このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。
今回のテーマは「スタミナの維持と向上」です。
●アスリートのパフォーマンスと心肺機能
2024年、パリでの夏季オリンピックが開会し、さまざまな競技でアスリートたちが最高のパフォーマンスを見せてくれています。
同じ人間がどのように身体を鍛え上げるかにより、体つきや動きの特徴があり、競技特性があらわれています。
身体の大きさや筋肉のつき方は外からみてわかるものですが、身体の中では勝利のために血液や栄養素が送り続けられているのだと思います。
瞬発力が必要な競技、持久力が必要な競技、その両方が必要な競技と様々あります。
アスリートでなくても趣味でランニングをする、犬の散歩をする、遠くまで自転車で買い物に行く、鬼ごっこで鬼から逃げるなど私たちは身体を動かします。
長く動くために必要なのが、心肺機能、心肺持久力といわれるものです。
名前の通り、心臓と肺で成り立つ機能ですが、それはどのようにして身体に作用しているのかを見ていきたいと思います。
●心肺機能の役割と血液の流れ
心肺機能とは心臓と肺の働きです。
大きな流れは、肺が取り込んだ酸素(空気)を心臓がポンプの役割をして全身に送り出すことです。
私たちの身体の細胞は酸素と栄養素をもらって働きを続けていますが、それらを届ける役割をしているのが血液です。
心臓が送り出す血液が全身に回り届けています。
必要な酸素と栄養素を届けた血液は各部分で二酸化炭素を回収して再び心臓に戻ってきます。
その後二酸化炭素は私たちの呼吸により排出されます。
・体循環
体循環は全身に酸素を送り届ける血液の流れです。
心臓に左心室が強いポンプ機能で血液をつながる大動脈に送ります。
左心房は筋肉が厚く送り出すポンプの力が強いとされています。
大動脈から出た血液は身体の臓器や細胞に酸素を届けるために動脈を通り全身を回ります。
酸素を届けた後は二酸化炭素を回収して大静脈を通り心臓の右心房に戻ってきます。
・肺循環
心臓の右心房に戻ってきた血液は肺動脈を通り肺に向かいます。
この血液は二酸化炭素が多い状態なので、肺の肺胞というところで二酸化炭素と酸素の交換が行われます。
酸素を受け取った血液は肺静脈を通り左心房に流れていきます。
●なぜ動き続けられるのか?スタミナがあるとは?
陸上の5000m走やマラソン、ボクシングで何ラウンドも足を止めずに行う格闘技、サッカーやバスケットボールなどフィールドやコートを縦横無尽に走ったり、動き続ける競技で必要になるのがスタミナです。
夏はスタミナをつけるためにうなぎを食べるなどがありますが、そもそもスタミナとは?
スタミナとは、「心肺持久力」のことを指します。
心肺持久力とは心臓や肺を中心とする循環器の機能の能力です。
その指標になるものが「最大酸素摂取量」です。
最大酸素摂取量とは、酸素を体内に取り込む能力のことで、体重1kgあたり、1分あたりに摂取できる酸素の量のことです。
心臓が一度収縮したときに、どれだけの量の血液と酸素を全身に送ることができるかという運搬の能力。
酸素をすみずみまで送ることができる毛細血管の発達。
身体を動かす骨格筋(腹筋や足の筋肉など、一般的な筋肉のこと)が酸素を利用できる能力。
といったことを総合的にみるものです。
このような能力が高いと、スタミナが高いということになります。
最大酸素摂取量の男性30歳での平均値は、体重あたり40ml/kg/min程度ですが、長距離走のエリート選手では90ml/kg/minにもなるとされます。
●スタミナ向上には心拍数の管理が大切
▼最大酸素摂取量を高めるためには・・・・?
駅で階段を使うと息が上がってしまうなど、日常でスタミナ不足を感じることはないでしょうか。
以前はそのようなことを感じなかったのであれば、心肺機能の低下が起こっているかもしれません。
ということで、トレーニングジムに入会してランニングマシンで運動としたいところですが、どれくらいの運動強度で行うと最大酸素摂取量の向上につながるのでしょう。
最大酸素摂取量は一般的なトレーニングジムでは測定できず、専門の機関で研究やアスリートのために測定器が使われます。
そこでどれくらいの運動強度でなのかを測るものが心拍数です。
まず、私たちには最大心拍数というものがあり、それを求めるのが
「220-年齢」です。
単純ですが、年を重ねるほど最大心拍数は落ちていきます。
これに、最大心拍数の何%で行うかという運動強度を設定することで目標心拍数が決まります。
最大に向上させると思うと100%と思うかもしれませんが、おそらく運動できません。
そこで運動強度に合わせて求める方法が、
目標心拍数=(220-年齢)×運動強度(%)
(ゼロ・トゥピーク法)
または
目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数
(カルボーネン法)
といった2通りの算出方法があります。
ウォーキング、ジョギングの例ですが、運動強度の目安は次のようなものになります。
年齢40歳、安静時心拍数が70の人が60%の運動強度でトレーニングをしようとすると、
ゼロ・トゥピーク法では
(220―40)×60%=108
カルボーネン法では
(220-40―70)×60%+70=136
というようになり、カルボーネン法の方が高めの設定になります。
ランニングマシンやバイクのマシンには心拍数の測定器がついていることが多いの自身の心拍数がわかります。
またスマートウォッチで測定もできるものあると思うので活用してみるとよいと思います。
ただし、日ごろから運動をしている方、まったく運動をしていない方で心拍数に対しての感覚は異なると思います。
