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体温のある学び。オーストリア人・モンゴル人・日本人で「働く」を考えてみた

こんにちは。
ストレングスファインダーコンサルタントの
中村太一と申します。

初めましての方へ。
来てくださってありがとうございます、
私はこんな人間です。

東大卒業後、仕事で3回鬱病を繰り返すも強みを生かす技術で復活&100名規模の事業部の副部長に昇進。独立後は強みを生かす組織・個人になれるワークショップを計30社2000名以上に提供(上場企業7社含む)。今は妻と娘と猫たちと、葉山の海辺で幸せに暮らしています。藤井風さんファンです。

プロフィール欄より



さて本日のテーマですが、
オーストリア人・モンゴル人・日本人で
「働く」ことについて考えてみた、という話です。


「どういう組み合わせ?」と思われそうですので、
先に私の友人たちの紹介をします。


まずオーストリア人(男性)の彼は、留学先で出会った友達です。私は14年前にスウェーデンに留学していたことがあり、ヨーロッパ中から留学生が集まるその大学で一番仲良くなった友人でした。

優秀な工学系エンジニアでありながら、大のアニメ漫画オタクでもあり、「いつか日本に住むのが夢なんだ」とは聞いていたのですが、本当に東大に留学しに来て、計5年ほど日本に住んでいました。

今回彼と撮った一枚。
岐阜で買ったという謎のTシャツが面白い。笑




そしてモンゴル人(女性)の友達は、彼の奥さんです。彼女はモンゴルから東大に留学し、オーストリア人の彼と出会い、最近ついに結婚しました。

おめでとう!!

「娘さんを僕に下さい」をやりに
モンゴルのご実家に行った2人。
人生が壮大すぎて何か清々しい気持ちになります。
因みにご家族にも大いに歓迎されたそうです。



私たちはこの2人と家族ぐるみで付き合いを続けていますが、ついに2人とも日本を離れ、彼の故郷のオーストリアで暮らし始めるとのことで、旅立つ前に葉山まで会いに来てくれました。


そんな私たちは、いつも文化の違いについての考察で盛り上がることが多く、毎回楽しく話しながら、色んなことを学び合っています。

相対化することで見えてくるものが
沢山あります。


そして今回出た話が「働く」ことに関する意識の違い、特に、アジアとヨーロッパの違いについてでした。

このブログの主旨のひとつは、
読者の方の「仕事」の悩みを解決したり
「仕事」の楽しさをもっと広げることですので、
その学びを記事にしてみようと思った次第です。

ぜひお付き合いください。



話のはじまり:なぜ東アジアの新社会人は元気をなくしがちなのか



私とモンゴル人の彼女は日本企業で働いた経験があり、オーストリア人の彼は日本の大学の研究室と、
オーストリアの企業で働いた経験があります。


そんな中で出てきた話題が
なぜ日本では、というか主に東アジアの国では、
仕事を始めた新社会人が元気がなくなりがちなのか、ということ。

逆に言えば、ヨーロッパではあまりそういった現象はなく、社会人1年目から軽やかに働いている人がほとんどとのこと。


これは何が違うのだろうという話になり、
私とモンゴル人の彼女が東アジア側の感覚を、
オーストリア人の彼と彼のお母様(旅行でいらしてました)がヨーロッパ側の感覚を、それぞれ説明してみることにしました。


東アジアは「帰属」、ヨーロッパでは「契約」の感覚が強い


いろいろとお互いに共有した結果明確に見えてきたのが、企業で仕事をする場合において

東アジアでは「帰属」
ヨーロッパでは「契約」

の感覚が強いのではということでした。


最近日本もこの辺りが変わってきたと感じていますが、やはりヨーロッパと相対化すると

東アジアでは会社で働く=その会社に「帰属する」

という感覚が、やはりまだ強いのかなと感じさせられました。共同体意識と言ってもいいかもしれません。

新人のうちは仕事で出せる価値も少ないので
「もっと頑張らなければ」
「早く1人前にならなければ」
という気持ちや焦りも強くなりがちだよね
という話を私たちがしたところ


オーストリア人の2人からは、
いや、会社側の判断で新人を取っているんだし
初年度の期待値は高くないはず。
それでも回るように会社も設計されている。
給与も実力に見合った低さなんだから、
焦るような感覚になること自体がよくわからない

とのこと。


話していて感じたのは
私たち東アジア人は
会社がその人にとっての新たな「社会」となるので
そこにいる人たちから認められる状態を
無意識に求めがち
と解釈できるのではということでした。

