あるタクシードライバーの場合　（３）　いわなの郷物語

間が空きましたが、続きです。

１話

２話

なお、イワナくてもわかると思いますが、
フィクションです。

「やけましたよ〜」

おお
塩焼きが焼けた！

いやあ
５０分もかかるなんて
時間かけすぎだよ〜

費用対効果
最悪だよなあ・・・

まあ
食べよう。
持ち帰ってもいいんだしね。

ん？

んんん？？？

んまい！

うまい！

うますぎる〜！

うまいわな！

こんなにうまかったんだあ。

なんだか串まで舐めちゃうなあ。

あれあれ
５匹全部食べてしまった！

こんなに美味いんじゃしかななイワナ！

ふう
ちょっと食べ過ぎちゃったなあ。

「おじさんまたサワガニ探してよ〜」

もお
子どもは〜

「いやあおじさん食べ過ぎちゃって・・・」

「おじさん５匹も食べたの！」

「だっておいしいんだもん。しょうがないよ。」

「食いしん坊だなあ」

（笑）

子どもたちとこんな時間ができるとはなあ。

あれ
タヌだ！

「君がタヌだな？
　本当によく寝てるねえ」

タヌはなでられながらも寝続けていた。

「そんなに頑張らなくてもいいんじゃないの？」
「よく頑張ってきたにゃあ」
「寝ててもオラは喜ばれてるんだよ」

タヌにそう言われたように感じた。

ムムム
そうかあ。

今なんのために働いてるのかなあ。

ふと考える。

子育てもひと段落したのだし、
妻の稼ぎも悪くない。

生きてくだけなら、そんなに不安になることないかなあ。

なんだかわからないけど
満足感に満ちた自分がいた。

よし
帰るかあ。

なんか
不思議な時間だったなあ。

家族になんて言おうかなあ。　

ライン入ってきてるけど
いいや
返信しなくても。

音楽をかける。

フジロックも行きたかったけど
オンラインで
こういうやり方もあるんだなあ。

サンボマスターの山口くんも福島だったっけ。

・・・

なんか涙出てきちゃった。

花束かあ。

そういえば
稼げてないけど、
家族は何もイワナ（言わな）い。

大変さをわかってるのかなあ。

それも愛なんだなあ。

花束のような時間だった。

花でも買ってくかな。

終わり

今日もありがとうございました！