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地震が起きたとき、建物はどうなるのか?(前編)

6月18日の朝に発生した大阪北部地震で、被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げます。

私は大阪市北部に住んでおり、発生当日は出勤で駅までの道を歩いていたころだったのですが、とても怖い思いをしました。

こういう折だからこそ、改めて地震と建物についてまとめる意義があるかと思いました。


 建物が地震に耐える方法は、大きく分けて二つあります。
その抵抗の仕方から「強度型」と「靭性型」と言われています。

その前に、「地震が起こると建物がどのようになるのか?」をご説明します。
すごく簡単なことですが、地震が発生するとまず、地面が揺れ、その揺れ=振動が建物に伝わり、建物が揺さぶられます。
揺れ方は建物の形状によります。高層ビル等の細長い建物は、大きく、ゆったりと揺れ、
戸建て住宅等の背の低い建物は、小さく小刻みに揺れます。

建築設計の分野では、揺れ方を理解するために、建物を簡単な形に置き換えて考えます。
このような作業を「モデル化」と言いますが、ここでは「串」と「団子」を使って、説明します。

建物を一本の「串」と見なします。建物には、床や屋根があり、床には家具が置かれたり、人が過ごしたりするため、壁に比べると重たいものと考えられます。
また、屋根にも瓦が載ったり、人が登ったりと、やはり重たいものと考えられます。
そこで、屋根や床を重量のある「団子」と見なします。

これで、建物の形をすっきりと表現することが出来ました。串団子のようです。

地面に振動を加えると、この建物が右に左に揺さぶられる姿が想像できると思います。

前置きが長くなりましたが、では建物はどのようにして地震に耐えるのでしょうか。
地震によって、建物が倒壊する状態を串団子で表現すると、「串が折れる」状態です。地面との付け根かもしれませんし、団子と団子の間の串が折れるかもしれませんが、とにかく折れる状態を倒壊した状態と想定します。

そう考えると、建物が倒壊しない=串が折れない状態にするための方法として二つの方法が考えられます。

①串を太くして、建物がしなるのを抑える。
②串の太さはそのままに、しなっても折れない強い串を使う。

ここで、ようやく冒頭の「強度型」と「靭性型」が登場します。
①が強度型、②が靭性型です。

では、強度型の建物、靭性型の建物とは具体的にはどのような建物の事を言うのでしょうか。

…と少し長くなってきましたので、このへんで一旦終えたいと思います。後編と続きます。

読んでくださって、ありがとうございます。 感謝感激です。