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罰ゲーム【1⃣7️⃣〜1⃣9⃣】

1⃣7️⃣(6人が集まる部屋で自己紹介シーン)


胡桃「…もう結構な時間待ってるけど…。」

有咲「なかなか現れませんね…犯人…。」

鏡「ん。これ使えよ。」


(鏡が有咲と胡桃に毛布を渡す)


有咲「え、いいの?」

胡桃「ていうか、どこで見つけたの?」

鏡「なんか、色んなところ歩いてたらあったから。」

有咲「ありがとう…!えっと…お名前、なんて呼べばいいかな…?」

鏡「鏡でいい。ほかの名前で呼ばれたことなんてねぇし。」

有咲「ありがとう、鏡ちゃん!」

鏡「…おう。」

胡桃「優しいのね、鏡ちゃんは。」

鏡「当たり前のことしてるだけ。別に優しくなんかねぇよ。」

有咲「鏡ちゃんも寒いでしょ?一緒に入ろ?ね?」

鏡「私は別にいい。」

有咲「だめだよ!女の子は体冷やしちゃダメなんだよ?ほら、入って!」

鏡「…さんきゅ…。えっと…名前…」

有咲「有咲だよ。」

鏡「有咲、ね。あんたは?」

胡桃「私は胡桃よ。」

鏡「胡桃ね。ありがと、有咲。」

有咲「ううん!鏡ちゃんと胡桃さんは、何している人なの?」

胡桃「私はアパレル店で店長をしているわ。」

有咲「店長さん!?素敵!!どこのお店の店長さんなんですか?」

胡桃「Eternal(エターナル)っていうブランドよ。知ってるかしら?」

有咲「知ってますよ!私の友達が行きたがってて…!」

胡桃「そうなのね。鏡ちゃんは?」

鏡「囚人。」

胡桃「え?」

有咲「なにかしたの…?」

鏡「人を殺した。」

有咲「そんな人に見えないのに!」

鏡「純粋だな、有咲は。」

胡桃「悪い人に騙されたりしないか心配になっちゃうわね…。」

有咲「大丈夫ですよ!」

鏡「大丈夫って言う奴大抵大丈夫じゃない奴。」

朋也「なんの話しをしてるんだい?」

鏡「あ、芋1号。」

朋也「僕君に名前教えたよね…?」

鏡「覚えてねぇよ。」

朋也「桜木朋也だよ。」

鏡「あー、そんな名前だったな。」

胡桃「はじめまして、ってもう遅いけれど…。文月胡桃よ。」

有咲「望月有咲です!」

朋也「有咲ちゃん、胡桃さん、はじめまして。」

鏡「なぁ、朋也。」

朋也「ん?」

鏡「他の男共は何してんだ?」

朋也「あぁ、向こうは向こうで自己紹介してた所だよ。」

有咲「そうなんだね!こっちに連れてくればいいのに…!みんなで自己紹介しませんか?私まだみんなの名前知らないですし…!鏡ちゃんと、胡桃さんと、朋也さんと、悟さんしかしらない…」(頬を膨らませ拗ねてみる)

朋也「いい案だね。みんな連れてくるから待ってて。」


(朋也が悟と悠真の元へ戻る)


鏡「なぁ、有咲。」

有咲「ん?」

鏡「もう1回ほっぺた膨らませて見ろ。」

有咲「え?こう…?」


(頬を膨らませる有咲)


鏡「…フグみたいだな。」(有咲の頬を摘んだりして遊ぶ)

有咲「フグって美味しいよね!」

鏡「…唐突に話題変わるな…。」

胡桃「女の子って、すぐ話題変わるものなのよ。」

鏡「ふーん…。」


(朋也が戻ってくる。他メンも一緒にいる。)


朋也「お待たせ。」

有咲「いえいえ!あ、みんな座ってください!」

悟「女子も自己紹介してたんだね。」

有咲「そうなんですよ!」

悟「じゃあ改めてみんなの名前教えてよ。」

悠真「…2度もめんどくさい…。」

有咲「二度手間にさせちゃってごめんね?」

悠真「…はぁ、別にいいけど。…俺は悠真。仁藤悠真。」

有咲「悠真くん!よろしくね!私は望月有咲。よろしくね!」

朋也「僕は桜木朋也。よろしくね。」

胡桃「私は文月胡桃よ。よろしく。」

悟「僕は斎賀悟っていいます。多分1番年上…かな?よろしく。」

鏡「刀斎鏡。よろしく。」

有咲「やっとみんなのお名前知れた!」

悟「何があるか分からない状況でもみんなのことが知れると少し安心するね。」

胡桃「コミュニケーションって大事だからね。」

鏡「でも別に信用とかはしてねぇから。…有咲や胡桃は別だけど。」

有咲「私特別!?」

胡桃「悪い気はしないわね。」

悠真「俺も別に信用とかしてない。見ず知らずの他人には間違いないし。」

有咲「挨拶と自己紹介したのに、まだ他人?」

悠真「それだけで友達になっても上辺だけだろ。」

胡桃「相変わらずクールね。」

鏡「こいつ絶対友達いねぇ。」

朋也「まぁ、今は皆同じ境遇なんだから…。」

悠真「だから?」

朋也「ひっ…!」

悟「まぁ、人それぞれってことで…。」


(突然部屋が暗くなる。)




