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隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則
2021.6.18-9.26
@東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー(千代田区北の丸公園3-1)
入場料:1300円
★★☆☆☆

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隈研吾建築の中でも公共空間に迫った展覧会。

タイトルに突如現れる「ネコ」に不思議な顔をしてしまうが、テキストをよく読むとこれまでの「ハコ」もの建築から卒業し、「ネコ」に学ぶ公共空間をつくることを提案しているのだ。

「ハコ」は文字通り、建築の内部で過ごすこと。
「ネコ」はハコから脱出し、ハコとハコの間、つまり街の中、野良ネコが暮らす場所のこと。

急に襲ってきたウイルスによって人間と人間との距離を開けざるを得なくなり、換気が必要になるという体験をした隈研吾は、街に出たのだそうだ。そこで出会った公共空間に、これからの建築を考えるヒントをもらったのだと、図録の巻頭「ネコに学び、ハコを出よう」という文章に書かれている。


あとから会場MAPを見ると、「え、こんなに狭かったっけ?」と感じるくらい、ひとつひとつを見ていくと見応えのある展示内容だった。

↓会場MAPと作品リスト

https://www.momat.go.jp/am/wp-content/uploads/sites/3/2021/06/KengoKuma_floormap-list.pdf

チケットを購入しようとすると、今の時間はいっぱいですと言われ、時間まで1時間弱待つことに。それまでに無料で入れるこの展覧会の第2会場を見ることができたのは良かった。

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この第2会場では、「復興と建築をめぐるインタビュー」と「東京計画2020
ネコちゃん建築の5656原則 隈研吾×Takram」という展示があった。「復興と建築をめぐるインタビュー」では、宮城県や熊本県の震災後に建てられた隈研吾建築のある場所で、その計画から実際に使用されるまでの様子が、それぞれの場所の人へのインタビューと、隈研吾へのインタビューで語られていた。《南三陸さんさん商店街》という、もともとあった商店街を津波の影響で地盤を上げたその真上で、もう一度作ったプロジェクトがあった。はじめは有名な建築家に依頼するということで、地元の人や担当者も身構えていたけど、隈氏が親身になって携わってくれたおかげで良い商店街ができた、お店の前の屋根が張り出しているところなど至るところに、各々がノボリを出したり飾りをつけたりしているが、それはその空間が自分のものになっているということだから嬉しいことだと、隈氏が語っていたのが印象的だった。


さて、時間になり第1会場へ。
写真が撮れる場所はわりと少なかった。

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V&Aダンディーという美術館、大型の模型の奥でプロモーションイメージビデオみたいなのが流れていてそれがとても格好良かった。撮影はNG。


新国立競技場やJR高輪ゲートウェイ駅など、新しくもすでに東京の名所となっている建築もしっかり大きめの模型で楽しかった。

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↑高輪ゲートウェイ駅


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本来、昨年のオリンピックと同時に開催予定されていたのがオリンピックとともに延期・開催されてよかったなと思う一方、展示物や図録、展示テーマまで(オリンピックスタジアムはまさに分かりやすい「公共建築」)かなり外国人の観客も想定されてつくられた展覧会に感じた。そこに外国人はほとんど見に来ていないという状況は、やはり無念だと思ってしまった。


図録で面白かったのは、なぞの隈氏のグラフィティ。どこなんだろうか。

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展覧会URL


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