心肺機能向上では60~70%、最大酸素摂取量の向上では70~80%の設定になっていますがきつくも感じるかもしれません。
研究者により50%の運動強度でも十分、スタミナの向上になると提案していることもあります。
厚生労働省ホームページのe-ヘルスネットでは40%以上の運動強度が必要とされています。
特に運動をしていないのであれば、必ず何%ということにこだわらず、楽や、きついといった感覚と心拍数を合わせてみることで自身のスタミナレベルを確かめ、徐々に強度をあげていくということにチャレンジしていけばよいと思います。
▼状況によっては主観的運動強度を活用しよう
心拍数を測ることができない、服薬の影響などで心拍数がコントロールされることがあれば
主観的運動強度という、運動時の楽やきついといった感じ方から判断することができます。
これはボルグスケールという安静時心拍数を60拍、最大を200拍と仮定して運動時にどれくらいの心拍数であるかをみるものです。
例えば、運動時の感じ方がややきついの「13」であればそれを10倍にした130拍が大体の心拍数となります。
心肺機能を高めるのであれば11~13あたりの幅で行うとよいと思います。
はじめきつかった運動強度に余裕を感じてきたのであればスタミナがついたことも感じることができるはずです。
つまり、その運動強度に適応できる心肺機能の能力が高まったといえるのです。
心肺持久力を高めるにはランニング、水泳、自転車などの運動を長い時間行うことが有効とされています。
これらは有酸素運動と呼ばれ、酸素を取り込のエネルギーを産生します。
ただし、心肺持久力が低い方や、走ることが苦手という方は長時間というと大変なこともあると思います。
そこで例えば30分の運動をする場合、10分を3回に分けて行うなどでも効果が期待できるといいます。
日常では自宅から駅まで早歩きをする、職場のフロアに上がるまでに階段を使うなど、少し息が上がるタイミングをつくるようにしていくことで心肺機能のトレーニングになります。
そしてそれを毎日続けていくことが大切です。
運動を続けていくことで毛細血管が発達し、筋繊維への血流量が多くなるので酸素を運搬する能力が向上します。
それにより長時間、エネルギーを供給する能力も高まり心肺持久力が増してきます。
●アスリートのスポーツ心臓とは?
スポーツ心臓というと、運動するために高性能の心臓を備えているように感じますが、実際はどのような状態なのでしょう。
これはマラソンや水泳といった持久的な運動を長期間続けることで起きる心臓の状態です。
特徴としては、心臓の壁(筋肉)が厚くなる、安静時の心拍数が少なくなることです。
筋肉が厚くなるのは心臓に対しての負荷がかかることによって起こります。
身体を動かし続けるには多くの血液を酸素とともに送らなければなりません。
そのためには心拍数を多くして送り続けることもできますが、その活動にも限界があります。
そこで身体は1回の拍動で送る血液量を増やすように適応し、それを可能にするために心臓の筋肉を発達させるのです。
安静時は少ない心拍数で必要な血液量を送ることができ、運動時に心拍数をあげ血液量を増やすことができればそこで身体は活動量をあげることができます。
安静時心拍数が70の方が、運動時に150になったとしたら約2倍ですが、安静時心拍数50の方が運動時150になれば3倍の働きができ、同じ心拍数でも送り出す血液量が多くなります。
持久系の一流選手では安静時心拍数が50以下ということもあるそうです。
このスポーツ心臓は10代の成長期から激しいトレーニングを続けてなるもので、市民ランナーなどに起こるものではありません。
また、競技を引退し、トレーニングをしなくなれば半年から1年程度で心臓が小さくなります。
●ストレッチで血管のコンディションアップ
ストレッチは有酸素運動ではありませんので直接、酸素を運搬し、取り込む能力を高めるものとはなりません。
だたし、運動前後に筋肉を動かす準備とケアとしては必要なものです。
またカタく動きにくい筋肉では内部の血管自体の柔らかさも低下していくことが考えられます。
筋肉が柔軟になれば血管の柔らかさも保てるので血流も促されます。
血流がよい状態で心肺機能を高めるようにすれば効率よく酸素を送ることができます。
ストレッチにより血管のコンディションもよくなりに高血圧や動脈硬化の予防にもなるので心臓への負担も軽減されることも期待できます。
ウォーキングやランニング、水泳などと組み合わせて効率よく心肺機能を保つ、高めるように使っていきましょう。
●まとめ
スタミナをつけるにはスタミナをつけるためのトレーニングが必要です。
加齢や運動不足によって心肺機能はやはり低下していきます。
まずは10分長く歩いてみる、できたらそのうち5分を早歩きにしてみるなど日常の中で少し心拍数をあげるタイミングをつくることからはじめるのもよいと思います。
オリンピックで活躍するアスリートに触発され運動したくなるかたもいるかもしれませんが、暑い夏日では十分注意し、無理のない範囲で行うようにしましょう。
・スタミナは酸素を運び、取り込む能力。
・心肺機能向上には長い有酸素運動、できなければ分割してもトレーニングになる。
・ストレッチで血管のコンディションをよくできる。
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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/
本部著書&公式ブログ 監修・執筆
本部研修トレーナー 渡辺 久進
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