寅さん観察日記#45「寅次郎の青春」

第45作 1992年12月26日 男はつらいよ 寅次郎の青春
マドンナ:風吹ジュン

夢シーンに泉ちゃん役の後藤久美子登場!
以前はさくらの役どころだった。そう思うと少し寂しい気もするが、後藤久美子がいよいよ作品にハマってきた感もあり、これはこれで良い。

スタートが満男と泉ちゃんからだ。
そして寅さんの登場シーンは過去一番の映像的カッコよさ。だけどそれは一瞬であとはいつも通りでホッとする。
宮崎で風吹ジュンさんといい感じで出会う。

泉が友達の結婚式に呼ばれて宮崎へ。
案の定寅さんとバッタリ。
この二人はかなりの高確率で日本全国バッタリする。
この二人にとって日本はとてつもなく狭い。

満男も泉ちゃんと会いたいがために寅さんをダシに追いかけ、三人が宮崎で合流。
期待通りの寅さん&風吹ジュンの恋愛模様と、満男&泉の恋愛模様の交錯。
寅さんと満男が二人でコソコソ話すシーンは友達同士のようで微笑ましい。中学生か。

満男はもはや隠すべくもなく泉ちゃんが好き。でも泉ちゃんはそうでもなさそうである。いつの間にか二人の関係性に少し変化が見え始めた。
就職して社会にでた泉ちゃんと、モラトリアムを存分に楽しむ満男では、見えている世界が違うのかもしれないなぁ。

そして寅さんはいつも通りの風でマドンナの元を去ろうとする。
そんな何気ない寅さんにビシッとした態度を突き付けた風吹ジュンさん。カッコいいぞ!
今までのマドンナの気持ちを代表しているようであった。いいぞもっと言ってやれ。

寅さん、スタートして一時間半近くになってようやくとらやへ帰還。
(屋号は既にくるまやになっているが、筆者慣れないため以降もとらやと表記させて頂く)
とらや、過去3本の指に入るプレゼンスの無さである。ファミリーの年齢か、それとも何か他に問題があったのか。
タコ社長の所に外国人労働者が入っているのを発見。アジア系だ。タイかベトナムか、インドか。どこの設定だろう。
もう少しいじって欲しかったな。面白くなりそうなキャストであるが。

終盤で、さらに満男と泉ちゃんの関係に更なる変化がありそのままフィニッシュ。
え?そうなるの?という展開。
満男&泉シリーズの終わりなのか、これを下敷きに続きがあるのか。
気になる。
寅さんを差し置いて、過去一番の甘酸っぱさを感じさせる作品であった。

ロケ地:宮崎県油津
主題歌:キーG。定番録音

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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。

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