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この世界で君と出会う【3️⃣1⃣〜3️⃣4️⃣】

3️⃣1⃣
(クロノの魔法でソアと椿は死後の世界へ戻ってくる。)


ソア「クロノちゃん、ただいまぁ〜。」

クロノ「ソアさん、聞こえてましたよ!!!!僕を便利屋さんだと思ってたんですか!!!??」

ソア「さぁ〜?ていうか、地獄耳ですねぇ〜?」

クロノ「割と大きい声で言ってましたよね!!!??」

椿「相変わらずチビだな。」

クロノ「わぁ〜!!!ほんとに椿さんだぁぁ!!!おかえりなさい!!!!」

椿「ただいま、クロノ。」

クロノ「みんな待ってるので、行きましょう!!」

椿「そうだな。行こうか。」

ソア「…あれ、これ私保護者枠ですかぁ?」



3️⃣2️⃣
(屋敷のみんなは、椿が帰ってくると聞いてパーティーの準備をしている。)


ミア「あっ、も、もうすぐここに来られるそうです…!」

イリヤ「結構早く着くんだね。」

桜「クロノちゃんは歩くスピードも早いから、ひっぱられてるのかもしれないわね。」

飛龍「案外向こうも待ちきれなかったのかもしれませんよ?」

ミア「私も早く会いたいです!ね?エヴァさん!」

エヴァ「なぜ俺に聞く…。」

ミア「エヴァさんも会いたがってたじゃないですかぁ〜!」

エヴァ「……。」

イリヤ「図星みたいだね。」

エヴァ「うるさい。作業に集中しろ。」

イリヤ「はいはい。」

ミア「…あ、あれ!ソアさんたち…!!」(ソアたちを指さし)

桜「もう着いちゃったのね…。」

イリヤ「よし、これでいいね。」

エヴァ「そうだな。」


(一方ソアたちは…)


クロノ「ちゃんと入口から入るのは初めてだぁ〜!!」

椿「え、やっぱりいつも不法侵入だったのか。」

クロノ「あの入り方しか僕は知らなかったです!!」

ソア「そのうち訴えられても知りませんよ〜。」

クロノ「大丈夫ですよ!!その時はきっとローズ様が庇ってくれますから!!!」

ソア「ローズ様が味方しなかったら1発アウトですけどねぇ〜。」

椿「だな。」

ソア「皆さんただいま戻りましたぁ〜。」

イリヤ「おかえりなさい、ソア、クロノくん。それと、椿くんも。また会えて嬉しいよ。」

椿「イリヤさん、ただいま。」

クロノ「わぁ〜!!美味しそうなご飯ですね!!!!」(目キラキラさせて)

イリヤ「クロノくん、ご飯はまだ出来てないからね。」

ソア「クロノちゃん、つまみ食いしたら怒りますからね〜?」

桜「椿くん、おかえりなさい。」

ミア「椿さん!!おかえりなさい!!」

エヴァ「…おかえり。」

椿「みんな、ただいま。」

飛龍「おかえりなさい、椿さん。」

椿「飛龍さん、ただいまっす。…フレア様の件、ソアから聞きました。」

飛龍「あぁ、そうですか。」

椿「専属執事だったっていうのに、あんまり何も思わないんですか?」

飛龍「私はフレア様の選んだ道にどうこう言う権利はございませんので。もともと、誰の見方でもありませんでしたから。」

椿「…そうですか。」

飛龍「さぁ、せっかくみんなで準備したので、歓迎会を楽しみましょう。」

椿「あぁ。」

飛龍「それと、ローズ様でしたら、バルコニーにいらっしゃいますよ。」

椿「…バレバレですか…?」

飛龍「早く会いたい、そうお顔に書いておられましたよ。」

椿「…隠せないっすね…。ありがとうございます、飛龍さん。」


(その場を離れバルコニーへ向かう)



3️⃣3️⃣
(バルコニーにて、ローズを見つけるシーン)


ローズ「…椿…。」

椿「お呼びですか?ローズ様。」

ローズ「…!…椿…!」

椿「ただいま。」

ローズ「…遅いわよ。女王である私を待たせるなんて、何様のつもり?」(笑いながら)

