寅さん観察日記#44「寅次郎の告白」

第44作 1991年12月23日 男はつらいよ 寅次郎の告白
マドンナ:吉田日出子

冒頭は夢シーンではなく寅さんの語り。
背景が、筆者の故郷にほど近い中津川でそちらに気を取られて語りが入ってこず。
自分も若い頃によく乗った電車やバスの同型車両が出てきたりして、テンションが上がる。
日本全国にこういうファンが多いんだろうなぁ。

泉ちゃんが名古屋から柴又へ来た。就職活動のようだ。
久しぶりに出た!タコ社長と寅さんのケンカ。元気で何より。
シリーズ序盤ではまたか、と辟易していたこのケンカも、二人が歳を取ってから見ると別の味わいが出てくるものである。

泉ちゃん、名古屋の母親が彼氏を連れてくるのが耐えられず東京に出たかったようだ。お多感な年頃ゆえ仕方なしか。

とらやの屋号が気が付くと「くるま菓子舗」になってる!いつからだ。
(ネットで漁ってみると、昭和63年の第40作から変わっているようだ。おおよそ平成から変わったと思えば良い。変わった理由は少しモヤッとするもので、調べない方が夢が壊れなくて良い。)

家出しちゃった泉ちゃんを探しに荷物もそこそこに出立する満男。
さくら「お金とかどうするの?」
満男「そのためにバイトしてるんじゃないか!」
おおそうだ!生き金の使い方、知ってるじゃないか。
カッコいいぞ、満男。

舞台は鳥取。
久々に寅さんの生みの親の話が出てきた。ミヤコ蝶々さんがやってらっしゃったなぁ。懐かしく感じる。

吉田日出子さん登場。寅さんの昔馴染みって感じで出てきたけど、たぶん初出場だよなぁ。過去に出ていたのなら、見直してみたい。
それにしてもこの方の声はズルです。寅さんじゃなくても惚れちゃうよ。
(筆者は上海バンスキングのサントラ盤が愛聴盤でした。)

鳥取砂丘で無事に出会う満男と泉ちゃん。
実に爽やかである。見てるこちらも寅さんと同じ叔父さん気分で二人を愛でる気分である。
川原で出てきた釣りのおじさん、また笹野さんだ。
変装ともいうべきお姿で、見つけた人がニヤリとできるファンサービスになっている。
(あ、吉田日出子さんと笹野さん。上海バンスキング繋がりだ。)

最近はすっかり物語の最後にしか出てこなくなった御前様。
若い頃はたくさん恋をされたそうだ。その激しさは寅以上とのこと。
なんとこんな面白ネタをシリーズ最終盤でぶち込んでくるとは!

満男のエンディングの呟きがいいねぇ。満男が寅さんの正式な後継者に名乗りを上げた瞬間である。
満男が寅さんの恋の仕組みを解説してくれて、シリーズの総仕上げを予感させる作品であった。

ロケ地:岐阜県中津川、鳥取
主題歌:キーG。いつもの。

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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。

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