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辻堂ゆめ『トリカゴ』を読んで

おはようございます。
暖かい日の後に寒い日があると、余計寒く感じますね。

今回は初めて読む作家さんの小説です。

感想


刑事もの、扱うテーマが無戸籍の人と、重いテーマですが、軽快なタッチの文面で読み進みやすい小説。
無戸籍については、テレビの報道番組で何度かみてはいましたが、周りで無戸籍で困っているなど、いないので、そんなに身近には感じていませんでした。

昨日読んでいたのですが、子供に今読んでいる本の話をした際に、無戸籍の人、そして無戸籍2世の人などの小説だと話した際に、
「無戸籍2世の人は、親が戸籍ないのだからしょうがないとして、2世じゃない場合は、どういう場合になってしまうのか」と。
小学6年生に、離婚してから300日以内に産まれると、など説明しつつ、
DVなど、旦那さんに住所を知られてしまうのを恐れて、あるいは自宅出産して、出産を届けない、なんて説明する。
改めて、そんな社会に今なっているんだな、と。

普段は見えないが、困っている人はたくさんいて、声を上げずらい社会に日本はなってしまっているのかな、と考えてしまいました。

本でも触れていますが、無戸籍でも、国民健康保険や児童であれば就学、そして住民票もとる道がある、とだんだんとできること、取得できることが増えているのも知り、救いでした。

とはいえ、制限のある、そして苦しい立場の人達だと、この小説を読むことによって、考えるきっかけとなりました。

小説は、結構最後のほうまで、どういう展開で終わるのかが見えなかったので、どうなるのだろ、と思いつつ読み進め、エンドもとてもしっくりくる終わり方でした。

刑事ものですが、軽いタッチなので、気軽に読めるおすすめ小説です。

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