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「パーティーが終わって、中年が始まる」感想

phaさんの著書「パーティーが終わって、中年が始まる」を読み終えた。
とても面白かったので感想を書くことにした。
子供の頃の一番苦手な宿題が読書感想文だった人間が書いたものなので、生暖かい目で読んでいただけると有難いです。


本のざっくりとした内容


40代半ばになった著者が歳をとり、若い時のように自由を楽しめなくなったことを嘆いたエッセイ。
若い時はどこにも所属せず透明な存在として責任を負わずに生きることができた。
それが中年になり年下の人間が増えたこともあり、そういった生き方が難しくなってきた。
何のしがらみも持たない今の状態で人生を逃げ切りたい。
様々なものの昔と今を振り返りながら、著者がいままでの人生を問い直すエッセイ。

感想

・教訓的な内容というより単純に読み物として面白い。

自分の行く先を見ようと恐々と購入したが、そんな教訓的な内容ではない。
たしかに身につまされる部分もある。
だがそれ以上に読みものとして、とても面白かった。
1つの話ごとの文章も長くない為、電車に乗っている時などのスキマ時間にも気軽に読めた。

・悲観的なエッセイではないと感じた。

本のタイトルを見るかぎり悲観的な内容かと思われたが、著者はその状態にもなんだか楽しさを感じているような印象を受けた。
本にも「若いころから衰退した気分が好きだった」とあるように、今の状態を嘆きつつも、そういった自分の人生を俯瞰的にみて楽しんでいるようにも思えた。
そのため読後感も良くユーモアに溢れた文書になっている。
巻末のあとがきに「みずみずしい喪失感」と書いてあったが、この本を表現するのにぴったりの言葉だと思う。

・読むとノスタルジーに浸れる。

著者の全盛期であった20代~40代前半の壮年期と、今の40代半ばからの中年期を比較することが多い。
昔のインターネットの混沌感や、現在は少なくなった24時間営業のファミレスの話など。
私は著者よりも年下ではあるが、読むと良き昔を感じノスタルジーに浸ってしまった。
子供の頃に作った秘密基地を大人になってから覗いているような、そんな気持ちに浸らしてくれる。

以上、本の感想でした。


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