共同体の一員として認められたいし
逆に認められていない状態は不安
という感覚とも言えるかもしれません。


そうだとすると、
会社に入る=新たな共同体に移住する
ということになるので
そりゃ大抵の人は新参者のうちは緊張するし
共同体にあまり貢献できていない期間は
居心地が悪いと感じたり萎縮したりして、
それで社会人1年目に元気をなくしがち
ということなのかなと。


「上司や同僚に遠慮して長期休暇取れない問題」も
根本はこういう感覚から来ているのかもしれないですね。


逆にヨーロッパ人の会社で働く感覚は
徹底して「契約」に過ぎない
というものなんだなとも感じました。


「日本では100%以上の働きをする人に会うことが多いけど、この会社は別にあなたが所有してはいないんだよ?ただ雇われているだけなのに身を削りすぎじゃない? と心配してしまう時がある」

という話がオーストリアのお2人から出たあたりで

あくまで自分が自分の事業主であり
会社で働く場合であっても
専属契約で自分の労働力を
その会社に供与する意思決定をしただけ

という、ある種の経営者マインドのようなもの
を感じました。

日本人にとっては業務委託契約に近い感覚でしょうか。ビジネスパートナーであって、共同体の一員ではないという。契約に基づいて、良い仕事をして、対価を受け取って、お互い笑顔になりましょう、
という感覚。


この場合、その人は会社で働き始めても
別に新たな「社会」に帰属することにはならないので、学生時代と何らノリが大きく変わるわけではなく、比較的軽やかに仕事をスタートできているのではというのが、その時の結論でした。


会社という発明品はヨーロッパで生まれたものですので、会社との付き合い方も上手いというか、
リテラシーが高いという見方も出来るのかもしれませんね。


東洋と西洋で学び合えるのが一番いい、という温かな結論



ただ、その時の話が面白かったのは、単にヨーロッパを見習いましょうで終わらなかったことです。

日本をはじめアジア特有の、「仕事」の先にある「お客さん」のことを考え、尽くし、100%以上の仕事をしようとする文化も、とても素晴らしいよねという話が出てきたからです。


一連の話は近所のレストランで
ランチをしながらしていたのですが
オーストリア人の彼のお母様が
出てきた料理を大変気に入り

「本当においしい!
帰国したら自分でも作ってみたいわ!」

と感嘆されていたのを聞き漏らさず
店員さんがなんとお店に確認した上で
手書きのレシピを
お土産に持ってきて下さったのです!



お母様も私たちも本当に感激し
「100%以上の仕事って本当に素晴らしいね」と、
その場の全員にとって明るい着地点が見つかったような瞬間でした。


アジア人はヨーロッパ人の
ビジネスリテラシーやオーナーシップを、

ヨーロッパ人はアジア人の
労働倫理やホスピタリティを、

それぞれ学び合えたら
それが一番素敵なことだね

というのが、その日の結論でした。

オーストリア人の彼と、モンゴル人の彼女が
夫婦になることで生まれる
明るいものも示唆しているようで、
本当にその場の全員の心が温かく
通じ合った瞬間でもありました。


私は本を読むのも好きですが、
こうした体温のある学びこそが
実際に自分の思考や行動を変えてくれると
感じています。

仕事でもプライベートでも
私はこうした瞬間が来ることを
いつも楽しみにしています。



さて、今日はストレングスファインダーとは少し遠い話でしたが、楽しんで頂けたようでしたら幸いです。

また、私がそもそも普段なんの仕事をしているのか
興味を持って頂けましたら
この自己紹介記事も読んで頂けますと幸いです。


それでは、今日もありがとうございました。
またお会いしましょう!


あとがき雑談


最後はいつものように雑談コーナーです。

留学先でオーストリア人の彼と出会った時の最初の会話が、今思い出しても面白い内容でしたので共有します。


彼「俺は日本のアニメが大好きなんだよ!」

私「そうなんだ!僕は太一。よろしく!」

彼「よろしく、太一!おっと、初対面では”太一さん”と言うべきかな?」

私「おお!日本の敬称の文化を知ってるの?」

彼「ああ!アニメで学んだんだ。関係性によって変わるんだろう?恋愛アニメも見たから、年下女性が、親しくなるごとに年上男性に使う敬称が変化することさえ知ってるよ」

私「というと?」

彼「最初は距離があるから、”先輩”って言うんだよな?」

私「おお、まあそうだね!」

彼「だんだん距離が縮まってきたら、”さん”付けになる。」

私「おお、合ってるよ!」



彼「そして最後は”お兄ちゃん”と呼ぶんだろ?

私「それ違う!!そのアニメはだいぶ特殊だぞ!!笑


という、とんでもない誤解をしていた彼も、私と友達になり、今では正しい知識を学んでくれました。

いわゆる内輪ネタで恐縮ですが、
もしひと笑いして頂けたのなら幸いです。

それでは、また。


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