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harunatelier
水切り
石は石なので
石なりに暮らせればそれでよかった
道端で一日中日光浴して
誰にも気を遣われなくったって
名も知らぬ山あいで
沈黙のまま苔むしていったって
けれど川べりで
子供たちの手によって放り投げられ
水の上を跳ねた時
生まれて初めての感覚が石に宿った
こんなにも飛べるだなんて
こんなにも自由だなんて
石は石なので
心なんか持ち合わせていなかったが
それでも胸のあたりに
熱いものが込み上げてくるのが分かった
こんなにも向こう岸に
手が届いてしまいそうだなんて
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