見出し画像

田植え・ハーブティーワークショップ/リーダーシップ・チャレンジ2024開催レポートvol.2

社会人のためのリーダーシップ講座「リーダーシップ・チャレンジ 2024」(LC)第2回のプログラムは、2024年5月11日(土)〜12日(日)に茨城県の秋庭農園にて田植えとハーブティーのワークショップを行いました。

会場は茨城県古河市の秋庭農園。東京から電車でおよそ1時間のところにありますが、水田と畑が目の前いっぱいに広がっている田園の趣きがあり、都心から近くて自然の雰囲気が十分に楽しめる場所にあります。


📖講義内容

今回の目的は……

・五感を取り戻す(特に手の指先の感覚、嗅覚、聴覚、味覚)
・自分が食べるものを自分で作ってみる(「食料自給力」をつける)
・ライフスタイルを見直してみる
・身体を動かす
・越境学習
・SDGs

◆1日目:田植え&BBQ

実際に手を動かすと機械のようにいかず「早期に綺麗に揃えて植えることは諦めスピード重視に切り替えた」という声も(受講生レポートより)

田植えは4人一組、5チームに分かれて実施。チーム毎にどのように植えていくのか方針を相談&試行錯誤しながら、1反の田んぼ(約1000m²)を植えきりました。
植え方の方針も、前に進むのか後ろに下がりながら植えるのか、2列植えるか5列植えるか、まずは精度よりもスピードを重視するのかなどチーム毎に違った特色がありました。

「家族で参加できて良かった」「子供が自分以上にやる気満々で田植えを楽しんでいた」(受講生レポートより)

身体を動かしてお腹が空いたら、BBQ。火起こし担当と焼き方担当はあらかじめ決めていましたが、元フレンチのシェフでもある秋庭覚さんがお肉や野菜のカットの役割を募ると、さっと分担して作業するようになり、そのほかサラダづくりやちょっとした小料理づくりでほぼ全員がなんらかの仕事に携わることに。

「自然の中で五感を使って作業をしたからか、その後のサラダ、お肉、ご飯がとても美味しく感じた」(受講生レポートより)

田んぼとBBQでチームビルド、リーダーシップを体感できました。

また、このワークショップを通じて「シェアド・リーダーシップ」についても学びました。

チームメンバーそれぞれがリーダーシップを発揮し、リーダーの役割を共有している組織の状態を示す言葉です。
リーダーといえばチーム内の一人がその役割を担い、チームを牽引するイメージがありますが、シェアド・リーダーシップではチームメンバーの一人ひとりが影響力を持ち、リーダーシップを発揮します。
※組織のビジョンを示したり、最終決定をしたりするために、シェアド・リーダーシップにも正式なリーダーは必要とされています。

◆2日目:ハーブティーワークショップ

2日目はアキバヒロコさんによるハーブティーワークショップ。栽培している天然のハーブの説明を受けながら収穫し、それを飲んで、自分でオリジナルブレンドのハーブティーをつくります。

ハーブにはそれぞれに効果効能があり、その組み合わせによっても効能が違ってきます。
まずは、自分の身体や精神の状況を見つめ直す内省から始めて、各自どんな効能が欲しいかを考えながらブレンドしました。

「いろんなハーブを手に取り、匂いを嗅ぎ、ハーブティを入れて、色を見て味を感じてと、いろんな感覚を刺激されて楽しい時間でした」(受講生レポートより)

農園主の秋庭覚さん、アキバヒロコさんご夫婦は、就農してまだ10年。それまでは、覚さんがフレンチのシェフ、ヒロコさんがハーブティーのブレンダーとして働いていらっしゃいました。
覚さんは、レストランで提供している料理に実家で栽培している野菜を使ったところ、お客さんからの評価が高く、とても喜ばれるようになりました。
しばらく実家の野菜を使って営業をしていくうちに、こうした素材をもっとたくさんのレストラン、ご家庭で使っていただけたら、と思い、帰農を決意。
主力のコメを中心に、試行錯誤の10年を経て、最近ではようやく経営も軌道に乗ってきたそうです。

