見出し画像

適材適所のすばらしさを実感した話

むかし、まったく勉強できない友人がいた。
高校受験でも、
「よっぽどのことがない限り、落ちない」
と言われている地元の高校に落ちて、遠い遠い、定員割れしている私立の女子高に行くことになった。
そこは見事にヤンキーだらけの学校で、見た目も中身も清楚なその子が行くなんて…と思ったが、仕方ない。そこしか行けるところがなかったから。
(その子はずっとモダンバレエをやっていて、立ち振る舞いも清楚だった)
(なぜか勉強だけが壊滅的にできない)
周りに染まることなく清楚なまま卒業。
もちろん大学には行かず、就職したけど今度はしごとができない。
レジのアルバイトでも簡単な計算ミスを連発し、クビになったことがある子だ。
しごとができるわけない。
そんなこんなで1年もしないうちにしごとも辞めて、中学時代からずっとつきあっていた彼と結婚した。現在、3児の母である。

そんな彼女の家に遊びに行ったときのこと。
5歳以下の子供が3人いるわけだから、さぞ家の中もごっちゃごちゃだろうと思いきや、めっちゃくちゃキレイだった。
その場しのぎで片付けたような感じではなく、隅々まで整っている。
ベランダには家族5人分の洗濯物がズラッと並び、風に揺られていた。
「お昼を食べてって」と言われていたから、出前でも取るのかと思っていたら、あるもので簡単に作るという。
有頭エビのトマトクリームパスタが出てきた。
店か‼︎
あるもので?パパッと作ったものがコレ?
めちゃくちゃうまい。
手作りのドレッシングとサラダも出てきた。
子供たちを見ていると、おもちゃを出し、あそび、あそび終わったらなんと片付けている‼︎
あ、あり得ん…。
この歳の子がそんな行儀の良いことってある??
帰り際、
「口に合うかどうかわからないんだけど…」
と、1本の瓶を手渡された。
手作りの梅ジュースだという。
夏バテや疲労回復に効くと言われてやまない、あの梅ジュース。
「お土産まで…⁉︎⁉︎」
見るとキッチンには大量の梅が漬けられて、並んでいた。


こんな才能があったとは。


むかしは周りができることが自分にはできなくて、ツライ思いをしたんじゃないかな。
大人になって、苦手なことから解放され、自分のできることを100パーでやり、日々を丁寧に暮らしている彼女。
家事育児をそつなくほぼ完ぺきにこなす彼女を見て、人にはそれぞれ咲く場所があるんだわ。。。と思った。
適材適所ってすばらしい。

これはわたしの友人の話ではなく、むかし親友から聞いた、親友の友人の話です。
親友がかつて習っていた、モダンバレエ仲間の1人らしい。

自分の娘が小1になり、びっくりするくらい勉強ができないことがわかりつつある今、ふとこの話を思い出しました。
置かれた場所で咲けなくても、自分の居場所を探してそこで咲いたらいいよね、と思わせてくれた話。

まぁ娘はわたしにとっては充分咲いてるんだけど、自分の人生、自分なりの居場所を探して咲いてくれたらいいなぁ。もちろん息子も。
(わたしもか?)
激甘で見守ろうと思ってます。

ちなみにこの親友の友人は、お姉さんも同じような学力でした。遺伝的なものかな…?
むかしは発達障害ということばもなかったし、理解されずにひとくくりにされて、ツライ思いをした生徒もいたんじゃないかなぁ…と思ったりします。

この記事が参加している募集

#多様性を考える

27,854件

最後までお読みいただきありがとうございます!もっとがんばります。