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この世界で君と出会う【9⃣〜1⃣6️⃣】

9️⃣
(ローズの部屋をノックするソア。)


ソア「ローズ様ぁ〜?入っても良いでしょうかぁ〜?」

ローズ「ええ。」

ソア「失礼しま〜す。」

クロノ「椿さん連れてきました!!」

ローズ「ありがとう。」

椿「…なにかあんのか…?」

ローズ「あんたと話がしたいから呼んだ。それだけよ。」

椿「話…?」

ローズ「私はまだあなたのこと何も知らないわ。」

椿「俺の事…。」

ローズ「立ち話もあれでしょうから、あなたもクロノもそこに座りなさい。」

椿「あぁ…。」

クロノ「わかりました!!」

ソア「ローズ様、お飲み物は何になさいますかぁ?」

ローズ「温かいものがいいわ。」

ソア「かしこまりました。椿さんとクロノちゃんは?」

椿「俺は別になんでもいい…。」

クロノ「ソアさんの入れる紅茶が飲みたいです!!✨」

ソア「分かりましたぁ。」


(ソアは部屋から出る)


クロノ「ローズ様、さっきの怪我は大丈夫ですか??」

ローズ「えぇ。大丈夫よ。」

クロノ「それならよかったです!!」

ローズ「…あなたも、さっきはごめんなさいね。」

椿「は?なんであんたが謝ってんだよ。悪いのはあいつだろ。」

ローズ「そーじゃないわよ。見苦しいところを見せてごめんなさいって意味よ。」

椿「見苦しいって…。別に見苦しくもねぇよ。てか、いつもあんなんされてんのかよ。」

ローズ「…そうね、いつもって訳ではないけど、頻繁にあることよ。気にしてないわ。」

椿「なんだよそれ。気にしろよ。普通にやってる事傷害罪だろ。」

ローズ「過ぎた話よ。もういいの。」

椿「…あっそ。」


(ソアが扉をノックして入ってくる。)


ソア「失礼しまぁ〜す。」

ローズ「ありがとう、ソア。そこに置いてちょうだい。」

ソア「はい。」

ローズ「…で?あなたの死因は?って、そう言えば、まだ死んでいないのよね。」

椿「…交通事故。」

クロノ「トラックと衝突して現在意識不明なのです!」

ソア「若いのに可愛そうですねぇ〜…。」

ローズ「…よそ見していたとかではなくて?」

椿「いや、してないと思うけど…。」

クロノ「見ますか?」

椿「え?」

クロノ「僕の魔法で経緯を見れますよ!」

ローズ「見せてもらいなさいよ。」

ソア「そうですねぇ〜。裁判で勝てるかも知れませんしねぇ?」

椿「…まぁ、気になるのは間違いないから…。」

クロノ「分かりました!では行きますよぉ〜?ちちんぷいぷい〜!!!」

ローズ「何その呪文。」

ソア「へんてこですねぇ〜?」


(空中に事故前の映像が流れる。)


ソア「…普通に自転車乗ってますねぇ。」

椿「…俺はどこで事故にあったんだ…?」


(椿がトラックと衝突する映像になる。)


ローズ「っ…」

ソア「割と遠くまで飛んだんですね…。」

ローズ「……そう、ね…。」

ソア「?ローズ様?」

ローズ「…なんでもないわ…。少し気分が悪くなっただけよ…。」

ソア「…ローズ様、こういうのもダメでしたかぁ〜…。よしよし…。…ん…?」(背中さすってあげる。なにかに気づく。)