🖊️受講生の講義レポートより

講義での学び、気づき、感想

【田植えについて】

田植えのやり方は同じ説明を受けても、人によって植える感覚ややり方に違いがあった。また、ゴールまでに各自が役割を考えて、端に植える人、間に植える人行動していた。組織においては結果を見ることが優先されがちだが、一人ひとりのプロセスにも目を向けてみることが大事だと思った。

小売業・男性・40代

普段何気なく食べているお米を作るのにはとてつもない労力と時間がかかることを改めて実感することができました。その労力に見合った報酬が得られにくい産業であることも同時に分かり、日本の食料自給率とは矛盾しているようにも感じました。お酒に関しても自然の恵みから作り上げているので、現場の手触り感をより大事にすることを伝えていきたいと思います。またそこで得た感覚を伝えていける人を一人でも多く育てることが重要だと思いました。

食品業・男性・30代

まだよく知らない人達とで、初めての経験である田植えを、目標達成に向け戦略的に進めていくことの難しさを感じた。また、作業を進める上で各々の肉体的・精神的疲労も異なり、目標達成に向けては「置かれている状況がバラバラの中でいかにチームアップをし、互いの状況をよく理解し助け合うこと」が重要かを学んだ。これは今・将来の部署へも必ず応用できる要素であると感じた。

金融業・男性・30代

自分は管理職なので、チームメンバーとまず目標を共有し、常に目標とずれていないかを確認指摘することが重要だと思った。田植えでは一人一人がパフォーマンス最大化するには目の前の仕事(苗を植えること)に集中することがベストで、その人が集中し、目標とずれたときに指摘してあげることが私の仕事だと思った。

小売業・男性・30代

日頃はデスクワーク中心にPCと睨めっこしている時間が多く、限られた環境と思考の中で仕事をしていたんだなと気付かされました。五感を取り戻した経験を自分のチーム内へ展開し、自身も意識改革していこうと思います。

商社・男性・40代

研修などのグループワークなどで、チームの関係性強化などで、目に見えるものを完成させるワークを考えてみたい。

商社・女性・30代

【ハーブティーワークショップについて】

上司や部下といった周りに目を向けるだけで無く、自分に目を向けて自分の心身の健康にも関心をもつことが必要と感じた。

小売業・男性・40代

ハイソな女性だけのものと思っていたハーブティが自分で作ることで少し身近なものになりました。また、東京の高級ホテルのスイートルームにも採用されてることもお聞きし、農業にもより付加価値をつけていくヒントになると感じました。自宅に戻りおいしくいただきました!

食品業・男性・30代

想像以上に好奇心を喚起させられた講座だった。1回目と2回目の配合内容を少しだけ変えるだけで全く別物が出来上がるハーブティの奥深さを学んだ。自らが知らない世界に能動的に関心を持つことで自身の世界が広がることが非常に学べた。職場での「広い多様性を理解する」ことに繋がる気付き(=能動的に関心を持ち理解すること)になったのではと感じた。

金融業・男性・30代

シンプルに楽しかったです。ヒロコさんのキャラクターとイキイキした姿がとにかく印象的でした。自分のやりたい事、経験を言葉で伝えられる様にしていきます。

商社・男性・40代

ハーブにさほど関心はなかったが、自分の健康面を労る、ケアするという目的を持って講座に対峙すると、本気になってブレンドしている自分がいて、ものは考え方次第だなと感じました、実際に楽しかった。

食品業・男性・30代

このワークショップへのGOOD FEEDBACK

秋庭ご夫妻のキャリアや思いなどまで学ぶことが出来た。農業は大変だと思い常に開放的な雰囲気や笑顔が素敵でした。 好きなことを仕事にする、出来ることの素敵さ、人間感を学ぶことができました。

小売業・男性・40代

今まで実施したことのない体験に触れることで、新たな気づきを得ることができた。 また、宿泊研修ということで、一緒に参加している方々と話す機会が多くなり学ぶことも増えた。リーダーシップ研修での出会いを大事に横のつながりも密にしていきたいと感じた。