1⃣8️⃣(部屋が暗くなり、玲愛が部屋に来るシーン)


有咲「な、なに…!?」

鏡「有咲動くな…!」

悟「停電…?」

胡桃「みんな離れちゃダメよ…!」

悠真「…足音が聞こえる…。」

朋也「だ、誰なんだ…!」

玲愛「あははっ、みんなでなかよしこよししてるところ申し訳ないわね…!」


(部屋の電気が着く。)


鏡「…誰だテメェ…。」

玲愛「ふふっ、こんにちは。あなた達が待ちに待ち続けてた裏の人間よ。」

悟「君が…。」

玲愛「そんなに仲良くなっちゃって大丈夫〜?これからみんなで、殺し合うのに。」

朋也「え…?」

悠真「殺し合う…?」

玲愛「そうよ。これはあなた達への罰ゲームなの。」

胡桃「罰ゲームですって?私たちが何をしたって言うのよ…!」

玲愛「隠し事してる罰ゲーム…。みんな自覚あるんじゃないの?ねぇ、有咲…?」

有咲「…っ…。」

悟「有咲ちゃんの知り合い…?」

有咲「それは…。」

玲愛「ふふっ、あはははっ!!さぁ、素敵なショータイムの始まりね!全ては愛おしい紅煉の仰せのままに…。」

悠真「なぁ、罰ゲームって何するんだよ。」

玲愛「あぁ、罰ゲームの内容?それはこの内容を見てちょうだい?」


(目の前のモニターの電源が着く。アナウンスの声と共に映像が仲間れる。)


アナウンス「これから、ゲームの説明をします。皆様には1人1台のスマートフォンをお渡し致します。」


(目の前にはスマートフォンが6台並んでいる。)


鏡「これか…。」

アナウンス「こちらのスマートフォンは手にした人と自動でリンクします。試しに1人持ってください。」


(鏡が持つと、ケータイの画面に自分の名前が表示される。)


鏡「…!自分の名前が…。」

アナウンス「では皆様お好きなスマートフォンをお持ちください。」


(それぞれがスマートフォンを持つ。)


アナウンス「まず、画面を開くと文字が出てきますので、出てくる文字の中から自分が悪だと思うものをタップしてください。現在の画面はレッスンモードとなっておりますので、ゲームは開始されませんのでご安心ください。」

悟「悪だと思うもの…?」

悠真「ピッキング、強盗、銃殺、カンニング、隠蔽…」

胡桃「この中から選べばいいのね…?」


(みんなそれぞれ文字をタップする。)


有咲「…何も起こらない…?」

朋也「あれ、僕のスマートフォンには「鬼」っていう画面が…」

悠真「俺のスマホにもその画面が出てる…。」

アナウンス「鬼という文字が出たふたりは、殺し合いをしてもらいます。」

有咲「えっ…」

アナウンス「ちなみに、現在はレッスンモードなのでランダムでしたが、ゲームがスタートすると、タップする文字は皆様に関係のある文字に変わり、タップされた文字が多い2人が鬼となります。」

鏡「…囚人には不利なゲームだな。」

アナウンス「いえ、ここに集められている方は悪レベルが同レベルの方々なのでご安心ください。」

鏡「なるほど…。」

アナウンス「そしてこのゲームは協力プレイも可能です。鬼以外の方が、鬼に協力して片方の鬼を殺すことも可能です。しかし、協力する側は危険が着きます。どちらかの鬼と協力している方が近くにいると警告音が10秒程スマートフォンから流れます。」

悠真「…つまり、俺がAの鬼に協力したら他メンバーが近くに居ると俺のスマホから警告音がなるわけか…。」

アナウンス「そういうことになります。」

悟「協力者を殺すことも出来るわけか…。」

アナウンス「はい。鬼だけを殺せというルールではございませんので。」

朋也「なるほど…。」

アナウンス「鬼同士の勝負が終わったらゲームリセット、第2ラウンドになります。ゲーム中、皆様はお好きなように過ごしていただいて構いません。フロアマップはスマートフォンに登録しておりますので各自ご覧ください。立ち入り禁止エリアもございます。そに入ってしまうと強制的に殺されますのでご注意ください。説明は以上になります。楽しいゲームライフをお送りください。」


(画面が消えてアナウンスも聞こえなくなり、スタートの合図の音が鳴る。)


玲愛「さぁ、今からゲームスタートよ。さっきのアナウンスにもあった通り、この建物のどこを使っても構わないわ。じゃあ早速だけど画面に浮かぶあなた達が悪だと思う文字をタップしてちょうだい。」