椿「でも、よそ見してたわけじゃないんだな…。」

クロノ「完全に運転手側の落ち度ですね!これなら裁判で勝てちゃいますね!」

椿「…まぁ、そうだな。」

ソア「…悲惨でしたねぇ…。ところでローズ様。」

ローズ「なに?」

ソア「…ローズ様、体調よろしくない…ですよね?」

椿「え?」

クロノ「そうなんですか!?」

ローズ「っ…。そんなことないわよ…。私の専属メイドなのに、私の体調が大丈夫かどうかも見分けがつかないの?」

ソア「もう10年以上ローズ様のメイドやっております。だからこそ、小さな異変でも気づくんですよぉ?私が気づかないとでもぉ?嘘つかないで正直に言ってくださいねぇ?」

ローズ「っ…。」

ソア「…クロノちゃん、エヴァさんを呼んできてください。」

クロノ「わかりました!!」

椿「…全然気づかなかった。」

ソア「まぁ、無理もありませんよぉ。ローズ様は隠すの上手ですからねぇ〜。悪い意味で。」

椿「…俺もなにかした方がいいのか…?」

ソア「おぉ、執事としてのお仕事してくださるんですかぁ〜?」

椿「…まぁ、ここに置いてくれてるわけだし…。」

ソア「ん〜…ですが、今はローズ様のおそばについててください。あまり屋敷のことも分からないでしょうから。」

椿「…わかった。」

ソア「ローズ様、座ってるの辛くないですかぁ?」

ローズ「平気よ…。ソアが思うほど辛いわけじゃないから…。」

ソア「そうですかぁ。」

椿「どこが辛いとか…症状は…?」

ローズ「…少し寒いわ…それだけよ。」

ソア「あぁ、それで暖かい飲み物だったんですねぇ。」

椿「寒いならもっと熱が上がるんじゃ…」

ソア「…ローズ様は本当に弱っちぃですねぇ…。」

ローズ「うるさい…。」

ソア「軽口叩けるなら今はほんとに大丈夫そうですね。」

クロノ「エヴァさんとミアさん呼んできました!!」

ソア「クロノちゃん、ありがとうございます〜。」

エヴァ「…ローズ様の様子は。」

ソア「今のところ寒いだけと仰っておりました。」

エヴァ「だから言っただろう。薬を飲んで寝ていろと。」

ソア「え?」

椿「は?」

クロノ「えっと…?」

ミア「実は、ローズ様は今日朝から体調が宜しくなかったんです…。でも、お薬用意してる時に逃げ出してしまって…。」

椿「子供か。」

ソア「…はぁ…。まだまだお子ちゃまですねぇ〜??」

クロノ「ダメじゃないですかぁ〜!」

ローズ「…薬飲むほどじゃないと思ったのよ…。それに、エヴァの薬は苦くて嫌いよ…。」

椿「いや、子供かよ。」

ローズ「うるさいっ…!っ…」

エヴァ「頭に響くのだろう、薬を飲んで大人しく寝ていろ。」

ミア「ローズ様、お薬飲めますか?」

ローズ「…飲めるわよ、子供扱いしないでちょうだい…。」

エヴァ「ミア、ローズ様の様子を随時見に来るように。ほかの執事やメイドにもこのことは伝える。もしなにか変化があったら伝えに来い。」

ミア「わかりました!」

エヴァ「ローズ様、もしミアのいない時に辛くなったらほかの執事やメイドに伝えてくれ。」

ローズ「わかってる…。」

エヴァ「では、俺は行く。」(部屋から出る)

ソア「…さて、私もほかの仕事がありますので、ミアちゃん、お願いしますね〜。」

ミア「はい!まかせてください!」

ソア「椿さん、お部屋へ案内しますので、こちらへ。」

椿「…あぁ…。」



1⃣0️⃣
(深夜の屋敷、薬を求めエヴァの部屋まで向かおうとしていたがフレアと鉢合わせるシーン)


ローズ「…っ…。やっとここまで来た…。エヴァの部屋がこんなにも遠く感じるなんて…。」

フレア「無様な姿ね、お姉様。」

ローズ「…!フレア…。」

フレア「あら、そんな怖い目で見ないでちょうだい?私はまだ何もしていないじゃない。」

ローズ「…今朝の市民はどうしたの。」

フレア「あぁ、あのドブネズミさん?殺してさしあげたわよ?」

ローズ「っ…またやったのね…。」

フレア「いいじゃない。愛おしい女の元へ行けたのよ?あのネズミも幸せでしょうね?ふふっ…。」

ローズ「…アグレシアの名を汚すような事はしないで。」

フレア「善人ぶったその態度、気に食わない…。」


(フレア、ローズの首を両手で絞める。)


