見出し画像

写真家で食っていけるのか?

これから写真家を目指したいと思っている人が一番気になるのは、写真家という商売が成り立つのか?それで食っていけるのか?と言うことだと思います。結論から言います。こと作品作り、自分が撮りたい写真だけで食っていくことは、スポンサーでも付かない限り無理です。夢を壊すようですが、それが現実です。表に出る華やかな部分の何倍も、裏では苦労している写真家が多いのです。

自分の作品をWebや写真展で販売することは可能ですが、それだけで食っていけるほど日本の写真文化は熟成されていません。昭和の時代から「写真は焼き増しして貰うもの」という文化が定着している日本で、作品を販売することは容易ではありません。著名な写真家が写真展の開催中に販売をしたとしても、全ての写真を売り切ることはまず無理でしょう。

そんな写真家がどうやって食べているかと言うと、依頼撮影、写真教室の講師、イベント出演、グッズ販売など、作品作りとは別の方法で稼ぐしかありません。もちろん空いた時間にアルバイトをする人もいますし、写真とは別の仕事を持っている人もいます。私も依頼があれば記念撮影から商品撮影、個人レッスンや執筆、空いた時間にアルバイトをするなど、作品作りとは別の方法で収入を得ています。

歴史に名を残す著名な芸術家には、必ずパトロンが付いています。例えば、陶芸家で初めて文化勲章を受賞した「板谷波山」は、パトロンに対して感謝の気持ちを表す贈り物の達人だったと、波山研究の第一人者から聞いています。つまり芸術の分野では支援者がいてこそ、作品作りに打ち込めるということです。

しかし、バブルの時代ならまだしも、令和の時代に支援者を募るのは難しいでしょう。だったらどうするのか、兎にも角にも応援してくれる人を大事にすることです。私のような特殊な写真でも、好きだと言って応援してくれる人が大勢います。そんな人達がいるから頑張れますし、作品作りの意欲が湧いてきます。直接会った時の対応やSNSでのコミュニケーション、完ぺきにこなすことは難しくても出来るだけのことはやっているつもりです。私がSNSで積極的に写真を公開することは、応援してくれるファンの皆さんへの還元、感謝の気持の現れです。

コロナ禍のの現状、以前にも増して写真家としての活動が厳しくなっています。正直、いつまで続けられるのかわかりませんが、アルバイトを掛け持ちしてでも現状を乗り切って、創作意欲だけは失わないようにしたいと思っています。早く自由に動き回れる日々が戻ってくるといいなぁ~。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?