(みんなが画面をタップする。)


玲愛「それじゃ、何かあったらあなた達のスマホから私を呼んでくれたらいいわ。それじゃ、思う存分楽しませてもらうわね。」


(玲愛が去っていく。)

悠真「胡桃さん、ちょっと来て。」

胡桃「?なに…?」


(2人はどこか別の所へ行く。)


有咲「……どうして…。」

悟「…有咲ちゃん…。」

鏡「…なぁ、有咲、悟…。ちょっといいか…?」

有咲「鏡ちゃん…?」

悟「なんだい…?」


(鏡が2人を連れて別の階へ行く。)


1⃣9⃣(ルカとルナがいる部屋、小さなモニターには罰ゲーム参加者の様子が映る。それを見ているルカ。)


ルカ「…あぁ、お姉ちゃんかな?お兄ちゃんかな…?誰が死んじゃうんだろう…。」

ルナ「…ルカ、くん…。」

ルカ「…ルナ?どうしたの?お腹空いた?喉乾いた?」

ルナ「ルカくん…一緒に寝ようよ…。寂しいよ…。」


(時計を見るルカ。)


ルカ「…まだ、ママとパパが来てないよ…。まだ僕は寝れないよ…。」

ルナ「…ぅぅ…」(泣き出してしまう)

ルカ「…わかったよ、一緒に寝よう…?」


(ルナの横に一緒に寝転ぶ)


ルカ「よしよし…いい子いい子…。」

ルナ「…ルカくん…。」

ルカ「…まだお熱あるから寝ないとダメだよ…。」

ルナ「…お水…飲みたい…。」

ルカ「ママ達とおやすみなさいしてからでもいい…?今部屋から出てバレちゃったら怒られちゃうから…。」

ルナ「うん…。」

ルカ「お薬も一緒に持ってくるからね…。」

ルナ「うん…ありがとう、ルカくん…。」


(部屋のトビラが開いて紅煉が入ってくる)


紅煉「ルカ、ルナ。」

ルカ「パパ…。」

紅煉「ルナは眠ってるのか。」

ルナ「起きてるよ…。」


(ルナの頬に手を当てる紅煉。)


紅煉「…起きなくていい。そのまま話を聞け。」

ルカ「ありがとう、パパ…。」

紅煉「…ゲームはもう既に始まっている。明日の仕事は、鬼である刀斎鏡と仁藤悠真に接触し、2人にこの手紙を渡せ。内容は2人にとって有利な情報や武器の場所などが書かれている。まぁ、明日までに生きていればの話しだがな。ルカは仁藤悠真、ルナは刀斎鏡に渡せ。」

ルカ「わかったよ、パパ。」

ルナ「おしごと、がんばる…。」

紅煉「…明日に備えてゆっくり休め。」


(そう言って部屋を出る。)


ルカ「パパは優しいな…。」

ルナ「いつも、ゆっくり休めって言ってくれるもんね…。」

玲愛「その言い方だと、私は優しくないみたいじゃない。」

ルカ「あっ、ママ…。」

玲愛「ルナ、起きなさいよ。」

ルナ「…ママ、ルナ、しんどいよ…。」

玲愛「甘えてんじゃないわよ…!」


(ルナの頬を平手打ち。そのあと首を掴み持ち上げる。)


ルナ「ママ、痛い…!やめてよ…!」

玲愛「しんどいのはみんな一緒よ!あんただけじゃないの!」

ルカ「ママやめてよ…!ルナが苦しそうだよ…!」

玲愛「うるさい!」

ルカ「っ…!」

玲愛「あんた達が居るせいで、私と紅煉の幸せな時間がどんどん潰れていくのよ…!子供を産めばもっと私を愛してくれると思ったのに、むしろこっちを見てくれなくなった…。あんた達なんか、産まなければよかったわ!」


(ルナを乱暴に寝床へ下ろす。)


ルナ「っ…はぁ…ぅぅ…」(泣き出す)

玲愛「うるさい!泣かないで!耳障りよ!」


(そのまま部屋を出ていく。)


ルカ「…ルナ、大丈夫…?」

ルナ「ルカくん…」(泣き止まないルナ)

ルカ「よしよし、もう大丈夫…。いい子いい子…。」

ルナ「ルカくん…」

ルカ「なーに?」

ルナ「どこにも行かないで…。お薬も要らない、お水ももういい…だから、どこにも行かないで…。」

ルカ「…でも、それじゃルナが良くならないよ…?」

ルナ「また、ママに怒られちゃう…1人は嫌だ…。」

ルカ「……じゃあ、僕と一緒にお薬とお水取りに行こう、ね?ちょっと頑張って歩ける…?」

ルナ「…がんばる…。」

ルカ「うん、僕がずっと手繋いでて上げるから。」

ルナ「うん…。」


(2人しか知らない秘密の抜け道を通る。)

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