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お寿司が食べたい

 願わくばお寿司が食べたい。
 それもデリバリー寿司で正月にしか登場しない四角い桶に入った5人前の豪華絢爛なやつ。
 カニなんて殻が少しだけついていて見た目にも華やかだし、ウニは山盛り、イクラにボタンエビ、数の子まで入っていて垂涎のラインナップ。
 カニの寿司などを醤油に付けて食べるのを日くらし夢見る今日この頃。殻の部分を親指と人差し指でつまんでから、口を上の方に向かって開けて、カニの先端部分の方から口の中に流し込むようにツルリンって食べちゃうわけでしょ。「あ〜、お洋服に醤油こぼしちゃった」「早く拭かなきゃシミになっちゃうよ」「でもおいしいからもう一つ食べちゃお」「もー、食いしん坊なんだから〜」「キャハハ」とかはしゃいじゃったりして、羨まし過ぎる。

寿司1

四角い桶の寿司の超えられないハードル

 この正月限定の四角い桶の5人前の寿司を食べるためにはいくつかハードルがある。まず人が5人いなければならない。同じ内容の正月限定寿司でも1人前や3人前は四角い桶ではない。友達とか親戚を家に集めてホームパーティーできる人ならいいけど…。ホムパって言うの?最近。そのホムパってのをしてみたい。

 次に20,000円というプライス。教育ローンという名の借金を返済中の贅沢禁止の身に、自腹で寿司に2万円はないな。更年期のやり残し症候群の一種だったような気もするのだけど、アラフォーを過ぎてから大学院に行き、何百万円という借金を背負ってしまったツケは大きい。自業自得。割り勘で四角い桶が頼めるその日まで、我慢・我慢、忍・忍のハットリ君だ。贅沢禁止生活の中でのお楽しみとして、もし1万円あったら何をするか、5万円あったら、10万円あったら、50万円あったら、100万円なら…とそれぞれのランクで願望をリストにしているのだが、そのなかの1万円あったらのコーナーの筆頭が「寿司を食べる」だ。5万円コーナーの筆頭が「四角い桶の寿司を一人で食べる」だ。

いつかその日が来る日まで

 残るチャンスは、正月にどなたかのお宅にお呼ばれして寿司をオーダーしてもらえること。丸い桶の特上15,000円でもいいです。「残しちゃってもナンだから数の子もう一つ召し上がって」「あら、いいんですか」「むしろありがたいわ。ウニももっといっちゃって」「ありがとうございます」「それにしても年末の紅白見た?聖子ちゃんって年取らないわよね」「ほんとですよね、はははー」なーんて展開にならないかなぁ。

寿司2


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