寅さん観察日記#35「寅次郎恋愛塾」

第35作 1985年8月3日 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾
マドンナ:樋口可南子

夢シーンはショートバージョン。
姥捨山に老人夫婦(おいちゃん&おばちゃん)を捨てに行こうとして背中に背負ったら立ち上がれなくておしまい。

ひろしさん、中学の頃は弁護士になりたかったらしい。高校の頃は不良でその目標は諦めたと。
いろんな職業を転々として印刷工になったとの事。
てっきり朝日印刷に集団就職とかそんな感じかと思ってた。

いやしかし、筆者ここで思い出す。
そういえば第一話ではひろしさん、親と反りが合わずに飛び出したっていう話だった。
そしてさくらと出会い結婚するのが第一話の流れ。そうだそうだ。
ひろしさん、家出同然だったんだ。
ある意味寅さんよりもアグレッシヴに人生を生きているんじゃないか。

寅さん旅先で登場。舞台は上五島。耶蘇(やそ)教という言葉を初めて聞いた。イエス教の訛りか。
隠れキリシタンの末裔のお婆さんの家に泊まりこむが、その最中にお婆さんが亡くなってしまう。
葬式の時に孫娘(樋口可南子)と会い、案の定惚れる。今は東京に住んでいるという孫娘さんと東京で再会。
樋口可南子さん、現代的な容姿でマドンナの新しい時代を感じる。

大学の先生役で松村達雄さん(二代目おいちゃん)が登場。山田洋次さんにとって大切なファミリーなんだなぁ。

マドンナを、同じアパートに住む男子大学生とくっつけようとする寅さん。
お互いに想い合っているので寅さんはキッカケに過ぎず、ちゃんとくっつく。
真面目な恋愛モノ、寅さんの三角関係モノと見せかけて、実はかなりコメディに降った内容でした。

樋口可南子さんの爽やかな笑顔でドタバタギャグを素敵に包み込む、ほっこりする作品。

タコ社長の娘のあけみちゃんが賑やかさを増し、さくらの息子の満男も子供からだんだん男子へと成長。
とらや周辺のファミリーがまた少し、明るくなってきた。

ロケ地:上五島、秋田八幡山?
主題歌:キーG。歌詞はパターン1。
やっぱり前作から、昔の録音を使っているような気がする。今までは新録していたが。
安定のサウンドでテーマソングが流れるこの感じ。シリーズが王道の風格を帯びてきた感があって良いかも。

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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。

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