寅さん観察日記#10「寅次郎夢枕」

第10作 1972年12月29日 男はつらいよ 寅次郎夢枕

この2,3作前あたりから寅さんの売り物が本になっている。初期はインチキネックレスだった。インチキがバレて売れなくなったか。

寅さんの出身校は柴又尋常小学校。そして葛飾商業を少し早めに卒業(笑)
とらやの二階に御膳様の甥である東大助教授が居候してきて寅の幼馴染のちよ(八千草薫)に一目惚れ。いつもの寅がお株を奪われて珍騒動。実はちよが好きなのは。。

全体的にのんびり平和な話。
このタイトル、ひょっとしたら初代おいちゃんが夢枕に立ってるよ、って意味の森川信トリビュート作品なのかも。
おいちゃんが生前に見た夢って感じの優しさが全体を包んでいる。

冒頭で、ご近所の花嫁さんがとらやへ挨拶に来るシーン、この花嫁さん見た覚えがないぞと思って後から調べてみた。
源ちゃん役の佐藤蛾次郎さんが結婚したが式を挙げる金がないため、スタッフが奥さんに花嫁衣裳を着せてあげて記念に出演させたらしい。
なんと素敵なエピソードか。
男はつらいよ、スクリーンの向こう側でも人情味に溢れている。

マドンナ:八千草薫
ロケ地:奈良井宿(塩尻)
主題歌:キーG。歌詞はパターン1。少しテンポが早い。

追記:
寅さんの性格がいつから丸くなったのかを知りたくて、第一作から興味本位で見続けてきた。
寅さんが柔かくなり始めるのはおいちゃん役の森川信さんの急逝にあったようだ。
ひょっとしたら渥美清さんは現場を盛り上げようとして無理に笑い中心に演じた結果、キャラが変わったように見えたのかも。
それまで凶暴なヤクザだったのが、面白いおっちゃんに少し変わっていた。

寅さんの変化について、もう少しどうでもいい結論をこのnoteに書きたいと思っていたが、そういう事だったのかと沁みてしまった。
引き続き、観察日記は続けます。

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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。

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