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【夢日記】顔

痛い。

腰や背中が痛い。

疲労が蓄積しているのか、ぼくはまた車の運転席で眠り込んでしまったようである。ときどきは路上で居眠りをして、何処かブロック塀にでも突っ込んだ後になって自分が目を覚ましたのではないかと思ってはっとすることもある(どうも一度自損事故を起こしてからというもの、一ツの恐怖症みたようになっている)。

薄暗くて見えづらいけれども、横の窓から見える景色からして、自宅の駐車場のようだ。如何やら何とか家には着いたものの、其処で力尽きてしまったものであるらしい。

― 違和感。

正面のフロントガラスから辺りが見えないことに気づいた。何か覆いがかかっていて、辺りが見えない。何だ、これは…。慌ててポケットからスマアトフオンを取り出し、灯りをつける。

…ぼくはモウただ息を呑む。

携帯電話の淡い灯りで照らし出されたそれは、人形だ。フロントガラスの全面を覆い尽くすくらいの巨大な市松人形の顔が、虚ろな目でこちらをじっと見ている。



「わっ」と絶叫して目を醒ますと、果たしてそこはやっぱり自宅の駐車場だった。但し、外はすっかり明るくなっていて、小鳥のチュンチュンと鳴くのが聞こえてくる。フロントガラスにはもちろん巨大な人形の顔などあるはずもない。

時間を確認しようとしてスマホを取り出すと、バッテリーが切れかかっていた。ライトが点けっぱなしになったままで…。


夜な夜な文字の海に漕ぎ出すための船賃に活用させていただきます。そしてきっと船旅で得たものを、またここにご披露いたしましょう。