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このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」

執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。


今回のテーマは「運動は脳のトレーニング」です。


●脳のための栄養と運動効果


▼体を動かす脳の神経ネットワーク


以前、脳疾患による後遺症で身体の動きにくさを持つ方に出会ったことがあるのですが、動かせば動かすほどよくなっている感覚があるというお話をされていました。

動かすことでつながりが悪くなってしまった回路を再度結び直しているという表れなのだと思います。


人間は生まれてから寝返りをしたりハイハイをしたり、周りのものを見て反応したり、遊んで転んでけがをして、次は転ばないように気を付けて動くことができたりしながら動かせる範囲や反応を広げていきます。

大人になってもスポーツがうまくなったりするのはそれに対応する回路ができていくからです。つめが伸びたり、切り傷が治ったりするように、目には見えないことですが、身体のなかでは新しいことに対応できるように神経ネットワークが構築されているはずです。


脳画像の技術により神経ははっきりとかたちがわかるようになっています。

医療関係者の方の見方でが、健康な神経は太く長い幹を持ち、たくさんの枝を伸ばしているといいます。

一方、元気がない神経は細く短い幹で、枝の数もわずかで短いといいます。



▼脳のための栄養「BDNF」の働きと運動効果


神経を育てるために、何か栄養はないか?

それに当たるもが「脳由来神経栄養因子(BDNF:brain derived neurotrophic factor)」といわれるもので、1980年代後半に脳内に多量に存在することが発見されました。

既往句を司る海馬という部分など、脳内の神経でつくられて神経同士が情報伝達をするときのコード化や伝達を受けた神経がスムーズに興奮できるようにサポートをしています。

脳内の神経が健全に働くためにはなくてはならない栄養です。

このBDNFはストレスによって減ってしまうとされます。

減ってしまうのは防ぎたいものですが、増やすために何が有効か、それが運動をすることです。


運動中におけるBDNFの主な働きは次のようなことがあげられます。


・神経可塑性(神経の成長)

長期記憶が増える。

神経同士で交わされる情報の伝達能力を向上させる。

学習する能力を改善させる。


・神経栄養伝達

神経細胞の生存能力を促進させる。

神経細胞が分化して増えていくことを促進させる。


・神経保護作用

虚血状態になって損傷してしまうことを抑制する。

神経の幹である軸索が損傷してしまうのを抑制する。


特に学習能力改善機能ではラットの実験により変化がよく表れたとされています。

ラットを7日間自由に走らせたときのBDNFの遺伝子の発現を調べたところ、運動をしなかったラットに比べて2倍にもなりました。

BDNFの増加は運動の走行距離が長いほど増加し、長期間定期的に運動をすることによって、BDNFが増加していく可能性があることが示されたといえます。

また、脳と運動の関連ではうつに対しても有効であるとされています。

抗うつ剤の使用と運動を同時に行うとBDNFが増加することも明らかになっているといいます。


▼脳のためにはどれくらいの運動が必要なのか?


脳の働きを回復させることを目的とした運動療法の報告が多数ありますが、提案されている一つに「3メッツの運動を週3回30分程度」というものがあります。

メッツ(METs)というのは運動強度のことで3メッツは低強度のレベルです。


3メッツ・・・歩く、軽い筋トレをする、掃除機をかける

4メッツ・・・早歩きをする、自転車に乗る、子供と屋外で遊ぶ、洗車をする

6メッツ・・・軽いジョギングをする、階段の昇り降りをする

8メッツ・・・長距離を走る、重い荷物を運搬する


といったものが目安で、日常で歩くことや家事をすることでも3メッツにあたります。

ということは、職場への通勤や家事がなくなると脳内の神経への栄養がなくなってしまうのです。


それでも運動不足を感じていて、低強度のものというときはストレッチが3メッツ程度に当たります。

余裕があるのであればラジオ体操などの身体をリズムよく捻ったり、腕の大きく動かすものが適していると思います。

筋肉や関節の働きを保つ、回復させるとともに脳に栄養を送っているということにもなります。


●質の良い睡眠で脳の健康維持


運動は脳への栄養を増加させるということに加え、睡眠にも影響します。

よい睡眠、質のよい睡眠という入眠後に深い眠りに入り、その後、浅い、深いというリズムのなかで朝スッキリ目覚めるというのが理想的なサイクルをされます。

入眠後、深い眠りに入ると分泌されるのが成長ホルモンです。

そして睡眠の後半に分泌されるのがコルチゾールというホルモンです。


コルチゾールは血圧や血糖値を高めて脳を目覚めさせるのが役割で、起床する3時間前から分泌が増加します。

さらに起床1時間前から急激に増えてコルチゾールの量がピークになると自然に目が覚めます。

スッキリ目覚める、脳が集中できるために役に立ちますが、過剰に増えすぎると高血圧や高血糖などの疾患、そして脳の海馬の神経細胞の萎縮を起こし、記憶障害を起こすことがあります。

