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はじめての個展に向けて②

個展の内容を検討する

 会場と日程が決まったのでどのような内容にするのかを検討しなければならない。宗師に開催の報告をした際に、宗師もゲスト参加で作品を展示していただけることになった。展示するのは8~9割自分の作品、残りは宗師にお願いしよう。そしてどのような大きさや形態の作品を何点くらい出品するのか、いや、会場のレイアウト決定が先か?プラスアルファのイベントは必要か?ん?個展とかの場合、「テーマ」みたいなものがあった方がいいのかな?あぁ、考えることがいっぱいだ。備品や小物も揃えていかなくてはならず、それと同時に媒体の製作。とにかく企画書にしてみようと思う。

テーマは使いたかったことば「〇〇〇〇〇」

 個展のテーマ。書道歴は長く、かなりヒネたかもしれないが、藁書の世界に入っては初めての展覧会。初々しいさわやかな気持ち。これから大きくなるぞって希望に満ちた感じ。素直にそんな前向きなことを文字にして観てもらいたい。テーマはどうしよう。
 ふと息子が保育園のときのことをおもいだした。4月1日だったと思う。朝、道を歩いていると黒や紺のいスーツに身を包んだ若者たちとよくすれ違った。「なんか、今日はかっこいいお兄さんやお姉さんたくさんおるなぁ。」と息子。「そうやね。今日から会社に入って働く人たちはじめてかいしゃにいかはるねん。」私たち親子には希望に満ちた新入社員さんたちがキラキラ輝いて見えた。「今までは学校に行って勉強してたけど、今日からは大人として会社で働くねんで。」「へぇ~。じゃ、あの人たちはあるきたてやなぁ。」!歩きたて⁉ 簡単な日本語も覚えたての息子の口から「あるきたて」という言葉が出てきたのにもおどろいたが、こんな使い方をするのも新鮮で美しいなぁと思えた。歩きたての新入社員さん、本当にピュアで力がみなぎっていた。それから時を経てもこの言葉を日常で使うことはなかったが私の中で感覚とともに印象に残っている言葉。藁書の世界に入ってがんばろうっていう私の今の気持ちにピッタリではないか。「あるきたて」このかわいくて伸びしろを感じさせる五文字のひらがなをテーマにしたい。

どんな内容にするか

 テーマは決まった。でも視覚的には漠然として形がないことば。テーマで人々が浮かんでくるビジュアルもないなかも。しかし、私にこの言葉の思い出があるように人それぞれ暖かいコトを思い浮かべてくれたらいいなぁと思う。私は墨と筆に出会った頃の初心に戻り、新しく藁書に出逢えたことの感謝の気持ちとこれからの夢を表現できたらと思う。なんだか今日はそんなことを考えながら、思い浮かんだ文字を小さな紙にたくさん書いてみた。さて、ここから企画を広げて・・・いや絞って?ま、とにかく具体的にしていこう。                        ・・・つづく

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