東京に家族で移住して、約2年経って思ったことなど

岡山から東京に移住して、早2年が経過しようとしている。
ここに遊びには、1人で、妻と2人で、子供が生まれて家族4人で、と3パターンにて来ているが、どれもとても楽しい思い出として残っているし、来る度に新たな発見があり面白さが増していった。
なので、「遊びに来るには本当に最高の街だな」と都度思っていたが、そこに住むというイメージは直前まで湧かなかったし、住みたいと思ったことは正直なところなかった。
だが、住んでみてそれまで感じていた以上の魅力を日々実感しており、この街の持つ魅力の奥深さに驚いている。

遊びに来ていた際は、東京はとにかく懐が深くて、刺激的な街だなという印象が強かった。あと飲み屋がめちゃくちゃ多い。（これは個人的に最重要事項だ）
その印象は、2年近く住んでみた今でもほとんど変わっていない。

懐が深い、というのは、全国の多種多様な人を受け入れて成り立っているだけに、どんなタイプの人でも自分の居場所を見つけることができるということで、多様性が高いというべきかもしれない。金持ちも貧乏人もアル中も変態も老若男女何でもござれで、それがとても心地よい。

刺激的、というのは、巷での情報量が地方と比べると圧倒的に多く、街をただ歩くだけでも様々な情報を受け、それまで知らなかったことを知る機会が多く存在するということであり、東京に住むことのメリットの大部分はこの点にあると思っている。
新しい情報、人に触れる機会が多いということは、それだけ新しい気づきや価値観を得るチャンスがあるということで、それまでの経験に基づいたある程度固定された考え方から脱却できる可能性が高いということである。
インターネットにより東京と地方の情報格差はほぼ無くなったとはいえ、それはあくまで自分が興味を持っている範囲においての情報であり、偶発的に入ってくる情報量ではまだまだ大きな差がある。

飲み屋が多い、というのはもう読んだままですね、はい。朝から朝まで飲めるし、それこそ多種多様な店が星の数ほどあり、日々飲み歩いても全く飽きない。東京の店は高いというイメージがあるかもしれないが、私が大好きな所謂センベロの格安店もめちゃくちゃ多く、とても掘りがいがある。

逆に住んでみて初めて分かったことも多い。

「人が優しい」
東京の人は他人に無関心で冷たいというイメージが一般的で私もそう思っていたが、実際は優しく気遣いのできる人が多い、という想いに変わった。子供連れで電車に乗ると、子供に席を譲ってくれる率が非常に高いし、道で何かを落とした時も後ろの人が拾って追いかけてくれたことが2回ほどあった。地元を離れて出てくる人が多いだけに、相互扶助の精神が地方よりも根付いている気がする。

「銭湯が最高」
銭湯の多さとその魅力もこっちに来て初めて知った。私の住んでいる大田区には特に多く、都内トップの数だという。岡山にいる頃から元々温泉や銭湯は好きだったが、数がそんなにないし、割と遠いし、高いしで行く頻度はそんなに高くなかった。それがこっちに来てからは、ほぼ毎週1～2回は行っている。1回が470円と安いのと、それこそ数が多いので掘っていて楽しいのだ。また店によりそれぞれ特色があるし、魅力的な店は地域に根付いてる感がすごい。完全にコミュニティスペースとして機能しており、これも地方にはあまり類がないものだと思う。

「割と普通の人が多い」
来るまでは東京の人は感度が高く、センスも磨かれているため、所謂「イケている」人が多いという（勝手な）イメージだったが、実際はそうでもなく、普通（という表現が適当かはさておき）の人が大部分を占めているのが分かった。もちろんマニアックな人もいるが、それは総人口が多いから多く見えるだけで、比率的には地方と大差はないように思える。まあ、これは単純に私の先入観によるものだったと言える。
だが、濃い人は目茶目茶濃い。濃度が違う。一風堂と天一のこってりくらい違う。ここが地方とは違うところか。

「選択肢が多すぎて困る」
ジャムの法則というのがあるが、選択肢が多岐に渡るほど人は正常な判断がしづらくなる。この街はまさにそれで、何でもあるしなんでもできるが故に逆に何もしたくなくなるケースも多い。
私もそれに陥りそうになるが、意識的に新しい場所に行ったり、イベントに参加しようとと心がけてはいる。だが、本当にその選択肢が多くて何がしたいのか分からなくなることが多々あるから困りものだ。ずっと東京に住んでる人が、家の周りから出なくなるというのも分かる。

「行政がめちゃ金持っている」
これは地方との差をかなり感じる。公園とか公共施設への金のかけ方、運営力が地方とは全く違う。え？マジでここタダでいいんすか？ってところがすごいある。有料でもめちゃ安いとことか。上野動物園とかいい例で、あれで入園料600円とか地方では絶対に成り立たない。ソッコー閉園。
他にも水族館とか植物園、普通の公園でもクオリティがすごい高い。コスパ良すぎて泣ける。
これは子育てしてる身分にとっては、めちゃありがたくて、子供のお出かけに困ることがない。ありがたすぎて、もう東京都に足を向けて寝れないレベル。

まあ、そんなこんなで適当にダラダラと書いてみたけど、要するに「住んでも東京はやっぱ楽しくて最高！」というだけの話である。すいません。

ただ、こっちに来てプライベートの友達がまだできていないのが唯一残念な点であり、自分のコミュ力の低さに辟易してしまう今日この頃である。
…というわけで、こんな私でもよければ、どなたかお友達になってください！おねーしゃす！（割と切実）