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かっこわるい話をするよ

情けない話をするよ

でも
もしかしたら
希望になる話をするよ






先日出身地のテレビから取材を受けた。

詳細は割愛するが、
311から10年
被災地に来た出身者を紹介するもの。


当時の写真を求められた。


そんなものは
もうとっくに捨てた。


全て捨てて
この地に来たのだから。


葛藤はあったものの
お世話になった方に連絡を取った。


挫折
そして私は逃げた。


だから

裏切り者だ

と自分で自分にラベルを貼った。


そう思われても仕方ない 

連絡を取る決意をしながら気持ちは重くなるばかりだった


けど

その方は全く違った反応だった。


ずいぶん気にかけてくれていた

うれしかった

いつぞやは返事も返さなかったのに


もしかしたら
知らずに一生を終えていたかもしれない。


今回のことはGIFTだった。



全員から罵られるような

そんな恐怖ばかりの日々。


ただただ逃げた。


逃げた自分のことを
自分で嫌いながら。

少なくとも

そうでない人がいること

ずっと前からわかっていたのに

目を背けてきたことに気づく。




「もう許してあげなよ」



 ・・・





大人になったら
センチメンタルは
かっこ悪いと思ってた


でも

それでいい


ぴったりの表現ならば


でも

それでいい


もちろん

笑われたっていい



私が私に貼ったラベルをはがす

玉ねぎの皮をむくように

何度も何度もしてきたっけ



カサボタのようなそれは

ボロボロにくだけて

そこにあったものは

今となってはわからない。



あの時ご一緒した人々の近況報告が届く。


うれしかった。


それぞれの人生の歩みが
うれしかった。


幸せだ

ふと言葉に出した。


幸せだ

ホントだ。



変な話だ

変な話だね



あの詩を思い出す



「カニ」   まどみちお

カニがカニッとしているのは嬉しい
カニがそれを気づいていないらしいので
なおさら しみじみと

ああ こんな私も私っとしていることで
だれかを喜ばせているかもしれない
私がまるで気づかないとき
いっそう しみじみと‥

そう思うこともできるんかなあ
と私は私に胸あつくさせた




私っとしてみよう か

それこそが意味があるんだよね

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