夢の実現ー公募展デビューから個展開催まで
糸かけを学びだし、今までとは全く違った世界に足を踏み入れる中で、私の中の挑戦心に火が付き始めました。
一人ではだどりつけなかった世界に、周囲の応援を受け、歩み始めます。
①初めての公募展「いい芽ふくら芽inNagoya」での入選とギャラリー賞受賞
2021年、糸かけ師コースの卒業試験を控えた私の心に、新たな挑戦心が芽生えました。
「せっかく学んだのだから、何か公募展に挑戦してみよう」
当時、娘は6か月。お昼寝の時間にコツコツ糸かけをして、たまたまネットで見かけた「いい芽ふくら芽inNagoya2022」に応募することにしました。
結果は予想を遥かに超えるものでした。
初の公募展にて見事入選を果たし、2021年11月、ついに百貨店での展示デビューが決まったのです。しかも、ギャラリー賞を受賞!!
オーディエンス賞は1位を逃したものの、多くの方から高評価をいただき、この上ない喜びを味わいました。
この成功が自信となり、2022年1月からは全国各地のグループ展を中心に展示活動に精力的に取り組み、着実に実力をつけていきました。
②ドバイでの京都・ジャパンEXPOへの挑戦と海外デビュー
そんな中、思いがけない機会が訪れます。
MYコンパス社の岩橋ひかりさんが、2024年1月にドバイで開催される京都・ジャパンEXPOに主催者として参画すること、そしてその主催者コミュニティ(通称CDCコミュニティ)メンバーを募集するというのです。
これまでひかりさんのコミュニティに参加することで人生を変えてきた私は、迷わず申し込みました。
「なんか面白そう!」という気持ちだけでドバイ出展者として正式にエントリー。
国内でもグループ展ばかりだった私にとって、単独のブース出展、しかも海外展示は全くの未知の世界。
わからないことだらけでしたが、CDCコミュニティメンバーの助けもあり、初めての海外展示としてドバイで華々しくデビューすることができました。
そして、ドバイ出展の話を進めている最中、思いがけない朗報が届きます。
お取引いただいているギャラリーから、2024年9月に松坂屋上野店で個展を開催しないかという提案をいただいたのです!!
③百貨店での個展開催と、その準備から開催までの軌跡
個展開催が夢だった私にとって、これは願ってもない話でした。
当然二つ返事で快諾し、ついに個展開催が決定!!
その瞬間の喜びは、今でも鮮明に覚えています。
それからは、個展に向けての準備を開始。どのような作品を、何点展示するか。会場のレイアウトはどうするか。一つ一つ丁寧に検討を重ねていきました。
従来のグループ展では5、6点の展示数が多かったのですが、個展となると20点以上の作品数が求められます。
今回は初めての個展であり、例えばモノクロなど、1つのジャンルに特化することなく、なるべく多くの糸かけの技法をご覧いただきたいと思いました。
まだ作家として実力の乏しい私が、お客さまに足を止めてご覧いただきくために、展示数は目標50点に定めました。
サイズは、10cm角から90cm角まで、大小さまざまな作品を揃えることにしました。
会社員の仕事と家庭があった上での、個展準備過程は大変でしたが、同時にとてもワクワクする時間でもありました。
個展開催直前は本当に慌ただしかったのですが、搬入日に会場に行き、白くて広い壁が、徐々に自分で作った糸かけ作品で埋め尽くされていくのを見たときは、心が躍る思いでした。
平日は会社員、休日は母業に勤しむため、普段関東での展示では在廊していないのですが、今回は個展という特別な機会のため、家族の了承を得て何日か在廊することにしました。
在廊を決めたものの、誰も来なくて寂しい時間を過ごすことになったらどうしようかと不安もありました。
しかし、その心配は全く杞憂に終わりました。
さすが東京上野の老舗百貨店、平日でも多くの方が足を止めて作品を見てくださいました。
辛辣な意見をいただくことも覚悟して、個展会場に立っていましたが、そんなことは一度もなく、いただいたお声はすべてポジティブなものでした。
「どうやって作るの?」「どのくらい時間がかかるの?」「神業だね」などと、糸かけアートに興味を持っていただき、本当に嬉しかったです。
また、MYコンパス社の岩橋ひかりさんをはじめ、多くの現受講生・卒業メンバーの方が応援に駆けつけてくれたのです。さらに、育休コミュニティで出会った友人も何人も会いに来てくれて、会場は大賑わいとなりました。
個展は「一人でやるもの」と思っていましたが、現実には多くの方が応援し、支えてくれていました。自分は一人じゃないと心より幸福感を感じられた瞬間でした。
④終わりに・・
振り返れば、全ては2018年の育休コミュニティMIRAISとの出会いから全ては始まりました。
そこで感じた悔しさ、モヤモヤ、そして憧れ。それらが糸かけアートとの出会いを経て、こうして大きな実を結んだのです。
はじめに糸かけアートと出会ってから約5年。様々な経験を経て、ようやくアーティストとしての第一歩を踏み出すことができました。
仕事と育児、創作活動の両立に苦しんだ日々。作品が思うように仕上がらず、悩んだ時期。しかし、そのすべてが今の私を作り上げてくれたのだと思います。
これからも、糸かけアートを通じて、多くの人の好奇心をくすぐり、感動と喜びを届けていきたいと思います。
そして、かつての私のように、自分の可能性に気づいていない誰かの背中を、そっと押せるような存在になりたい。そんな思いを胸に、これからも創作活動を続けていきます。
最後に、家族、友人、そして作品を見てくださったすべての方々に心からの感謝を捧げたいと思います。皆さんの支えがあったからこそ、ここまで来ることができました。
これからも、感謝の気持ちを忘れず、一歩一歩前に進んでいきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?