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このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」
執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「呼吸と横隔膜と身体の動き」です。

●呼吸のための重要部分、横隔膜

呼吸は人間が生きることに不可欠な活動です。
呼吸の目的は体内に酸素を取り入れて、代謝により生じる二酸化炭素を体外に排出すること、いわゆるガス交換です。
空気を取り込む臓器は肺ですが、それを働かせる大切な部分が横隔膜です。
肺には筋肉がないため呼吸の動きのほとんどは横隔膜に支えられています。
胸とお腹との間にパラシュートのようなかたちを形成し、胸郭の下部にある肋骨についています。


息を吸うと横隔膜は収縮して平らになり、肋骨を押し上げて胸腔内の圧力を下げます。
それにより空気が肺に吸い込まれ、身体に必要な酸素を取り込むことができます。
横隔膜を下げることで肺を拡張させて空気を吸い込むという仕組みです。
吐き出す時は逆に、横隔膜が元の位置に戻り肺がすぼまることで空気を押し出します。
横隔膜の収縮と肺に空気を吸うためのスペースができるようにしています。

横隔膜は脳からの司令によって動く臓器ではなく、脊髄の神経によってコントロールされているため意識をしなくても動作が行われています。
それにより人間は眠っているときでも、無意識に呼吸を続けることができるのです。

●呼吸と胸郭の仕組み

▼胸式呼吸と腹式呼吸

ほとんどの場合、お腹を使う腹式呼吸、胸を使う胸式呼吸のどちらかだけで呼吸しており、両方を上手に使った呼吸ができていないものです。
お腹と胸のどちらもまんべんなく使うことで、胸郭を正しく使うことにつながり、呼吸の効率を上げることができます。

仕事や家事、育児などで日々ストレスがかかっていると、ゆったりとした腹式呼吸ではなく胸式呼吸で浅い呼吸を繰り返しているかもしれませんが、皆さんはいかがでしょうか?

人は常に、この2つの呼吸方式を無意識に選択して使っています。
胸式呼吸と腹式呼吸の大きな違いは、空気を取り込む仕組みが違うということです。

胸式呼吸は肋骨周囲にある肋間筋と横隔膜により空気を取り込みます。
つまり、横隔膜から上の空間を使って空気を取り込むスペースをつくるようにしています。
このときは肋骨を上に引き上げるようにして空間をつくるため、首や肩の筋肉を使ったり、背中を反らせたりして肋骨の幅を広げるようになりがちです。
運動時で呼吸が荒くなるような場合には自然とこのような様式になりますが、日常からこれに頼っていると首や肩こりの要因となることがあります。

一方、腹式呼吸は横隔膜の上下運動を使い、空気を取り込みます。
吸気の際に横隔膜がお腹側に下がり、その分肺が広がるスペースができて空気が入り込みます。
横隔膜が下に下がるとそこの下にある内臓が移動します。
お腹の後には背骨があるので後ろ方向には移動できません。
よって、下方向と前方向に向かって内臓が移動するためにお腹が膨らんでいくのです。
胸式呼吸に比べると大きく深い呼吸ができます。
落ち着いたどっしりと構えたようなスポーツ選手などは横隔膜の働きがよく呼吸も安定しているものです。

▼呼吸のための肋骨の動きかた

胸郭は肋骨と胸骨、胸椎で構成され鎧のようなかたちをしています。
ほとんどを占める肋骨は12対に弓のようなかたちをしている骨で、前側は胸骨と、後ろ側は胸椎とつながっています。
下にある2対の骨は胸骨とはつながっていなくて浮動肋という状態になっています。

肋骨は上部、下部に分かれて特徴的な動きをします。
上部の肋骨の動きはポンプハンドル運動といって前後の奥行きを広げる動きができます。
下部の肋骨はバケツハンドル運動という胸郭の横幅を広が動き方をします。
下部のうち浮動肋の動きのことをキャリパー運動といい、横方向に広がったり閉じたりするものがあります。
これらの動きの違いは、肋骨と胸椎の関節の接地面も向きによるものです。
胸郭周囲の筋肉の緊張や関節のカタさにより不得意なものがでてくることがあります。


●筋肉だけではない、呼吸と姿勢と歩行の関係

▼呼吸機能のチェックとエクササイズ

適切な姿勢と適切な呼吸機能が働くことが大切です。
1日のほとんどの時間を座って猫背で過ごしているなど、特に筋力を使っているつもりはなくても重力に対して姿勢の悪い状態で骨格を支えるために筋肉の緊張が生じていることが多いものです。
自覚なく過緊張が進むことにより身体はカタくなり、背中が丸くなったり頭の位置が前側に突っ込んだりした状態になったり、骨盤周囲の筋力の弱化などで負担のない姿勢から逸脱します。
理想的な腹腔は横から見たときに肋骨の下部と骨盤の上部が平行になっていることです。
上下がずれてくると、特にお腹側の幅が開いたかたちになり、前側からおさえる力が弱く、背面の緊張や腰の疲労につながりやすくなります。
前側の力をつけるには腹筋の強化としたいところですが、肋骨の動きがしっかりと出なければ動かないまま無理に固めてしまうといったことになります。


