寅さん観察日記#3「フーテン」

第3作1970年1月15日「男はつらいよ フーテン」

三重・湯の山温泉が舞台。温泉宿の女将に恋してしまう寅さん。
ロケ地を中心に話が進むのは新鮮な雰囲気。

寅さんの口調は少しだけ丸みを帯びただろうか。でもやはり面倒な性格は変わらず。
隣のタコ社長に「ありゃ体のいい失業者だよ!」と言われる。
恐怖の対象から憐れまれる対象へほんの少し変化か。

タコ社長のようなご近所さんがフラッと居住スペースに出入りする所が、昭和の時代を感じさせる。
令和の今、自分の部屋に隣の工場のおっちゃんがお茶ちょうだいって勝手に入ってきたらと思うとすごく嫌だけど。
でもああいうオープンなご近所付き合いが町の安全や困った時の助け合いに繋がってたんだろうなとは思う。

書きながら思い出したけれど、2000年頃、筆者がコンピュータの会社にいた頃にインド人と一緒に仕事をした。
仲良くなったインド人の部屋(日本)に遊びに行くと、近所に住むインド人が勝手にどんどん上がり込んで勝手に調理して食べたり部屋で寛いでいた事に衝撃を受けた。
共同生活をしているのかと問うと違うという。近所の人だと。
あそこは日本のとらやだったのか。(タコ社長は勝手に冷蔵庫までは開けないけどね。)

寅さんが旅先でたたき売りしてるのはインチキ商品である事が家族にバレる。
そこは大きな問題ではないという流れにまた、時代を感じる。

樹木希林さんが冒頭でチョイ役で出ているのを発見して嬉しかった。

マドンナ:新珠三千代
ロケ地:三重・湯の山温泉
主題歌:キーA。歌詞はパターン1。
キーが高いせいで軽い感じがしてしまう。

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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。

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