スリランカ戒厳ライフ2

まず、クレジットカードが使えるところを必死に探す。ここからしてハードルが高いんだけど、やっと見つけたところも、「食事は提供できません、自分で用意してください」としか言わない。これがまた不可能に近い状況にあった。
明日戒厳令がオフしている時間にスーパーに並べばいいじゃないかと言われるかもしれないが、その日は無理であった。
なぜなら、タイに帰るための最重要事項「コロナフリーの健康診断書」を発行するために、医師に会わなくてはいけないのだ。3時間もスーパーに並んでる暇はない。
いつでも発行できるならともかく、全ての行動がこの8時間内に終わらせる必要がある。
ホテルをチェックアウトしてチェックインして、医師に会って、、、となると、しかも向こうもいつでも来てください、ではなく、ちゃんと時間指定されている。
よって自分で食料を調達するというのが不可能である。

そういうわけで、「クレジットカードが使えるところ」という条件を諦めた。
となると、もう戻りたい場所は一箇所だけである。
私のサーフコーチでもあり友人の、ラッキー(名前)のやってるホテルLucky's Surf Camp だ。
ラッキーはサーフィンのスリランカチャンピオンでもある。代表として2019年には日本にもやって来て宮崎で大会に参加している。
まだ21歳で、なかなかのイケメンであるが、誤解のないように言うと、私はラッキーの彼女のインナ(ロシア人)と更に仲良しである。
インナも、ラッキーのパパ、ママ、妹、お兄ちゃんたちもこのホテル兼自宅に住んでいて、私が初めてスリランカに来た時からここが常宿である。
今回はカードが使えないと言う理由でここを出ていたが、海の側だし、何と言っても私がスリランカの家族と思ってる人たちがいるし、ここに戻ろう!
お金に関しては、本当に申し訳ないが、もう有事である。日本にいるお母さんに頼んで、ラッキーの銀行口座に直接送金してもらうことにした。

スーツケースを引いて出戻って来た私を、家族は本当に暖かく出迎えてくれた。
そしてラッキーは信じられないくらい値下げをしてくれて、食事もお母さんが作ってくれることになった。困った時はお互いさまの精神、スリランカでも健在か。ありがたい。
お母さんの作る料理はスリランカで一番美味いし、何と言ってもヘルシーだ。
ココナッツミルクも自宅で作っている。
感謝しかない。コロナが落ち着いたら、またここに来る。プレゼントもいっぱい持って。
そしてそんな頭が上がらない私に、「私たち家族はあなたが大好きなの。あなたがいるだけで全然退屈しないわ、ありがとう」とまで言ってくれて、
ほんと弱ってる時だし、涙腺もゆるゆるで、思わず涙が出そうになった。
ありがとう。って何回言っても足りないね。

さて、そう言うわけで、今はとても快適なラッキーのホテルの部屋でこれを書いてるんだけど。
私のフライトは、直近で4月8日。これがキャンセルされたら、プーケットの空港が10日から閉鎖されるため、もう五月まで帰れないと言う、すごいギャンブルになってきた。なんなんこの勝負。そしてうちのお母さんに至っては、もう一番安全なのはスリランカだから、ずっとそこにいればいいよ、とまで言いだす。いや、スリランカが戒厳さえしてなければ私もそうするだろうけど、流石にずっといるのはしんどい状況である。まあ海の側なのでこっそりサーフィンはできるけど。
さあ、どうする。ジタバタしてもしょうがない。イライラしても何も変わらない。
とりあえずはこの平和な場所で、自分に出来る事をやっていくしかない。まあ、それ自体もあまり無いんだけどね。だからぶっちゃけこれを書いている。
海の音と、ヤシの木と、暖かい風と太陽と、信用できる人たち、もうそのなかにいるだけで幸せだし、今の私ができることといえば、こうやって周りから大事にしてもらって健康に生きてることに、ただただ感謝と幸せを感じることなんだろう。それだけでなんか、全てが上手く回っていくような気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?