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ネコフェス2021後夜祭 ライブレポ その2

 6月26日(土)から6月28日(月)にかけて神戸で、ネコフェス2021が有観客ライブとして開催されたので、行ってきました。

ライブレポ その2では、本祭の翌日におこなわれた後夜祭をお伝えします。

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身内ノリ炸裂 三羽カラス見参

オープニングアクトは3人そろってのトークから。

「この後のまぁ君が演奏する時間を全部なくすぐらいのトークをしていこうと思います」

「なんでやねん」

 アルカラのボーカル&ギター 稲村さんとシンガーソングライター 大石昌良さんの掛け合い、そしてそれを微笑ましく見ている同じくシンガーソングライター 髙木誠司さん。この毎年変わらずのノリが今から始まるお祭り騒ぎの予兆を告げてくれる。

 どうやら今年はご時世を鑑み、誠司の野次ヴォイスというのを開発して、稲村さんのnoteに投稿したらしいとのこと。
詳細はというと、現在、国や県からのガイドラインによりライブハウスでは原則、大声を発しないようにと注意があり、声の出せない代わりに稲村さんとfolcaの3人の音声を録音して20種をデータ化したのを、観客たちのスマホにダウンロードしてもらい、この場でどうなるか試してみようと提案が。
至るスマホから、『楽しんでますか』やら笑い声、sound schedule "竜巻"のかけ声『やーやーやーやーやー』など、有象無象、そのネタはどこから出てくるのだろうというぐらいの面白い野次ヴォイス。

「各々のライブで、後2曲になったら言うてな。」

と伝える稲村さんに不思議がる髙木さんと大石さんに。
20種あるヴォイスのイチオシは『えー、後2曲なんですか?あと1曲がよかったわ』らしく、いたずら好きそうな顔で言う稲村さんに2人はタジタジながらも笑って約束をしていたのが、まさに兄弟みたいに見えた。


ギターの魔術師 三男 大石昌良

 右手の音階だけでなく、左手によるリズム奏法を駆使して魅せるのが大石さん。
先ほどの野次ヴォイスがツボだったみたいで、早速、取り入れ開始。
『ビューティーフォー』でいいのではと、観客みんなのスマホに入れてもらうように伝える場面もありつつ、別のタイミングではどこからか…

『やーやーやーやーやー』

「それはもうええねん!」

とお客さんとの掴みはバッチリだったが、後2曲を伝える稲村さん発注は"トライアングル"の時に言い忘れてしまっていた。
そして今回、アコースティックギターで演奏、さらには2番以降を含めた"ただいま"は初パフォーマンスだったので、

「一生懸命、頑張ります」

を聴いた後の楽曲は、涙がほろりとする方が数多くいた。

1.ピエロ
2.ボーダーライン
3.ただいま
4.ファイヤー
5.トライアングル
6.東京ループ


全員を包み込む調律者 長男 髙木誠司

 髙木さんの番になると、一転、裏方からの野次ヴォイスが炸裂。
さらに歌っている時、まさかの稲村さんと大石さんがコーラスとして袖口から登場する展開。
いきなりのアドリブに、普通だったらしっちゃかめっちゃかになるはずなのに、さすがは場数を経験しているアーティストだからか、そして講師としてのスキルなのか、

「ありがとう」

と言いつつも、稲村さん発注の後2曲を入れた野次ヴォイスに負けず劣らずの話術で打ち返していた。
 歌を聴いていると、歌詞にインパクトがあり、随所にエッジの効いた特徴的なフレーズが組み込まれているのが聴いていて素敵だった。
力強い声量やギターは、今また表舞台に立ってくれている高揚感と幸せが混ざる唯一無二の音なのだと感じた。


1.ガール・フレンド
2.Bad Company
3.旅にでよう
4.ブーゲンビリアに雨
5.You're Beautiful
6.黄金航路


呼び込みの愛嬌者 次男 稲村太佑が率いるアルカラ

 トリはネコフェス主催のアルカラが登場。
普段はロックバンドなので、エレキギターにベース、ドラムなのだが、アコースティックバージョンなので、アコギやバイオリン、ベースがコントラバス・ウッドベースとジャスな雰囲気を漂う仕様であった。
 印象深かったエピソードが"夕焼いつか"の制作秘話。

「うちの母親が神戸に住んでいて、たいちゃん元気?とか言って、帰ってくるとご飯とか食べさせてくれるんですよ。歌がとてもお上手な方で、どちらかというと声楽やオーケストラの方なんで、あんまりこういうがちゃがちゃした音を多く聞かしても、あんまりわからないのよって言われて、けどこの曲だけは耳を傾けて聴いてくれました。」

 ライブハウスに響く楽曲が夕陽のような切なさと、どこかノスタルジーに浸ってもいいかのような気持ちになり、ひとしずく溢れた。

1.消えたピエロと涙
2.チクショー
3.半径30cmの中を知らない
4.誘惑メヌエット
5.ビデオテープ
6.さすらい
7.夕焼いつか



交差点を見届け 己が日常へ

 アンコールは、稲村さんがアコギを持ち込み、これ見よがしに大石さんが得意とするスラム奏法をし、その技術に「うまいわ」と評価するというなんとも緩い会話からスタート。
選曲は、去年、奇しくも配信ライブとなったネコフェス2020で大石さんが披露した曲の"交差点"。
"私だけを見て 私だけを見ててよ"というサビの言い回しを、稲村さん→大石さん→遠慮しがちに髙木さん→ART HOUSEの店主 昇平さんがそれぞれ歌うという異常なほどのハイテンションであった。

 来年はどのようなネコフェスが拝めれるのであろうか。開催自体が難しかったかもしれない時世で、ライブを見に行けたことを感謝したい。

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