ローズ「っ!や、やめっ…!フレアっ…!」

フレア「私の方が美しい…私の方が可愛い…。お姉様よりも優れている…。なのにどうしてお姉様ばかり愛されているのか…。この世は狂っているのよ。私が治してあげてるの。邪魔をするな…!」


(さらに力を入れて絞める。)


ローズ「っ…ぁ…」

フレア「お前から全てを奪ってやる…。」

イリヤ「フレアお嬢様?」

フレア「…!」

イリヤ「…こんな時間に何をなされているのですか?」

フレア「…ちっ…。…イリヤ、いいところに…!お姉様がとっても苦しそうなの。」

イリヤ「…!ローズ様、大丈夫ですか?」


(咳き込むローズの背をさするイリヤ)


フレア「私はやることがあるの、イリヤあとは任せてもいいかしら?」

イリヤ「かしこまりました。」

フレア「あとは頼みましたわ。おやすみなさい。」


(フレア去っていく。)


イリヤ「ローズ様、大丈夫ですか?」

ローズ「…大丈夫よ…。」

イリヤ「立てますか?お部屋までお連れ致します。」

ローズ「…っ…。」(ふらついてしまう)

イリヤ「…っと…。」(直ぐに支える)

ローズ「ごめんなさい…。」

イリヤ「歩くのは難しそうですね…。ローズ様、失礼致します。」

ローズ「え…?」


(ローズを姫抱きする。)


ローズ「っ、ちょっと…!」

イリヤ「お部屋まで我慢してください。」

ローズ「…部屋に着いたらすぐに下ろしてちょうだい…。」

イリヤ「承知しております。」

ローズ「…あと、あとでエヴァから薬を貰ってきて欲しい…。」

イリヤ「かしこまりました。」


(イリヤはローズを抱えてローズの部屋へ向かう。)


イリヤ「ローズ様、お部屋に到着しました。ベッドまでお運び致します。」


(ローズをベッドへ寝かせる。)


イリヤ「色々聞きたいことはありますが、まずはエヴァから薬を貰ってまいりますので、少々お待ちください。」


(イリヤが部屋から出る。)



1⃣1⃣
(エヴァの部屋をイリヤがノックをする)


イリヤ「…エヴァ、起きてるかい?」

エヴァ「…あぁ。」

イリヤ「失礼するよ。」

エヴァ「こんな時間になんだ…。」

イリヤ「ローズ様の薬を貰いに来たんだ。」

エヴァ「ローズ様、悪化してしまったのか。」

イリヤ「あぁ。本人もエヴァから薬を貰ってきて欲しいって言っててね。」

エヴァ「なるほど。…これを飲ませてやってくれ。即効性だが、飲みすぎると依存してしまうかもしれないから、監視を頼む。」

イリヤ「分かったよ。1錠でいいかい?」

エヴァ「あぁ。」

イリヤ「わかった。では、失礼するよ。」



1⃣2️⃣
(ローズの部屋、イリヤとローズのシーン)


イリヤ「…ローズ様、失礼します。」

ローズ「…。」

イリヤ「エヴァからお薬を預かってまいりました。」

ローズ「…ありがとう。」(受け取り飲む。)

イリヤ「お返事がなかったので寝ていらっしゃるのかと思おました。」

ローズ「…そう。」

イリヤ「眠れませんか?」

ローズ「……。」

イリヤ「…ローズ様は昔から寝れない時は星を見ますよね。」

ローズ「…星を見てると嫌なことも忘れられる…。」

イリヤ「そうですね…。」


(ソアが入ってくる。)


