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ハムストリングのコンディションを整えよう

このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」

執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。


今回のテーマは「ハムストリングのコンディションを整えよう」です。


●前進するために働くハムストリング


▼ハムストリングの構成について


私たちは歩く、走るといった身体を前に進める機能を持っています。

当たり前のように前進していますがそれはその方向に動けるように関節や筋肉が働いているからです。

その前進するといった動きに働く筋肉の1つが太ももにあるハムストリングです。

何となく聞いたことがある筋肉名であったり、トレーニングをしている方が「ハムがカタい」「ハムを鍛える」といったことをいうのは(聞いたことがあれば)このハムストリングを指していることが多いです。


ハムストリングは太ももの裏側面にあり、3つの筋肉、4つの筋腹で構成されておりその総称です。



1つは大腿二頭筋、太ももの裏側面の外側に付着しています。

「二頭筋」とういのは2つの筋腹(筋繊維の束)で構成されている筋肉のことをいいます。

大腿二頭筋の1つは長頭といって、骨盤の下側にある骨の坐骨からふくらはぎの骨である脛骨と腓骨まで付着しています。

もう1つは短頭といって長頭よりも長さが短い筋腹です。

太ももの骨である大腿骨の外側から脛骨・腓骨についています


大腿二頭筋

起始 長頭:坐骨結節

    短頭:大腿骨粗線の外側唇の下方1/2、外側筋間中隔

停止 脛骨外側顆、腓骨頭外側


機能 股関節の伸展、股関節の外旋

    膝関節の屈曲、膝関節の外旋


機能の一つは股関節の動きに関連するものです。

股関節の伸展というのは足が身体の後側に向かう関節動作です。

お尻と太ももの境目あたりから足を後ろに引くとハムストリングを収縮させて股関節を伸展させる動きになります。

股関節の動きでは外旋という動きにも機能します。

外旋は大腿骨を軸に外側に向かって回旋する動きです。

足を後ろに引いて、太ももを外側方向から回旋すると股関節の伸展と外旋になり、大腿二頭筋が収縮します。


次に膝関節に関連するものです。

大腿二頭筋の機能に膝関節の外旋という動きがあります。

膝は真っすぐに伸びている関節ですが、曲げると左右に回すことができます。

これは膝が回るというよりは、膝下全体、ふくらはぎ、脛が動くというイメージがよいと思います。

その回る方向が外側に向かうのが膝関節の外旋、または下腿の外旋といいます。

また、膝を曲げる役割を持ちます。

踵でお尻を蹴る、お尻に近づけるように膝を曲げるときに使われています。


股関節伸展、股関節外旋、膝関節屈曲、膝関節外旋はつま先、膝を外側に向けて、太ももを外側に回旋し、踵をお尻に近づけるように膝下を曲げていくと大腿二頭筋の筋力が発揮されるポジションになります。


続いて半膜様筋、半腱様筋という筋肉についてです。

ハムストリングの外側、太もも裏の外側には大腿二頭筋でしたが、半膜様筋、半腱様筋は内側寄りについています。


半膜様筋

起始 坐骨結節の上外方

停止 脛骨内側顆の後内側にある溝


機能 股関節の伸展、股関節の内旋

    膝関節の屈曲、膝関節の内旋


半腱様筋

起始 坐骨結節の下内側

停止 脛骨体内側面の上部前縁


機能 股関節の伸展、股関節の内旋

    膝関節の屈曲、膝関節の内旋


股関節伸展の機能は大腿二頭筋と同様です。

回旋動作が反対方向になり、内旋という動きに機能します。

内旋は大腿骨を軸に内側方向に回る動きです。


膝関節についても曲げる動きである屈曲があり、外旋と反対方向の内旋の動きで使われます。

内旋はつま先が内側に向く動きです。


股関節伸展、股関節内旋、膝関節屈曲、膝関節内旋はつま先が内向きで太ももを内側に回旋して踵をお尻に近づけるように膝を曲ると半膜様筋、半腱様筋が使われる動きになります。


▼ハムストリングはアクセルの役割


股関節の伸展が日常での働く動きは歩く、走ることがあがれられます。

人は歩くときに足を前に踏み出しますが、その踏み込んだ足に体重を乗せ、重心を前に移動させて身体を前に進めます。

この移動のさいに股関節を伸展が起こり、ハムストリングが使われます。

走るときにはより早く足の切り替えが起こり、よりハムストリングの活動が強くなります。

加速のために非常に機能するで「ランニング筋」と呼ばれる、アクセルの働きをする筋肉です。

ハムストリングの機能が悪く、股関節の動きが落ちると足首、ふくらはぎなどが補うようになり負担がかかることが考えられます。


ハムストリングはスプリント系のスポーツで怪我を起こすことが多い部分です。

特に多く見られるのが「肉離れ」と呼ばれる筋挫傷、さらに筋断裂といったものです。

陸上の短距離選手がスタートを切ってから急に走れなくなったり、野球選手がベースを回ったさいに倒れ込んでしまったりして、ハムストリングを痛めましたということが見られます。


