寅さん観察日記#32「口笛を吹く寅次郎」
第32作 1983年12月28日 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎
マドンナ:竹下景子
最初の夢シーンはニセ寅さんが出てくる。特にオチはなく妙な夢シーンだった。
旅の途中、備中高梁にひろしのお父さんの菩提寺を訪ね、墓参りに来た寅さん。
その寺のお坊さんが松村達雄さんだ。二代目おいちゃんである。
たしかご病気でおいちゃんを降板したはず。お元気そうで嬉しくなっちゃった。
中井貴一と杉田かおるさん登場。
杉田かおる、健康的な美少女って感じである。後の酒浸りのイメージはまだない。(当たり前か。)
寅さん、お寺さんに居候してるうちに居心地良くなっちゃって居着く。
坊さんに代わって法事に出席などやりたい放題。
そしてまさかのひろしの実家の法事にも坊主姿で知らぬ顔で出席。
え!あれお兄ちゃんじゃない!?ええ??
見事なシチュエーションコメディだ。
お寺の娘さん(竹下景子)にぞっこんになり、柴又に帰ってから仏門に入ると言い出す。
帝釈天で修行するが三日で逃げ出し御膳様カンカン。ついに帝釈天出入り禁止を言い渡される。
とらやファミリーの会話がいつになく弾んでいて絶好調だ。
竹下景子さんは寅さんに気があるようなそぶりを見せるが。。寅にその気持をどのように伝えるのか、最後まで気を持たせる展開。そして柴又駅での愛おしくなるような名シーンへ。
朝日印刷の新年会はとらやではなくひろしさんの家。
最後に出てくる瀬戸内海には大きな橋が建設中だ。
風景で時代の流れを見せて、とらや&朝日印刷ファミリーの関係性でも時間の流れを感じさせる。
見事な終盤の演出だ。
最後に出てきた家族、冒頭で寅さんを夢から起こした人だ。
気になって冒頭から見直して気が付いた。夢シーンを起こす人との再会なんて今まで無かったような。
大変細かく作り込まれている。
コメディ回でありながら人の内面にも一歩踏み込んだ見事な脚本、そして痛快なシチュエーションコメディ。
これは紛れもない傑作回だ!
松村達雄さんの登場と、何よりとらやファミリーの弾むような会話が心地よかった。
今まで見た中でのベスト3に入れたい。
ロケ地:備中高梁(ひろしの父さんの故郷)
主題歌:キーG
最初の口上がいつもと違う。
「第同三元軒下三寸借り受けましての渡世、ワタクシ、野中の一本杉でござんす。」
その後の歌詞はパターン1
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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。
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