ソア「こんな時間にナンパですかぁ〜。」

イリヤ「ナンパするならもっと目立たないようなところでやりますよ、ソア。」

ソア「イリヤさんもナンパするんですね〜」

イリヤ「したことはないけれどね。」

ソア「しなさそうですね〜。」

イリヤ「僕は桜一筋ですから。」

ソア「で?何してたんですか〜?」

イリヤ「ローズ様が眠れないようでして。」

ソア「寝ないこのところには、なまはげが来るって噂ですよ〜。」

ローズ「どこの噂よ…。」

イリヤ「…それと…ローズ様、お1つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

ローズ「…?」

イリヤ「…先程、フレア様となにをされていたのですか?」

ローズ「っ…。なにも、なにもないわ…。」

イリヤ「…なかなか話して下さらないのですね。」

ローズ「…。」

ソア「ローズ様、またフレア様になにかされたのですか…?」

イリヤ「隠しても、僕は全て見ていましたので、隠せませんよ。」

ローズ「…っ。」

イリヤ「フレア様に首を閉められていた…。違いますか?」

ローズ「…。」

ソア「…あのクソガキ…。」

ローズ「…イリヤ、このことは誰にも言わないで。」

イリヤ「…かしこまりました。」

ローズ「…イリヤにはバレてしまったから言ってしまうけれど、こんなの、今に始まった話ではないわよ。」

イリヤ「え…?」

ローズ「…幼い頃からずっとよ。」

イリヤ「…そんな…。」

ローズ「いいのよ、イリヤが気にすることではないから。」

イリヤ「…早く気づけずに申し訳ございませんでした…。」

ローズ「謝らないでちょうだい。」

イリヤ「…ちなみに、フレア様がこんなことをする理由は、ローズ様はご存知なのですか?」

ローズ「えぇ。…私ばかり愛されるのが嫌だ。私の方が優秀なのに…ですって。…いつだったかしら、私が死ねば女王になれるのなら、必ずこの手でお姉様を殺して差し上げます。そう言われたことがあるわ…。」

イリヤ「っ…。」

ローズ「…イリヤ、ソア。」

イリヤ「…はい。」

ソア「なんでしょうか〜?」

ローズ「…あの子が怪しい行動をとったら、すぐに教えてちょうだい…。姉として、女王として、見過ごす訳にはいかないから…。」

イリヤ「かしこまりました…。」

ソア「りょ〜かいしましたぁ〜。」

ローズ「…もう寝るわ…。」

イリヤ「ゆっくりおやすみくださいませ。」

ソア「ローズ様、おやすみなさい。」

ローズ「えぇ、お休みなさい…。」



1️⃣3️⃣
(仕事を振分けるイリヤと仕事をしているミアと椿のシーン)


イリヤ「ここに来て数週間経つけど、椿くんも大分仕事にも慣れたようだね。」

椿「そうっすね。」

ミア「私でも難しいお仕事、簡単にこなせちゃう椿さん、とってもかっこいいです!」

イリヤ「そうだね。でもミアもエヴァの横にたって手伝ってる時はかっこいいよ。」

ミア「そ、そんなことないですよ!」

椿「まぁ、医療のことは俺には出来ねぇし、それをこなせるミアはすごいと思う。」

ミア「はぅ…!きょ、恐縮ですぅ…!」

イリヤ「ふふっ。…あ、そうだ。椿くん、買い出し頼めるかい?」

椿「あ、はい。」

イリヤ「ありがとう。ミアはここの掃除を続けてくれるかい?僕はこれから別の仕事があってね。」

ミア「分かりました!」

イリヤ「頼むよ。」(イリヤは去る。)

椿「俺も行ってくる。」

ミア「行ってらっしゃいませ!」

椿「あぁ。」(椿も去る)



1️⃣4️⃣
(それを見ていたフレアのシーン)


フレア「…何よ、仲良くしちゃって…。ミアのくせに…。」


(椿たちと話したあと楽しそうに掃除をするミアを見つめながら)


フレア「…気に食わない…。面白くない…。ここで一番可愛いのは私よ…。なのに、なのになのに…!」

ソア「醜い嫉妬ですねぇ〜?」

フレア「っ!」

ソア「一番可愛いのは私?んなわけないじゃないですかぁ〜。…少なくても、あんたよりはミアちゃんの方がずっと健気で可愛いよ。」

フレア「ご冗談を。ミアはまだガキじゃない。」

ソア「あんたも十分ガキだよ。」

フレア「…何をしに来たのですか?ソア。」

ソア「別に。あんたが悪さしてないか見に来ただけ。」

フレア「そんなこと私がするとでも思っておりまして?」

ソア「ふ〜ん…。昨日の夜中、ローズ様の首を締めて殺そうとしたのはどこの誰?」

フレア「…あら、お姉様から聞きましたのね?お姉様も随分とお口が軽いのね。」

ソア「…。」

フレア「ご安心を、私は何もしませんわよ。」

ソア「…ならいいけど。」

フレア「こんな所でサボっていたら、ほかのメイドに叱られますわよ?」

ソア「これも仕事の一環だよ。」

フレア「あら、そうでしたのね。でも、ご心配は要りませんわよ。」

ソア「なら仕事にも戻らせて貰いますね〜?」


(戻っていくフリ。壁に隠れる。)