横隔膜をはじめとした呼吸機能が働きにくくなり、姿勢を崩すことと、反対に姿勢が悪くなることで呼吸機能が落ちて過緊張を起こすことの、どちらからも影響があります、
人は姿勢が悪くても呼吸がうまくできていなくてもそれをいつも通りの自分の身体と認識してしまうため、なかなか自覚をしにくいものだと思います。

・肋骨の動き、呼吸のチェックをしてみましょう。



▼呼吸機能で歩き方も悪くなる?

呼吸機能の良し悪しによって歩行にも特徴がでるということがあります。
緊張したときは呼吸が荒くなったり、浅くなったりした経験をお持ちの方もいると思います。
慢性的に緊張した呼吸を行っていれば筋肉も緊張しています。
緊張して身体がカタくなれば膝や足首などがカタくなり、歩行時のかかと接地がしにくくなります。
大きな歩幅で歩くためにはかかとを接地しなければならないので、それができなければ歩幅が小さくなります。
胸郭の可動性が減少しているため、そこに乗っている肩甲骨の動きも悪くなり腕の振りがでにくくなり、力が入っている割に歩行速度が上がりにさが生じます。
緊張で胸郭とともに背中や腰が張り、背骨の動きがカタくなると自身の体重を受け止めにくくなり、それを足が補うことになります。
歩くためには足腰の筋肉だ!ということもなく、呼吸機能が落ちていることも原因になるのです。

▼呼吸で働く身体の機能!

横隔膜は筋膜というコラーゲン繊維の網目で身体の様々な部分とつながっており、多くの臓器や筋肉を固定しています。
そのため、横隔膜を動かすことのできる腹式呼吸は代謝機能にも役に立ちます。
例えば、深呼吸により普段は肺の下部で押しつぶされた状態の肺胞が膨らみ、肺機能の活性化が期待できます。
そして肺が大きく膨らむことで腹圧が上がり他の内臓にも圧力がかかります。
呼吸で働くのは主に肋骨下の横隔膜と骨盤底筋群ですが、これらが内臓を上下に押しつぶすような動きにより腹圧が高まります。
同時に心臓も膨らむように引っ張られることとで様々な臓器への刺激が加わり、血液循環が促されます。
血液循環がスムーズになることで肩こりや首こり、冷え性の改善にもつながります。
さらに血管を拡張させて血圧を下げたり、血管収縮を促すホルモンの分泌を抑制したりする働きのあるプロスタグランジンI2やプロスタグランジンEといった物質が放出され血圧上昇の抑制にもつながります。

●深呼吸はリラックス?落ち着きたいときこそ・・・

浅く、荒い呼吸になることから脱し、リラックスのために深呼吸しましょうという提案がされうことが多いですが、この深呼吸が思わぬマイナス面を持つことがあります。
それは息を吐く、息を吸うといった対になる運動によるものです。

自律神経というものをご存じの方も多いと思います。
この自律神経は交感神経と副交感神経にわけられます。
交感神経は優位になるのは力が入っているとき、緊張しているときなどの興奮状態のときです。
一方、副交感神経は休息や安静モードのときに優位になります。

呼吸では、息を吸うときは交感神経、吐くときには副交感神経の働きが強くなります。
皆さんは深呼吸をして落ち着こうとするとき、しっかり吸おうとしてはいないでしょうか?
吸うときは交感神経、つまり緊張方向に働く自律神経が優位になるのです。

では深呼吸は落ち着きを取り戻すときには間違っているのか?と考えたくなりますがそういうわけではありません。
副交感神経が働く吐くほうの意識を持つことが有効になるということなのです。

深く吸ったあとにあっという間に吐き出してしまうのではなく、吸った時間よりもゆっくりと吐き出すことが落ち着かせたりリラックスさせたりすることには有効になると考えられるのです。


呼吸は「呼気」と「吸気」です。
「吸気」をしっかりと行えば新しい空気が入ってくると思われがちですが、「呼気」が先になっています。
吐けば自然と吸うことができます。
深呼吸の活用の仕方で緊張感が増すか、落ち着きが増すかの違いがでるのです。

●まとめ

・横隔膜の働きで肺が活動し空気が取り込める。
・呼吸機能が姿勢や歩行にも影響する。
・深呼吸は「呼気」をゆっくりとするとリラックス効果。


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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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