Family【3️⃣8️⃣〜4️⃣0️⃣】

3️⃣8️⃣(小屋の中で手当を受けるメンバーたちのシーン。)


ティア「はい、これでみんな大丈夫ね。」

レイ「…これで、もう理不尽な法律もないんですよね…?僕達も平和に暮らせるんですよね…?」

ティア「えぇ、そうね。」

エマ「俺ら、どーすんだよ…。」

ユマ「もう殺す必要も、戦う必要も無いなら…。」

アリシア「バラバラになると思ってる?」

エマ「そりゃ…」

ユマ「違うって言うんですか…?」

アリシア「私はみんなをNight Cat'sに入れた時から家族だと思ってたんだけど。みんなは違うの?」

エマ「…!それじゃ…!」

ユマ「バラバラには…」

アリシア「なるわけないでしょ?これからも私たちは家族だよ。」

ティア「そうね。」

アリシア「ほら、手当終わったヤツから適当に休みなよ。早いこと、家に帰るから。」

エマ、ユマ「うん!」

レイ「家族……。」

アリシア「レイもだよ。」

レイ「僕も…家族になっていいんですか…?」

アリシア「言ったでしょ?全員だって。」

レイ「っ…」

アリシア「泣くなよ、男でしょ?」

レイ「…ありがとうございます…。」

アリシア「ほら、レイも休んでおいで。」

レイ「はい…!」


(みんなそれぞれ個室へ移動する。眠っていたリタが目を覚ます。)


リタ「ん…っ…」

ティア「!リタちゃん…!」

アリシア「リタっ…!大丈夫?苦しくない?」

リタ「ママ…?ティアお姉ちゃん、リズお兄ちゃん…?」

アリシア「っ…!無事でよかった…!!」(強く抱き締め)

リタ「ママ、痛いよ…泣いてるの…?」

アリシア「泣いてないっ…。ごめんっ…強く抱き締めすぎた…。」

ティア「リタちゃん、苦しいところとかない?」

リタ「うん、大丈夫…。」

リズ「まだ完全に落ち着いてるわけじゃないから油断は出来ないね。でも、無事でよかった…。」

アリシア「怖い思い、沢山させてごめんね。でももう大丈夫だから…。」

リタ「ママもお姉ちゃんもお兄ちゃんもいるから、リタはもう、大丈夫だよ…。だからママ、泣かないで…?」

アリシア「…うん、ありがとう、リタ…。」

ティア「まだお熱はあるみたいね…。もう少し、ねんねしないとね…。」

リタ「うん…。ママと、一緒にねんねしたい…。」

アリシア「もちろん…!」

ティア「まだ奥の部屋は空いてるわ。」

アリシア「奥って確か、マリアの部屋…。」

ティア「…そうね。」

アリシア「…ありがとう、ティア。あの部屋使うよ。」

ティア「えぇ。」


(リタとアリシアは奥の部屋へ行く。静かになった部屋でティアとリズは2人っきり。)


リズ「…ティア。」

ティア「…なぁに…?」

リズ「少し話さない?」

ティア「…えぇ。」(椅子に座るティア。)

リズ「…まずは、リタの面倒見ててくれてありがとう、お疲れ様。」

ティア「…えぇ。ありがとう。」

リズ「寂しかった?」

ティア「…いいえ、信じていたから…。でも、少しは寂しかったし、不安だったわ…。リタが戻らなかったら…?リズはちやんと戻ってきてくれるのかしらって…。」

リズ「…うん。でもちゃんと戻ってきたでしょ?」

ティア「そうね、リタもリズも、ちゃんと戻ってきてくれた…。ほんとに嬉しかった…。」

リズ「…これで僕のこと、少しは信じてくれる?」

ティア「少しね…?結局怪我して戻ってきたんだもの、そこはマイナスポイントね…。」(笑いながら)

リズ「え〜厳しいなぁ〜」

ティア「ふふっ…。」

リズ「ねぇ、ティア。」


(リズ、ティアを後ろからそっと抱きしめる。)


ティア「…!リズ…?」

リズ「…僕の言ったこと、覚えてる?」

ティア「…あ…」

リズ「好きなやつの1人も守れないほど、落ちぶれてねぇ…。ねぇ、ティア。」

ティア「……っ…。」

リズ「ティアが好き。誰よりも。」

ティア「リズ…。」

リズ「僕に守らせてよ、ティア…。僕だけのお姫様になってよ…。」

ティア「…えぇ、もちろんよリズ…。私も、あなたの事が好き…。大好きよ…。」(泣きながら)

リズ「ティア、こっち向いて?」


(ティアが振り向くとリズがキスをする。)


ティア「んっ…」

リズ「…ただいま、ティア。」

ティア「おかえりなさい、リズ…!」


(2人はその後楽しく会話したり、スキンシップをしたり…。)