睡眠前半の成長ホルモンの分泌が減ってしまうと相対的に後半のコルチゾールが多い状態になるので脳や身体を適切に保つためには成長ホルモンを増やす睡眠が大切なのです。


深い睡眠を促すためには身体の深部体温という内臓の体温を下げることが大切です。

そのためには深部体温が上がるようにしておいて、そこから下がる幅ができることが有効です。

そこで運動する時間にもポイントをおきましょう。

深部体温が最高になるのは起床から11時間後(6時起床の場合は17時)で、最低になるのは起床から22時間後(6時起床の場合は朝4時)です。

深部体温の上下幅をお置きするには夕方17時ごろに運動をして体温をあげると夜間に向かって下がっていくので成長ホルモンの分泌量が増やすことができます。

現在は24時間利用できるトレーニングジムも多いので、出勤前や日付が変わるくらいの時間帯にトレーニングされるかたも多いと思いますが、ご自身のライフスタイルで可能であれば、その時間帯も意識してみてはいかがでしょうか。


●認知症予防にも運動を取り入れましょう


脳の神経細胞が少なくなってしまう認知症のように「パワーリハビリテーション」という方法があります。

これは運動により身体機能を高めるだけでなく認知機能も高めるという方法です。

研究では、35歳から40歳くらいで脳の萎縮や認知機能の低下が始まっているともいわれます。

脳の細胞、特に認知症によって大きなダメージを受ける海馬の細胞は、高齢になっても増やすことができるとされています。

また脳には脳トレという、絵やイラストを記憶したり、数字を並べかえたりするものがありますが、運動、筋力トレーニングも一つの脳トレとして考えましょう。

それはどれくらいの筋力で、どれくらいのスピードで、どのような姿勢や動きでということをしっかりと考えながら行うことです。

ある程度の年齢であれば、自分がどのような動きをしているかを意識して身体がやりたいことを脳でしっかり考えるということを含めてトレーニングしましょう。


●脳へエネルギーをつくるミトコンドリア


脳と身体のエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)というものです。

そしてこのATPのつくられ方は年齢によって変わっていくといいます。

20歳代までは、糖分を使い瞬発的に大量のエネルギーをつくる解凍系というシステムが優位になっています。

仕事や作業に一気に集中して、エネルギー不足になったら糖分をとってまた元気になるということが可能です。

しかし人間に身体は一生、解凍系でエネルギーをつくり続ける仕組みにはなっていません。

40代くらいで徐々に解凍系は使われなくなり、ミトコンドリア系というシステムが優位になってきます。


これは細胞内にあるミトコンドリアという小器官で、脂肪や糖分、アミノ酸などの栄養分を二酸化炭素と水に分解しながらエネルギーをつくることができます。

ミトコンドリア系では解凍系のように瞬時に燃え尽きてしまうことはないので持続的に長くエネルギーをつくり続けることができます。


疲れたら甘いものを食べて回復、というのは年齢を重ねると適していない場合が出てきます。

糖分に頼らず、ミトコンドリアのエネルギー生産能力を活用できるようになることも脳へのエネルギーを送ることになります。


そのミトコンドリアを増やすことにも運動です。

特に筋力トレーニングでは瞬発的に勢いよく重さを持ち上げるようなものでは解凍系が働きやすくなります。

そこで意識したいのはゆっくりとした動作とやや多めの回数です。

5回くらいで終わってしまうパワーが必要な方法よりも、多少軽くても丁寧に20回くらい続けられる負荷で行うことで持続的にエネルギーをつくる機能を訓練できます。

丁寧に動きと負荷を感じながら行えば脳とのやりとりも必要になるので筋トレと脳トレを同時に実施できることになります。


●ストレッチは身体を休ませる運動にもなる


運動により脳へ栄養を与え、さらに持続的にエネルギー供給を増やすことがわかりました。

睡眠の質を高める効果もありましたが、それをさらに効果的にするのがストレッチです。

ストレッチも筋肉や関節を使う軽い運動に含まれ、メインの運動の前の準備体操とのイメージもありますが、取り入れ方によって身体を休ませることにも生かせます。



特にゆっくり伸ばす静的ストレッチはリラックスして呼吸を整えながら行うものですが、そこにはワンクッションあります。

運動要素として考えるとストレッチされる筋肉に血液やエネルギー源を送るために血圧や心拍数は上がります。

その時には自律神経のうち、交感神経が優位に働きます。

交感神経が高まった後にはそれを抑制するためにリラックスのための副交感神経が活動します。

この反動により身体は休むモードの切り替わり、入眠をしやすくなるのです。

さらに効果を高める一つが、部屋の照明を消し、暗い中で行うことです。

交感神経は照明やテレビの明るさにも反応し高まります。

それを抑えて行うことで交感神経を抑制し、休むための運動としての効果をさらに発揮させることができます。


●まとめ


脳の栄養はBDNFというものがあり、運動によって増加させともなれば早速、動きだしましょう。

しかし今の季節、外は暑く散歩も大変、トレーニングジムに入会してもなかなか続くかわからない。

そんなときには自宅でストレッチや軽い筋力トレーニングを試してみましょう。

冷房にあたり、動かずかたまってしまった身体を使っていきましょう。


・脳の栄養はBDNF

・運動によりBDNF、ミトコンドリアが増加

・入眠前のストレッチで脳と身体を休ませる


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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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