お話自体も滅茶糞面白い最高の映画。

主人公のテソクはプロの囲碁棋士だけど、心が弱く、土壇場で勝てない。

今日も試合で自ら負けを認めてしまい、どん底の気分でいる。
そこ

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『サプライズ』 感想

『サプライズ』 感想

一家団欒の別荘に殺人者がやって来てやだなあ、って映画。

一家を襲う系のホラー映画はたくさん作られていて「イントルーダー」ホラーと呼ばれており、まあひどい物から傑作まで多々あるわけで、基本が、家族を頭のおかしな奴が襲う、っていう単純な話なのでそれはそれはアイデアが必要になるわけです。

で、この『サプライズ』ですが、そのアイデアが素晴らしく、個人的に大好きな要素に満ち溢れていて、もうずっと観てる間

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『バーク アンド ヘア』 感想

『バーク アンド ヘア』 感想

死体販売が思ったより金になったから、自分たちで死体を作ろうよ! って映画。

名匠ジョン・ランディス監督の復帰作だけど、その素晴らしさは1800年代のイギリスの再現で終わっちゃった、って感じ。

いや、ギャグもキれてるし、なにより実在の連続殺人事件を扱った映画にしてはその脚色が素晴らしいんだけれどもこれ、映画でやる必要ないよね感に満ち溢れているのだ。

舞台劇で良くない???

勿論、舞台劇では表

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『クロニクル』 感想 ※ネタバレあり

『クロニクル』 感想 ※ネタバレあり

高校生三人組が超能力手に入れてスゲー!って映画。

青春映画の傑作。

物凄い念動力を持つ若者を描いたSF映画であり、思春期の少年のとても脆く傷つきやすい心が友情や家庭問題といった事象に揺れ動く様を描いた青春映画でもある。

主役であるアンドリューが、自分をビデオカメラで撮影するシーンが何度か出てくるが、初めとラスト付近でのその変わりようが印象的。

冒頭では、自室の鏡に映った姿で、後半では宙に浮

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