フレア「…ふふっ、いいこと思いつきましたわ…。」(ミアの方へ向かうフレア。)

ソア「…何するつもりだ、あいつ…。」(壁からフレアを見てる。)



1️⃣5️⃣
(フレアがミアに近づき暴力や暴言でいじめるシーン)


ミア「…よし、これで終わりですね…!」


(いっぱいにゴミが入ったバケツをミアの目の前でぶちまけるフレア)


ミア「!フレア様?なにをなされるんですか?」

フレア「ごめんなさいね?うっかり手が滑ってしまいましたの。…またお掃除、しないとですわね?ふふっ…。」

ミア「そうですね…!何度でも頑張ります!」

フレア「…ミア。」

ミア「はい?」


(急にミアを突き飛ばす。ミアは尻もちをつく。)


ミア「きゃぁっ!」

フレア「馴れ馴れしい…。あんたが椿様とお話できる身分じゃないのよ。」

ミア「えっ…?」

フレア「大して可愛くもないくせに…。医療のことしか頭にないくせに…。」

ミア「フレア様…?」

フレア「私はあんたが嫌いよ。」

ミア「っ…!」

フレア「あんたなんか…殺してやる…。」

ミア「…!」(怖くて動けない)

フレア「…安心してちょうだい…?楽に殺してあげるから…。ふふっ…」(ミアを殴ったり踏みつけたりするフレア)

ミア「っ、痛いっ…や、やだっ…」


(ミアの首を絞めるフレア)


ミア「っ…や、やめっ…フレア、様っ…」

ソア「…何もしないは、結局嘘じゃん。」

フレア「…!ちっ…」


(ミアの首から手を離し去っていくフレア。)


ミア「っはぁ…はぁっ…」

ソア「ミアちゃん、大丈夫ですか?」

ミア「…っ…ソア、さん…」


(安心して泣いてしまうミア)


ソア「よしよし…もう大丈夫ですよぉ…。一旦戻りましょうか。」


(ミアを連れて屋敷に戻るソア)


1⃣6️⃣
(ソアがミアを連れてローズの部屋へ。)


ソア「…ローズ様、失礼しま〜す。」

ローズ「ソア、なに…って、ミア?」

エヴァ「ミア…どうした。」

ミア「ローズ様、エヴァさん…。」

エヴァ「なにがあった…?」

ソア「報告致しまぁ〜す。フレア様がミア様をいじめていた所を見つけて保護しましたぁ〜。」

ローズ「…フレア、また…。」

エヴァ「どういう事だ。どうしてそうなった…。」

ローズ「…ソア、あの子はどこに…?」

ソア「さぁ?方向的には、執事さん達のお部屋のある邸舎の方へ向かったように思いますが…。…追うつもりですかぁ?」

ローズ「止めないと…。」

ソア「やめた方がいいですよぉ。今度こそ、殺されますよ。」

エヴァ「おい、ソア。この状況を説明してくれ。」

ソア「…そうですね。お話します。…まず、ミアちゃん、椿さん、イリヤさんが庭園のお掃除をされていました。椿さんと楽しそうに話すミアちゃんに嫉妬したフレア様がイリヤさんと椿さんがほかのお仕事へ向かい、ミアちゃんが1人になった隙を狙いミアちゃんへ嫌がらせをして、その後殴って踏みつけて…。という感じです。簡潔に話しましたが伝わりましたぁ?」

