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令和の雷撮影術

ここ数年、雷撮影時にISO200~400を多用しています。ISO100で露光時間が30~40秒になるとどうしても雲が流れてしまい、違和感が出てしまいます。そこで、感度を上げて10~20秒に短縮してやるわけです。ただしデメリットも多く、強い雷光では露出オーバーになりやすいですし、長秒時の熱ノイズも多くなります(効率優先でノイズリダクションはオフに、RAW現像時にノイズ処理を行います)。

ISO400 F3.5 5秒

細くきれいな稲妻を撮るには、完全に日が落ちた状態でF5.6~8程度まで絞ります(幕電は開放でもOK)。薄明時にはF8~11、条件によりND4~8を使うこともあります。露出はマニュアルが細かな調整もしやすく使いやすいです。放電の種類や距離により光の強さがかわるため、絞りとシャッター速度を逐一微調整しながら撮影します。雷雲は常に動いているので、雷光もそれに合わせて変化しています。

ISO200 F8 25秒

昼間の雷に関しては完全にスポーツ感覚です。基本は目押しで、とにかく捉えることに全神経を集中して、感覚を掴む以外にありません。昼間の設定はISO100を基本に絞りもF8~16程度まで絞り、シャッター速度を1/60~1/125秒前後に設定します。ひとつだけ言えることは、近いほど体感速度が速く、遠いほど体感速度は遅いということです。近くからワイドで狙うより、遠目から長玉を使うほうが容易に捉えることができます。

ISO100 F16 1/60秒

ピントは昼夜を問わずマニュアルで、MFで無限遠に合わせておいたほうが楽に撮影できます。AFレンズの場合、ほとんどの機種がオーバーインフなので、無限方向一杯まで回すとピントが出ません。メーカーにより異なりますが、無限手前か少し超えるくらいで丁度いいので、ピーキングや拡大表示で確認ししながら、印を付けるかテープで固定しておくといいでしょう。

ISO200 F5 5秒

雷撮影には昼でも夜でも三脚とリモートコードが必須アイテム、ファインダーやモニター越しに見るより、肉眼で見たほうが格段に捉えやすくなります。それと、あっちで光ったからあっち、こっちで光ったからこっちと、頻繁に構図を変更していたらいつまで経っても撮れません。発雷する場所の見極めと、立ち位置が大事です。

ISO200 F6.3 10秒

とにかく安全第一、撮影に適した見通しのいい場所や、高いところは落雷しやすいので、雷雲と自分の位置関係はレーダーなどを使い、常に気にしていないと痛い目に遭います。一度の撮影で欲張らず、危険を感じたらすぐに移動するくらいの気持ちが大事です。雷は怖いものだという前提で撮影するものです。一度コツを掴んでしまえば、それほど難しくはありませんので、安全を確保したうえで、雷撮影にチャレンジしてください。

*絞りやシャッター速度に関しては振れ幅がありますので、上記の値が必ずしも正しいものではなく、条件や好みにより変化します。

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