肉離れは筋肉に伸びろと縮めが急激に起こり逆方向の動きにより裂かれるような力が加わることで生じることがあります。

急に走り出す、急に動きを止める、ジャンプして着地をしたときなど急に過度な負荷がかかることで起こることが多いとされます。


スポーツ選手であれば全力で身体を使うので怪我は付き物かもしれませんが、一般の方でも

子供との遊びで走ったときに違和感が出た、草野球で走ったときに急に痛みが出たなど久しぶりの運動などで起こることもあります。

断裂した瞬間に「プチッ」と音がしてその後、動けなくなった、その部分を触るとへこんでいる感じがするといった経験のある方もいます。

適切な処置、治療で回復はしますがやはりその部分は筋繊維が裂かれやすい状態になっているとされるのでその後のメンテナンスがしっかり行うことが再発の予防になります。


●柔軟性はどのくらい?ストレッチでよく伸ばそう


ハムストリングの柔軟性がわかりやすいのが立位体前屈とストレートレッグレイズというものです。

立位体前屈は立った状態から床に向かって上半身を倒していくものですが、床まで指先がつかないというのは可動域が狭く、ハムストリングの柔軟性が低下しているといえます。

ストレートレッグレイズとうものは仰向けになった状態から片足を上に持ち上げるチェック方法です。

頭や反対側の足が床から浮かないように、足を持ち上げときにどの程度まで持ち上がるかをみますが、足が真っすぐのまま、床と垂直の90度まで上げることができれば合格です。

上げたときに膝が曲がる、お尻が浮く、身体が起きるようなことがあればハムストリングの柔軟性の低下が原因の1つです。


柔軟性が落ちてくれば筋肉が伸長する余裕もなくなってくるので急な動きにより怪我にもつながります。

久しぶりに身体を動かす機会があるという方は事前にストレッチや股関節を動かすなど準備をしておきましょう。





●ハムストリングによる動きと姿勢への影響


▼骨盤と背骨にも関連する


立位体前屈で可動域が小さいことはハムストリングの柔軟性がないことがみられるものですが、前屈時に腰がつらい、痛いといったことがあるとハムストリングの柔軟性があるからこそとうパターンがあります。

骨盤を後ろ側に支える筋力が不足していることで安定させるものがなく、股関節が動きすぎてしまう、それによって背中の柔軟性がなくても前屈ができてしまうということです。

前屈で手のひらまで床まで触れるといってもどの部分が動いているかを見ていくと、動きの悪い部分と動き過ぎている部分があるのでそれぞれのバランスがとれていることが必要だと思います。


一方、ハムストリングがカタい場合、骨盤の後傾が優位になりやすく、股関節の動きも悪くなります。

前屈すると太ももの裏側や膝の後が突っ張っているというのはハムストリングが伸びにくいことにあたります。

この場合、ハムストリングがカタいことを補うために背中を丸めようとするのでそこが過剰な負荷がかかり、腰がつらいといったことが起こります。

股関節の動きの悪さがあるので動きの改善、動きを覚えるためのトレーニングが必要です。


▼ハムストリングの状態で姿勢が変わる


ハムストリングの状態が影響するのが姿勢です。

ハムストリングスは骨盤に付着しているので骨盤の角度に影響します。

骨盤には前側に傾く前傾という方向と、後ろ側に傾く後傾という方向があります。

ハムストリングは前傾、後傾でいえば後傾の方向に動かす側の筋肉です。


骨盤前傾は主に股関節の前側にある筋肉が強い、カタくなっていることでその方向に動きます。

ハムストリングが柔らかく、筋力不足であれば骨盤前傾方向が優位になりやすく、それに伴って骨盤の上に立つ背骨が反りやすくなります。

特に直上の腰椎の前側へのカーブが強くなり、いわゆる反り腰のかたちになります。

反っていれば背中の筋肉の緊張が強くなり、腰まわりのカタさにもつながります。

骨盤の後傾方向への動きが苦手なので、身体を丸める動作ができない、腹筋が苦手といったことも動きにあらわれます。



ハムストリングがカタくなれば股関節の前側の筋肉とのバランスが悪く骨盤後傾になりやすいといえます。

骨盤が後側に傾くと前傾のときには反っていた腰椎のカーブが小さくなり真っすぐに近い状態になります。

本来、腰椎は前側に丸みのあるカーブですが、それがなくなると背骨の配列が変わってしまうことになり、背中や腰への負担がかかることが考えられます。

また、ハムストリングに加えてお尻の筋肉も含まれますが、骨盤後傾により重心が後に行くと背骨全体の後ろに引かれるため、極端にいうと身体は後ろに倒れます。

それを防ぐために背中の上側を前に戻すようにしていきます。

背中の上側を前に戻すために丸めて猫背のかたち、そして頭が前方に突っ込むようになります。

このようになると真っすぐに立っているつもりでも骨盤は下に落ちたようになり、背中は後ろ側、頭は前側といったジグザグな立ち姿勢になります。


一般の方で比較的多いのはデスクワークが長い方はハムストリングがカタくなりがちだと思います。

座っている時間が長いことでお尻とハムストリングが固まって股関節の動きが行いにくくなる、骨盤後傾で座り、膝が曲がっていればハムストリング短くなったかたちなのです。


●まとめ


ハムストリングは前屈ができない、足が上がらないといったことなど悪いことのチェック項目に使われがちですが、歩く、走るといった日常での動きに必要な筋肉です。

身体全体でいえることですが適切な柔軟性、筋力があるから股関節や姿勢といったコンディションがよいものです。

ストレッチでも筋力トレーニングでも使うといった感覚を入れておくようにしていきましょう。


・ハムストリングは3つの筋肉の総称、股関節、膝関節の動きに機能する

・ハムストリングは急激な動きで怪我を起こしやすい部分。

・骨盤の動きに関連することで姿勢にも影響する。

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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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