エヴァ「…あぁ、分かりやすい説明だった。」

ローズ「…許せない…。やっぱり止めないと…。話をしないと…。」

エヴァ「辞めておけ、ローズ様。病み上がりだろう。今は大人しくしておけ。」

ローズ「でも…」

エヴァ「殺される…このワードも気になるところだ。ローズ様、なにがあったのか話してくれ。」

ローズ「…それは…。」

ソア「…イリヤさんに話してるんですから、もうぶっちゃけちゃってもいいんじゃないですかぁ〜?いずれ全員にバレるのも時間の問題ですよ〜。」

ローズ「…わかったわ…。…昨日の夜、エヴァから薬を貰いに行こうとしたら、フレアに会って首を絞められた…。ただそれだけよ。」

ミア「っ…!それだけって…」

エヴァ「下手をすれば本当に死ぬかもしれなかった話だ。それだけ、この一言で済ませるのは違うだろう。」

ローズ「もう、慣れてるわ…。」

ミア「…慣れてるってことは…」

エヴァ「今に始まった話ではない。という事か。」

ローズ「…えぇ。」

ソア「…さて、ミアちゃんの手当しないと、ですね。」

エヴァ「そうだな。道具を揃えてくるから、しばらくミアを頼む。」

ソア「了解しましたぁ〜。」

ローズ「…ミア、辛かったでしょう…。ごめんなさい、フレアにはあとで話をしておくから…。」(ミアの頭を撫で)

ミア「そんな、ローズ様は何も悪くないので謝らないでください…!」

ソア「そうですよぉ〜。あのクソガキがちゃんと謝らないといけないんですよ。そーいう教育ちゃんと受けずに育ったワガママちゃんには、ちゃんとしつけないといけないんですよ〜。」

ローズ「…私は、あの子の姉だから…。あの子の失態は私にも責任がある…。」

ミア「…姉妹って、そういうものなのでしょうか…?私には、お姉ちゃんも妹も居ないので…。」

ローズ「…全ての姉妹、兄弟がそうとは限らないかもしれないけれど、少なくとも、姉や兄はそういうものでしょう…。」

エヴァ「だからといってすべての責任を負う必要はない。」

ローズ「エヴァ。」

エヴァ「ミア、手当をする。」

ミア「自分でできますよ??」

エヴァ「いい。こっちへ来い。」

ミア「でも…」

ソア「エヴァさんはミアちゃんの手当をしてあげたいんですよぉ〜。ほんと、情報量少ないツンデレ執事なんですからぁ〜。」

エヴァ「ソア、黙れ。」

ソア「はぁ〜い、黙りまぁ〜す。」

ミア「あ、えっと、ありがとうございます…」

エヴァ「…早く座れ。」

ミア「はい…」

ソア「…そういえば…。」

ローズ「?どうしたの、ソア。」

ソア「ローズ様、明日のパーティーですが…。」

ローズ「…あぁ、あんまり気乗りしない毎年恒例の…。」

ソア「忘れてましたぁ?」

ローズ「えぇ。興味無いもの。」

ソア「笑っちゃいますねぇ〜。」

ローズ「で?それがどうしたの?」

ソア「明日は私別のお仕事がありますので、お付は椿様にさせる予定ですので。」

ローズ「ふーん…。まぁ、なんでもいいわよ。」

ソア「もし困ったことがありましたら、椿さんに仰ってくださいね〜。」

ローズ「えぇ。」

エヴァ「…ミアの手当も終わった。こっちは部屋に戻る。」

ローズ「えぇ。」

ソア「エヴァさんもありがとうございます。」

エヴァ「医者として、当たり前のことをしているだけだ。明日のパーティーだが、もし体調面で何かあったら声をかけてくれ。」

ローズ「えぇ、ありがとう。」

ミア「ソアさん、ローズ様、ありがとうございました…!失礼します!」

ソア「…やっぱ、泣いてるところより笑ってる方が可愛いですよぉ〜。」

ローズ「フレアには気をつけなさい。」

ミア「…!はい!」

エヴァ「では、失礼する。」


(エヴァとミアが部屋を出る)


ソア「…じゃ、私も部屋に戻りますね〜。」

ローズ「えぇ、報告ありがとう、ソア。」

ソア「はぁ〜い。」


(ソア、部屋を出る。)


ローズ「…フレア、あなただけは許せない…。私があなたを正しき道へ導いてみせる…。」

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