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【セミナーレポート】女性の健康支援を学ぶWEBセミナ 2021年10月開催

こんにちは、女性に寄り添う薬剤師 YUMAです。
今回は2021年10月22日に開催されましたHAPオンライン研修「女性の健康支援を学ぶWEBセミナー~産婦人科領域を軸として~」についてお届けします。

毎回100名以上もの参加者で盛り上がるこちらの講座。
講師は柴田綾子先生 (淀川キリスト教病院 産婦人科 医師)です。
柴田先生は名古屋大学情報学部から群馬大学医学部に編入された異色の経歴であることから、とにかく内容がわかりやすい!そして進行がうまい!
1時間半のセミナーがあっという間に感じるのも魅力の1つでもあります。

女性なら誰しも悩む生理

今回のテーマは「PMSと月経不順のセルフケアと治療について」

一般的には"生理"の方が馴染みがあるかもしれませんね。

(ここでは”月経”に統一します。)

薬局に勤務していると、PMSや月経不順のご相談は本当に多いです。
女性は人生の大半を月経と付き合っていかなければならないため、悩みは尽きないのかもしれません。

そんな月経についての悩みにより寄り添えるために、

そもそも月経って?
月経不順やPMSとは?
産婦人科に受診するタイミング

上記3点について、今回のセミナーからの気づきをお伝えしていきましょう。

“普通”の月経とは?

月経は女性にとっての「バイタルサイン」である

今回印象に残っていることの1つ。

月経は「からだからの通知表」とも表現されているのを見かけたことがあります。

バイタルサインとしてチェックしていくには、普通の月経状態を知っておく必要がありますよね。


ところで、あなたは普通の月経ってどれくらいか知っていますか?

セミナーでは、日本産婦人科学会での定義について教えて頂きました。

月経持続日数: 8 日以下
月経周期 : 24 ~ 38 日
月経量 : 20 ~ 140 ml

(引用元:日本産科婦人科学会雑誌第71巻第6号2019年)

あなたの普段の月経は、比較してみていかがですか?

これ以外にも経血の質なども判断材料となりますが、まずは「日数」「周期」「量」が上記の範囲内であれば"普通"の月経と判断してよいでしょう。

月経不順の原因は?

月経不順での相談の中には、"普通”の月経がよくわかっていないがゆえのものも見受けられます。

まずは"普通"の月経について知ること、それとともに受診を促すべき月経についても知っておく必要がありますね。

受診を推奨すべき月経について、セミナーでは日本産婦人科学会での定義について教えて頂きました。

過長月経 : 月経持続 9日以上
頻発月経 : 月経周期 23日以下
希発月経 : 39日以上
過多月経 : 140 ml以上

(引用元:日本産科婦人科学会雑誌第71巻第6号2019年】


「生理が3ヶ月こない」「生理が10日以上つづく」「生理間隔が20日より短い」このようなときは受診することをおすすめします。


では、月経不順の原因は、どのようなことが考えられるでしょうか?

・ストレス
・睡眠不足
・やせ・肥満
・薬剤
・女性ホルモン異常

薬局での相談でも、ストレスが原因の方は多いです。

また急激なダイエットにも要注意ですね。若い世代の方には、やせや肥満が原因の方は多いように思います。

ホルモン異常かどうかは、基礎体温も判断材料になりますよ。

妊娠に関わらず、日頃から基礎体温を測定することもバイタルサインを知るために必要になります。

PMSの主な症状とは?

月経前になると、このような症状が気になることはありませんか?

・頭痛
・胸の張り
・足の浮腫
・気分の落ち込み
・イライラ
・腹部膨満感

これらは、月経前症候群(PMS)でのよくある症状とのこと。

PMSのセルフケアの第一歩として、まずは「生理日記」を始めることがおすすめ。

実は私も日頃から、生理記録やその日の体調などをメモするようにしています。

どのタイミングでどんな不調が出やすいかをまずは把握することで、解決策が見つかるのですね。

最近ではPMD(月経前障害)という概念が海外ではあるのだとか。

このあたりについては、また日本での概念も変わってくるかもしれませんので、注目していきましょう。

こんなときは産婦人科へ!

最後に、産婦人科への受診推奨目安を教えて頂きました。

生理の前のイライラや症状が強い
生理の痛みが強い 
痛み止めを飲んでも効果が弱い
生理の量が多い 
ナプキンを毎時間変える、血の塊がでる
生理が15才になってもこない
生理が3ヶ月こない 
生理が10日以上つづく 
生理間隔が20日より短い

産婦人科に受診することは勇気がいるかもしれません。

けれども、早めの受診で改善できることがあることも事実です。

もしもご自身では判断が難しい場合は、まずはかかりつけ薬剤師に相談してみるもの1つです。

まとめ

女性にとって人生の大半を付き合わないといけない月経。

より快適に過ごすためにも、不快な症状や気になることがあれば、1人で我慢したり悩まず産婦人科に受診してみましょう。

漢方や低用量ピルを服用することで、より良く快適に過ごせるようになるかもしれません。

またセルフケアについてはかかりつけの薬剤師にぜひ相談してみてください。

生活習慣や食事の見直しで改善できることもあるかもしれませんよ。


的確なアドバイスがスムーズにできるためにも、薬剤師自身も月経について学び深めてアップデートしていく必要があるなと感じたセミナーでした。


今回のセミナーの中でも低用量ピルの話がありましたが、もっと詳しく知りたい方は、10月28日(木)19時より、HAPオンライン研修「OC・LEPガイドライン2020を読み解く力を養うCafé講座」が開催されます。

全2回講座の2回目にはなりますが、最新のOC・LEP製剤についての情報が学べるかと思いますので良かったら参加されてみてくださいね。


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