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【第6話】希望のリスタート

第6話:次なる一歩

次の週、あいりは再び各部署のリーダーたちを集め、業務棚卸の結果を共有するミーティングを開催した。各リーダーは自分たちの部署で洗い出した業務と、その改善案を持ち寄っていた。

「皆さん、おはようございます。今日は先週の業務棚卸の結果と、それに基づく改善案について話し合いたいと思います。」あいりは全員に向けて笑顔で挨拶をした。

リーダーたちは順番に、自分たちの部署で見つけた問題点と改善案を発表し始めた。

「まず、営業部からです。」佐藤が立ち上がり、付箋で整理された業務一覧表を示しながら話し始めた。「我々の部署では、重複した顧客対応や無駄なミーティングが多いことが分かりました。これを改善するために、顧客対応の役割分担を明確にし、ミーティングの頻度を見直すことを提案します。」

次に、田中さんが経理部の状況を報告した。「経理部では、手作業で行っている業務が多く、デジタル化が進んでいないことが問題です。これを解決するために、新しい経理ソフトウェアを導入し、業務の自動化を進めたいと思います。」

他のリーダーたちも次々と発表し、各部署で見つかった問題点とその改善案を共有した。全体として、無駄な業務や重複した作業を減らし、業務プロセスを効率化するための具体的なアイデアが出揃った。

あいりは全員の発表を聞き終えると、次のステップとしてガントチャートの導入を提案した。

「皆さん、素晴らしい改善案をありがとうございます。これからは、これらの改善案を実行に移すために、ガントチャートを活用したいと思います。ガントチャートは、プロジェクトの進捗状況を視覚的に把握するためのツールです。」

あいりはホワイトボードにガントチャートのサンプルを描き、具体的な説明を始めた。

「ガントチャートは、各タスクの開始日と終了日を横軸に、タスク自体を縦軸に配置することで、プロジェクト全体の進行状況を一目で確認できます。これにより、どのタスクが進行中で、どのタスクが遅れているか、またはどのタスクが完了したかが分かります。」

リーダーたちはホワイトボードを見ながら、ガントチャートの利便性に興味を示した。

「例えば、次の新製品開発プロジェクトでは、各タスクを以下のように配置します。」あいりは具体的な例を示しながら説明を続けた。「市場調査、設計、試作、テスト、量産といったタスクを時間軸に沿って配置します。これにより、各タスクの依存関係も明確になり、遅延が発生した場合の影響範囲が一目で分かります。」

佐藤が手を挙げて質問した。「ガントチャートはどのように作成すればいいのでしょうか?特別なソフトウェアが必要ですか?」

あいりは笑顔で答えた。「心配いりません。無料で使えるオンラインツールもありますし、エクセルでも簡単に作成できます。重要なのは、各タスクの開始日と終了日を正確に入力することです。初めは少し戸惑うかもしれませんが、慣れれば非常に便利です。必要であれば、私が初期設定や使い方のトレーニングをサポートします。」

リーダーたちはガントチャートの導入に前向きな姿勢を示し、次のステップに進むことを決意した。

「それなら安心ですね。ぜひ試してみましょう。」と田中さんも賛成した。

「ありがとうございます。」あいりは続けた。「まず、各部署でガントチャートを作成し、次回のミーティングで共有してください。これにより、全体の進捗状況を把握しやすくなり、問題が発生した際にも迅速に対応できるようになります。」

ミーティングは和やかな雰囲気で進行し、リーダーたちはそれぞれの部署に戻ってガントチャートの作成に取り掛かることを約束した。あいりは、次回のミーティングで全体の進捗状況を確認し、さらに具体的な改善策を実行に移す計画を立てた。

「次週のミーティングでは、各部署で作成したガントチャートを基に、全体の進捗を確認しましょう。そして、さらに効率化を進めるための具体的なアクションプランを立てます。」

リーダーたちは意欲的に頷き、ガントチャートの作成に向けて動き出した。あいりは彼らの協力を得られたことにほっとし、次のステップに進む決意を固めた。

これからの道のりはまだ長いが、あいりは自分のリーダーシップとリーダーたちの協力で、会社をより良い方向に導くための確かな一歩を踏み出した。

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