3️⃣9️⃣(1週間後の朝のシーン。)


ティア「…リズ、起きて?もう朝よ?みんな起きちゃうわよ?」

リズ「ん…ねぇティア、起こしてよ。」

ティア「ふふっ、甘えてるの?」

リズ「ダメ?」

ティア「みんなに見られたら恥ずかしいから一瞬よ?」(リズにキスをする。)

リズ「ん…。」

ティア「ほら、起きて?」


(リズ起き上がる。)


リズ「…!…もう見られてたりしてね。」

ティア「え?」

リズ「後ろ向いて?」

ティア「どういう…」


(壁からそっと覗くエマ、ユマ、フレイド、レイ。)


ティア「うそ、みんなっ…!」

エマ「わ、悪い!み、見てない!!俺は見てない!!!キスなんか見てないから!!!」

ユマ「自爆してどーすんのさ…。」

エマ「うわぁぁぁ!!ち、違うっ!!!!」

レイ「…え、あっ…ご、ごめんなさい…。」

フレイド「なんだよ、ふたりそーいう関係だったのかよ!」

リズ「僕ってば、タイミング間違えちゃったかも〜?」

ティア「リズ…!あなたわざとでしょ…!?」

リタ「ティアお姉ちゃんちゅーしてた!!!!」

ティア「リタ!?」


(リタ、2人の元へ駆け寄る。)


リタ「ねぇねぇ、2人もおはようのちゅーしてたの???」

リズ「うん、そーだよ?」

リタ「リタもママとするよ!!」

アリシア「んー、リズとティアのキスの意味はちょっと違うんだよ。」

リタ「違うの???」

アリシア「うん、ちょっとね。てか、大胆だね〜。誰が来るかもわかんない所で…。」

リズ「もう1回やってあげよっか?」

ティア「もうやらないわよ…!!」

リズ「ティア。」

ティア「…振り向かないからね?」

リズ「ティアー?ねぇ怒ってる?」

ティア「当たり前でしょ…!」

リズ「ごめんね?反省してるから、こっち向いてよ、寂しいじゃん、ね?」

ティア「ほんとに…?」

リズ「ほんとほんと〜!」

ティア「全く…」

リズ「あははっ、ティアは素直だよね〜!」


(リズ、ティアにキスする。)


ティア「んっ…!」

リズ「僕のお姫様だから、みんな取っちゃ、めっ、だよ?」(笑いながら)

ティア「…っ!!リズっ!!」(照れてる)

アリシア「ほら、みんな早く用意して。リタはお熱測るからじっとして?エマ、ユマ早く顔洗ってきな。レイ、いつまでもそこでボーッとしないの。早く用意しな。フレイドも早くして。」

エマ「うん!」ユマ「はーい!」

レイ「……あ、はい…!」

フレイド「そんな慌てなくてもいいだろ〜?めんどくせぇ〜」

アリシア「置いていくよ?」

フレイド「…それは困るって!分かったよ…!」

アリシア「…愛されてるんだね、ティア。」

ティア「…お調子者っていうか、小悪魔っていうか……。」

アリシア「いつもでしょ。」

ティア「…でも、ほんとに幸せだわ…。」

アリシア「ホントの幸せはこれからかもね…。」

ティア「そうね。」

アリシア「…さて、リタ、お熱測るよ。じっとして。」

リタ「はーい!!!」

ティア「じっと出来て偉いわね。…うん、お熱はもう無いわね。魔力も安定してるみたいだし、もう大丈夫ね。」

リタ「リタもうお熱ないー?みんなと遊べる??」

ティア「えぇ。」

リタ「やったぁ!!」

アリシア「でもまたしんどくなるかもだから暫くはお部屋だからね?」

リタ「うんっ!!」

アリシア「ほら、リタも帰る用意するよ。」

リタ「はーいっ!!」


4️⃣0️⃣(数日後、平和な日常を取り戻したNight Cat'sのシーン。アリシアのナレーションからスタート。)


アリシア『あの事件から数日経った。理不尽すぎるルールはナターシャの死をきっかけに全て排除。世界は平和な日々を取り戻すことが出来た。それは私たちNight Cat'sも。今までは人を殺すことを仕事としてきた私たちだけど、普通の人と同じような生活を送っている。もう二度と、あの時の世界にはならないように、私は願う…。』

リタ「ママっ!!早く遊ぼっ!!」

アリシア「リタ、待って。すぐ行くから。」


(窓から小さく見える神木を見て。)


アリシア「…マリア、見てるかな…。私、これからも家族みんなと幸せに暮らしていくよ。もう誰も失わないように、もっと強くなるよ。」

リタ「ママー!!!」

アリシア「分かってる、すぐ行く!」

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