罰ゲーム(3️⃣7️⃣〜3️⃣9⃣)

3️⃣7️⃣(部屋を出たルナと有咲のシーン)


悟「…!有咲ちゃん、ルナちゃん…!」

ルカ「ルナっ…!」

ルナ「ルカくん…」

鏡「…有咲、なんで泣いてんだよ…。てか、胡桃と朋也は…?」

有咲「…鏡ちゃん…っ…」

鏡「…今はいい…。泣きたいだけ泣けよ…。」(有咲を抱き寄せ)

悟「ルナちゃん、どうしたんだ…?」

ルナ「血が…やだ…お姉ちゃん…お兄ちゃん…っ!!」

悟「ダメだ、パニックになってる…。」

鏡「…なるほどな、なんとなく察した…。」

悟「とりあえず2人を休ませないと…。」


(そこへ紅煉と玲愛が来る。)


紅煉「哀れだな。」

玲愛「想定外だったわ…。まさか自分も一緒に心中しちゃうなんてね。」

鏡「…!お前ら…!」

悟「…っ…。」

紅煉「…玲愛、ここの死体処理はお前に任せた。」

玲愛「わかったわ紅煉。もちろん、ご褒美は…」

紅煉「…褒美が欲しいなら早急に仕事をこなせ。」

玲愛「ふふっ、やっと振り向いてくれる…。紅蓮は私のものになるのね…!」


(玲愛はすぐに部屋に入る)


紅煉「…ルナ、ルカ。お前たちはもう用済みだ。」

ルカ「えっ…?」

悟「おい、どういう事だ…。」

紅煉「お前にくれてやる。好きに使うといい。」


(そう言って紅煉は去っていく。)


ルカ「…お兄ちゃん、僕達…パパに捨てられちゃったの…?」

悟「…ルカくん…。」

ルカ「…そっかぁ…。僕もルナも、もういらない子なんだ…。…ぅぅ…パパぁ…ママぁ…」


(泣き出すルカを抱きしめる悟)


悟「…ごめんっ…ルカくんやルナちゃんはなんにも悪くないのに…。」

鏡「あいつ、何考えてんだよ…!ムカつく…!」

悟「…とりあえず、ルナちゃんとルカくん、有咲ちゃんを休ませてあげよう…。色々、あったから、鏡ちゃんも疲れただろう…?」

鏡「…まぁ、な…。悟も休めよな。」

悟「あぁ…。あの場所でいいよな…?」

鏡「あぁ。あそこが1番休める場所だろ…。」

悟「そうだな。…向かおうか。」

鏡「あぁ…。」




3⃣8️⃣(静かな部屋に響く双子の泣く声)


ルカ「うぇぇん…ぱぱぁ…ままぁ…!」

ルナ「うぅ…うぇぇん…!」

悟「悲しいよな…。ルカくんもルナちゃんも、何も悪くないのに…。」

鏡「…自分の子を前に、実の兄弟にくれてやる、なんて…。何考えてんだあいつは…。あんなのが親だなんて、虫唾が走るな…。」

悟「あいつは…悪いと思ってないんだ。昔から、気に入らなければ消す。必要無くなれば捨てる…。そうやって生きてきたんだ…。俺ら家族を壊したのもあいつ…。叱る母親を殺して…。介護が必要になった父親を捨てて…。友達やクラスメイト、自分の彼女でさえ要らなくなったら捨てて、都合が悪くなれば殺して…。そんなあいつが嫌で、俺は高校を卒業して直ぐに家を出たんだ…。」

鏡「…狂人ってとこか…。悟も大変だな…。」

悟「こんな所で会うとは思ってもなかったけどな。」

鏡「それは有咲も同じだろうな…。」

悟「有咲ちゃんはもう平気?」

有咲「はい…。ご心配おかけしました…。」

鏡「よかった、落ち着いたみたいで。」

悟「ルナちゃんとルカくんが落ち着くまでもう少し休憩しようか…。」

鏡「そうだな…。」

有咲「…ルナちゃん、大丈夫…?」

ルナ「怖い、怖いよ…うぅ…」

鏡「そりゃぁ、トラウマの原因を間近で見たらこうなるよな…。」

有咲「私が、早くその場から離れていれば…」

悟「有咲ちゃんが悪いわけじゃないから、そんなに自分を責めないで。」

鏡「あんなの、誰も予想出来ねぇんだから。」

有咲「…おふたりとも、ありがとうございます…。」

鏡「…なぁ、ルナ、ルカ。2人とも疲れただろ?ちょっと昼寝したらどうだ?」

悟「あぁ、そうだね…。1度お昼寝したら、もしかしたら落ち着くかもね。」

有咲「…じゃあ、ルナちゃん、ルカくん、いっしょに寝ない…?」

ルカ「…お姉ちゃんたちと?」

ルナ「…おひるね…?」

有咲「うん、嫌かな…?」

ルナ「…ぅぅ…ルナ、ルナ、お姉さんたちと寝んねしたい…。」

ルカ「僕も、お兄ちゃんたちと一緒にねんねしたい…。」

有咲「じゃあ、みんなで寝よっか…!」

鏡「…そういえば、向こうに毛布、あったよな…?」

悟「そういえばあったね。」

鏡「持ってくるわ。」

悟「ありがとう。」

有咲「ありがとう、鏡ちゃん。」

鏡「おう。」

悟「有咲ちゃんも、お姉さんのことで疲れてるよね。」(ルカを抱きながら)

