地震が起きたとき、建物はどうなるのか?(後編)

前回は、建物が地震に耐える方法は、大きく分けて二つあり、
その抵抗の仕方から「強度型」と「靭性型」とお話しました。

https://note.mu/structure/n/n9801850c77ae


今回は、具体的にはどのような建物があるのかをお話します。

建物は一般的に、柱・梁で構成されています。地震が起こっていない時にも、それぞれ重要な役割を果たしていますが、地震が起こった時にも、地震に耐える為の要素(=耐震要素)として、活躍します。

柱・梁に加えて壁も一定の条件を満たせば、耐震要素として極めて重要な役割を果たしてくれます。

主要な耐震要素として、壁に頼っている建物を「強度型」といい、串団子で言うと太い串を持った串団子です。

意外と思われるかもしれませんが、一般的な木造住宅はほとんどが「強度型」です。木造住宅は、「筋交い」と呼ばれる斜材や、「構造用合板」と呼ばれる板で壁を強くすることで、地震に抵抗しています。
壁がたくさんある鉄筋コンクリート造も「強度型」に分類されます。

太い串を持った串団子を想像して頂くと分かりやすいですが、「強度型」の建物は揺れにくい代わりに、折れるときには、唐突に折れるという特徴があります。

主要な耐震要素として、柱・梁に頼っている建物を「靭性型」といい、串団子で言うと、しなっても折れない強い串を持った串団子です。

鉄骨造の建物や、窓の面積が大きく、ほとんど柱梁で構成されている鉄筋コンクリート住宅は「靭性型」に分類されます。

「靭性型」の建物は、揺れはしますが、串が強いため、強い地震が来ても致命的な倒壊に至りにくいという特徴があります。柳の様に、揺れることで、地震の力をすっと逃がしていくイメージです。

大きく二つに分けて、建物が地震に耐える方法をご紹介しました。

同じ材料で建てられた建物でも、それぞれに個性があり、地震への抵抗の方法も全て同じというわけではありません。

ご自身の住宅や、所有されておられる建物の耐震性に不安を覚える方は、まずは耐震診断や建物の調査を行い、その建物がどれくらい健康なのか、どのような性格を持っているのかを確認してみてください。

建物の事を知ってあげることが、地震への漠然とした不安を解消する第一歩です。

読んでくださって、ありがとうございます。 感謝感激です。