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好きを仕事にすると…

全てはここから始まりました。2008年、今から15年前の夏の夜、外では稲妻が夜空を照らしていました。部屋の窓からカメラを構え、タイミングを測ってシャッターを切る、ありゃ、1枚目で写ってしまったぞ。それまでも写真の心得はあったけど、雷は狙って撮れるものではないと思っていました。そうか!狙って撮れるんだ!そう思ったのがそもそもの始まり。

2008年7月27日、始まりの1枚

しかし、2枚目以降が続かない。撮れたと思ってプレビューを見ると写っているのはただの夜空。そこから戦いが始まります。撮影方法をあれこれ試し、動体視力を鍛え、何度も撮影に挑みます。それでも全くダメ…ふとした時に雷の特性を全く知らないことに気付きました。そうです!被写体の特性を知らなければ撮れるわけありません!

そこから猛勉強をして、それまで全く興味がなかった気象について知識を詰め込みました。最初の1枚から約3か月後、特性を理解した上で撮影に挑み、見事に納得の1枚をゲットしました。それからひたすら撮り続け、珍しい雲や気象現象を撮りまくります。そのうち写真雑誌や新聞から依頼が来るようになり、最初の1枚から数年後にはフリーランスの写真家・ストームチェイサーとして活動を始め、現在に至ります。

2008年10月27日、会心の1枚

今年はすでに活動時期を終え、シーズンオフに入っています。活動時期を大まかに区切ると、二十四節気の春の彼岸から秋の彼岸までになります。活動期間中は無心で撮影に取り組みますが、終了するとあれこれ考えます。年々フリーランスには厳しい世の中になっていて、写真に対する世の中の価値感も変わりつつあります。フリーランスとして10年以上やってきた自負はありますが、毎年シーズオフには今年で最後にしようと思うのです。

2023年7月3日、狙い通りの1枚

好きを仕事にするとうまく行かないと言われますが、逆に好きでなければやってられない仕事でもあります。特にコロナ禍以降は小商いばかりで、アルバイトをしなければやっていけない状況です。写真雑誌も次々に廃刊・休刊になり、企業もコスト削減で写真にお金を出したがりません。更にアマチュア写真家の台頭で、プロの存在価値も薄れています。何年か前からSNSを制するものが生き残ると言われていますが、何だかんだ言っても人との繋がり、コネクションがものをいう世界です。そのあたりは廃れることは無いと信じています。

2023年7月11日、最高の1枚

さて、この先どうしたものか、あれこれ考える時期がやってきましたが、来年の春には再び撮影に出ていると思います。空を切り裂く稲妻や、手が届きそうな低い雲を見るとじっとしていられないんですね。それこそ好きだから続けている、好きがモチベーションを保つ原動力なんですね。

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