情報、通信業・男性・30代

普段は寝つきがあまり良くないが、(田植え後は)すぐに寝ることができた。やはり、体を動かすことは実感し、経験となるだけでなく健康にもよいことを改めて認識できた

小売業・男性・40代

フィールドワークはたくさんの段取りが必要だと思うので、それをご準備いただいただけでも感謝したい。ありがとうございました。

商社・男性・30代

自らの時間が作れたとしても進んで体験しようとしなかったことを体験できたことで新たな気付きにつながった点

情報、通信業・男性・40代

初めての経験で面白かった。自宅のバルコニーでも何か育ててみたいと思った。

金融業・男性・40代

🕰️タイムテーブル

【田植え&BBQ:5月11日(土)】
13:00 JR古河駅東口 集合
13:30 農園到着 着替え
13:50 オリエンテーション、移動
14:20 田植えスタート(途中休憩あり)(2時間)
17:00 手洗いして歓談、BBQ開始
18:30 田植えの振り返り
19:00 BBQ終了、片付け
19:20 秋庭農園発、宿泊するホテルへ  

09:00 ホテル出発
09:30 秋庭農園ハーブの畑到着、収穫体験
10:00 ハーブティワークショップ
11:00 ワークショップ終了/2日間の振り返り
11:30 2日間の振り返り終了/マルシェ
12:00 秋庭農園発
12:30 JR古河駅着、解散

👤講師プロフィール

秋庭覚(あきば さとる)
秋庭農園 17代目
小さい頃は農家にはならないと決めていたが、社会人になり、銀座のレストランで料理人をして行く中で「顔が見える生産者の食材を使って料理をしていくと、完成されたお皿の中身は自分だけの力だけじゃなく、美味しさの元は生産者の方がつくる食材そのものにあること」を身をもって知る。母親がつくっていた食材を試しに働いていたお店に持っていき、 お店のスタッフやお客様に出したところ絶賛され、自分の母親、農業をしてきた実家、育ってきた土地などに感謝が溢れ、その後、帰農を決意したという。

アキバヒロコ(あきば ひろこ)
ハーブティーブレンダー
子供時代は農家とは縁なく育ったが、2011年の東日本だ震災をきっかけに「もっと自分らしく生きて行きたい」という想いから農業体験などに参加するようになる。銀座のカフェレストランで、ハーブティーの知識を活かし、ドリンクの開発やサービスなどを経験。採れたての野菜の美しさ・美味しさに感動し、「農家とはクリエイターであり、創造的な素晴らしい仕事だな」という尊敬と憧れが生まれたという。

その後、職場近くのレストランで料理人をしていた覚さんと出会い、結婚。農業を仕事にすることに。そして、2023年9月にヒロハーブス株式会社を設立。

お二人のプロフィール詳細はこちら

❓リーダーシップ・チャレンジとは


リーダーシップ・チャレンジ(LC)は、会社で仕事(社業)を通じて社会に貢献する人材を育てる、ということをミッションにしています。

そのために、ヒューマンスキルを磨き、リーダーシップを身につけ、幅広い見識、判断力、思考力を学びとり、業界業種を超えた人脈を構築するビジネススクールです。

開講から20年目。本研修を学んだ受講生たちが日本国内のみならず、世界の色々な都市で活躍しています。
彼ら彼女らを、LCの教壇に立ったゲスト講師の皆様に後押ししていただきながら、私たち LCはこれからも、有能な人材を育み、社会に貢献していきます。

詳細はパンフレットをご覧ください

◆これまでの講義一覧

🏢2024年度参加企業 (順不同・敬称略)

受講企業
サントリー株式会社
三井物産流通グループ株式会社
株式会社NTTデータ
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
株式会社セブンドリーム・ドットコム
三井物産株式会社
株式会社三井住友銀行
三井農林株式会社
綿半ホールディングス株式会社
第一生命ホールディングス株式会社
外務省

リーダーシップ・チャレンジ 2024開催レポートvol.2
2024年5月22日発行
大隈塾事務局(一般社団法人ストーンスープ)
ひえじまゆりこ yuriko.hiejima@gmail.com
〒026-0002 岩手県釜石市大平町3-9-1
TEL:050-3558-7527
    MAIL:ookuma_school@stonesoup.tokyo

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?