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ももクロとグレイトフルデッドとビジネス書と私

上長(渋イケメン)に『ももクロ非常識ビジネス学』を貸したら、「話の内容がこれに似ている気がした」とのお言葉と共に『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』を貸してくれた。

グレイトフル・デッドはこの本を借りて初めて知ったのだが、なるほど「コンサート会場の駐車場で、グレイトフル・デッドのツアー名物であるベジタリアン・ブリトス、エキゾチックなドラッグ、風変わりな洋服などを売る屋台を並べるようになり、コンサートの一部になった(p.60)」風景や、「ふだんは絞り染めの服をタンスにしま(p.131)」っているファンの姿、「「ファミリー」についての近況(メンバーのソロ活動、ツアーのクルーや事務所の社員などの結婚式や子供の誕生など)を知らせる会報(p.142)」など、ももクロに置き換えた映像がありありと浮かんできた。

ももクロのライブに初めて行ったのは2014年夏の桃神祭だったが、多くの参加者がカラフルなTシャツに身を包んでいること、ももクロに近い人たち(トシ子ちゃんやKINDの皆さん)が出店を出していること、そのあまりにも非日常な空間に度肝を抜かれたものだった。
夕方開演にも関わらず、誘ってくれた知人が待ち合わせを昼の12時に設定したことに、当日現場に入ってようやく納得がいった。

「ももクロのTシャツはライブで着ることが大前提。非日常を味わってもらうためなので、日常で使うことを想定していない。」とよく言われる。
以前、幕張メッセで開催された展示会のセミナーに、川上さんと夏菜子が登壇したことがある。
受講者の多くはモノノフだったと思うが、いつものライブとは違ってみんなフォーマルな格好(もちろん私も)でありながら、夏菜子の発言に対する合いの手はいつものライブと同じ、というちぐはぐ感が面白かった記憶がある。あと、司会者もモノノフだったようで、進行内に「珍獣」発言を盛り込んできたりもしていた。

ももクロに限らずではあると思うが、アイドルファンは運営のスタッフの人たちも把握している人が多いことに当初は驚いた。
それこそ桃神祭で、天気が不安定で開催するのか?という状況の時、知人がずっと見ていたのは川上さんのTwitterだった。
当時ほやほやのモノノフだった私は、「川上さん?誰?なんで公式アカウントじゃなくてそっちを重視して見ているの?」と疑問だらけであった。
(モノノフには言わずもがなだが、川上さんはももクロのマネージャーで、ライブ前は会場を回遊して頻繁に状況を呟いてくれるのだ。)
あと、「川上アキラ 誤送信 意味」でググったりもした(笑)
ドゥユワナダンスを観に行って、入り口でエスタシオンの長谷川さん(警備会社の代表の方)がいる!と気づいた時、私もすっかりモノノフだなあと思ったものである。

本の中では「自分の真の姿を隠そうとするな(p.93)」の項があったりもするが、その姿勢はまさに現代のアイドルそのものに思える。
ほぼほぼ素の姿を見せ続けるアイドルたちは、もはや隠しているのは本名だけでは…と思うことがある。というか、せめて名前という一番コアな部分は一線を守るためにも隠し続けていてくれ…とも思う。なんとも不可思議な感覚だ。

上長は私によく「0から1を生み出そう!」と言った。
上長は私によく小難しいビジネス本を貸してくれた。

この本も読みながらも上長の「この内容を仕事に生かそう!」という声が聞こえてくるようで、相変わらず私の脳みそには上長語録が刻まれているなあ、としみじみ。

転職によってもう上長に本を借りることもなくなるのかあ、と少し寂しく思いつつ、最後には本の交換ができるまでになった少しの成長にほんのり嬉しさを覚える。

一番最初に借りたビジネス書は、果たして今読むとかつてより抵抗なく読めるようになっているのだろうか…

↑当時1年塩漬けにして、「そろそろ返して」と言われ慌てて読んだ

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