椿「帰ってきただけマシだろ?」

ローズ「そうね…。」

椿「変わらないな、ローズ様は。」

ローズ「あなたは少し大人になったわね…。見た目が。」

椿「そりゃ5年も開けば大人になる。当時の俺はまだ高校生だったからな。」

ローズ「産まれたての小鹿がようやく歩けるくらいになったって感じかしら。」

椿「なんとでも言ってろ。」

ローズ「…ふふっ。」

椿「…ほら、庭園でみんな待ってるから行くぞ。」

ローズ「えぇ、そうね…。」

椿「…お手をどうぞ、ローズ様。」

ローズ「…えぇ。」(嬉しそうに手を取り)


3️⃣4️⃣
(パーティーも無事に終わりひと段落着いた頃)


ソア「椿さん、今いいですかぁ?」

椿「あぁ。」


(ソアの部屋)


ソア「…このタイミングだと思って声掛けました。」

椿「そうだな。」

ソア「この後、私が先に仕掛けますので、椿さんはあれを持って広間で待っててください。」

椿「わかった。」

ソア「では、サプライズ実行です。」

椿「あぁ。」


(庭園へ向かうソアと広間へ向かう椿。)


ソア「…ローズ様。」

ローズ「?どうしたの、ソア。」

ソア「ローズ様、5年前のパーティーの日、ドレスがめちゃくちゃになったこと覚えていますか?」

ローズ「…えぇ。ソアから貰った大切なドレスだったから…。ソア、あの時は本当にごめんなさい…。」

ソア「いいんですよぉ〜。あれ、少ない給料で作ったドレスですから、生地や装飾もあまりいいものではなかったので、作り直したいと思ってたんで。」

ローズ「そう、なの…?」

ソア「えぇ。だから今回これをローズ様に。」

ローズ「…これ…。」

ソア「新しいドレスです。」

ローズ「…?でもふたつも…。いいの?」

ソア「はい。本当はそのピンク色のドレスはあの時のパーティーで渡したかったんですよ。まぁ、結局間に合いませんでしたけどねぇ〜。」

ローズ「これは…?」

ソア「それが何かはこの後分かりますよぉ〜。さぁ、その白いドレスを着て広間へ行ってください。」

ローズ「広間?どうして?」

ソア「行けば分かりますよ〜。」

ローズ「…?」(とりあえず広間へ向かう)


(広間へ向かうローズ、広間には椿がいる。)


椿「…ローズ様。」

ローズ「椿…?どうしてあなたがいるの…?」

椿「…そのドレス、似合ってる。」 

ローズ「ありがとう。」

椿「なぁ、そのドレスで俺と踊ってくれないか?」

ローズ「え…?」

椿「この靴とそのドレスで踊ってくれないか?」

ローズ「…!その靴…。」

椿「ソアから聞いたんだ。シンデレラの物語が好きだって。」

ローズ「…昔、小さい頃にソアに読んでもらったの…。ガラスの靴に憧れてたの…。」

椿「この世界の有名なガラス職人に作ってもらったんだ。」

ローズ「いつ…?」

椿「あのパーティーの翌日。」

ローズ「もしかして、あなたとソア、私に内緒で…?」

椿「サプライズ。2人で考えてたんだ。」

ローズ「…私の宝物がまた増えたわ。ありがとう…。」

椿「で?踊ってくれるか?」

ローズ「もちろんよ。」 

椿「…足を出してください、ローズ様。」

ローズ「…まるで本当にシンデレラになった気分だわ…。」

椿「たまには悪くないだろ、こういうのも。」

ローズ「えぇ。」(微笑み)


(ローズと椿、広間で踊っている)


ローズ「ねぇ、椿。」

椿「ん?」

ローズ「私、あなたの事が好き。5年前から、ずっと…。椿は?」

椿「俺も5年前から気持ちは変わらねぇ。」

ローズ「…このドレス、まさかだと思うけど、ウェディングドレス?」

椿「あぁ。ソア手作りのな。」

ローズ「1番大切なメイドの手作りのウェディングドレスに、1番大切な愛しい人からのガラスの靴で式をあげるなんて、私幸せものね。本物のシンデレラだわ…。」

椿「シンデレラより幸せかもな。」

ローズ「そうね…。そうかもしれないわ…。」


(音楽が止まる。)


椿「…ローズ。」

ローズ「なに、椿…。」

椿「改めて…俺のお姫様でいてくれないか。」

ローズ「…もちろん。あなたは私の最高の執事で最高の王子様よ。これからはずっとそばにいてよね?」

椿「あぁ。」

ローズ「…そういえばちゃんと伝えていなかったわね。」

椿「ん?」

ローズ「…おかえりなさい、椿。」

椿「…ただいま、ローズ。」


(2人抱き合う。)






End

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