有咲「…あの人に振り回されるのは、もう慣れっ子なんですよ…。」(ルナを抱いている)

悟「…慣れっ子、か…。」

有咲「お姉ちゃんは、昔からワガママで…。自分の思うようにならなかったらすぐに癇癪を起こして、物に当たったり…。酷い時は人にも当たりました…。」

悟「…それで…?」

有咲「…昔、私と中が良かった男の子がいて、お姉ちゃんはその人のことを好きになって…。お姉ちゃんはその人に告白したんですが、その人はお姉ちゃんを振ったんです。振られたことがショックで怒ったお姉ちゃんは彼を殺しました。私は怖くて人を呼ぶことも出来なくて…逃げてしまいました…。その間にお姉ちゃんは遺体を焼却炉に捨てたんだと思います…。彼の遺体は翌日焼却炉の中で骨になって見つかったので…。」

悟「…酷い話だな。」

有咲「お互い様ですよ…。」

悟「まぁ、そうだね…。」

鏡「…やべぇ話だな。」

有咲「あ、鏡ちゃん…。ごめんね、こんな話聞かせちゃって…。」

鏡「いや、別にいいよ。ふたりのことをもっと知れたみたいでむしろ嬉しい。それより、毛布持ってきた。」

悟「ありがとう、ルナちゃんもルカくんも、もう限界みたい…。」(2人の腕の中でウトウトしてるルナとルカ)

有咲「眠たかったのかもしれないね…。」

鏡「まぁ、色々あったし、疲れたんだろうな…。」

悟「…よし、じゃあそれルナちゃんとルカくんに掛けちゃおうか…。」

鏡「だな。」


(双子を傍にあったソファーに寝かせ毛布をかける。)


悟「おやすみ、ルカくん、ルナちゃん…。」

鏡「…私らもちょっと休むか…。」

有咲「そうですね…。…二人を見てたら、私も少し眠くなってきちゃいました…。」

鏡「寝るか…。つっても、寝れるかわかんねぇけど。」

悟「いつ何があるか分からないからね…。」

鏡「…有咲はもう寝たけどな?」

悟「有咲ちゃんも、お疲れ様…。」

鏡「…悟は?どうすんだ?」

悟「僕は寝れそうにないし、起きてるよ。」

鏡「…そっか。じゃ、ちょっと仮眠する…。」

悟「うん、おやすみ、鏡ちゃん。」

鏡「おう、おやすみ。」




3⃣9⃣(玲愛と紅煉の2人きりのシーン)


(死体処理終わり紅煉のいる部屋に向かう玲愛)


玲愛「紅煉、死体の処理が終わったわ。ねぇ、ご褒美は何をくれるの?」

紅煉「…そうだな…。なら、少し付き合え。」

玲愛「えぇ…!」


(嬉しそうに紅煉の後をついて行く玲愛。)
(何も無い暗い部屋。扉は重い鉄扉。)


玲愛「ここでどんなご褒美をくれるのかしら?」

紅煉「そんなに焦るな。今から褒美をくれてやる。そこで暫く待っていろ。」

玲愛「えぇ、分かったわ。」


(紅煉、扉を閉めて鍵をかける。)


紅煉「…まぁ、いい褒美かどうかは分からないけれどな…。」

玲愛「紅煉…?どうして鍵をかけるの…!開けて、紅煉…!!」

紅煉「お前は俺の計画の道具でしかない。その計画も、そろそろ終わるだろう…。だからお前はもう、不要なゴミだ。そこで俺の計画が終わるのを大人しく待っていろ。」

玲愛「そんな…!愛していたのは私だけだったって言うの!?」

紅煉「そういうことだ。俺は最初からお前に情など抱いてなかった。お前が勝手に想っていただけだろう。」

玲愛「でも…!子供を作るって言った時、紅煉も賛成してくれたじゃない!!少しは想ってくれていたんでしょう…!?」

紅煉「俺の計画を手伝ってくれるいいおもちゃをお前は作ってくれただけだ。」

玲愛「…そんな…うそよ…」

紅煉「言いたいことはそれだけか。」

玲愛「…私は…紅煉のことを愛していたのに…」

紅煉「…今までご苦労だったな。玲愛。」

玲愛「まって紅煉…!」


(もう声は聞こえない。)

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