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【企業分析】2兆円超の純利益、マイクロソフトの収益構造を徹底分析



①損益計算書分析

引用:マネックス証券「銘柄スカウター」

売上高と売上総利益

  • 売上高は2007年から2023年にかけて大幅に増加しており、特に2011年以降は一貫して増加しています。

  • 売上総利益率も概ね70%台を維持しており、特に2011年以降は比較的安定しています。これは企業が高い利益率を維持していることを示しています。


引用:マネックス証券「銘柄スカウター」

利益率のトレンド

  • 売上原価率は徐々に低下しており、特に2013年から2020年にかけては大きく改善しています。

  • 営業利益率は全体的に上昇傾向にあり、特に2020年以降は40%を超える水準を維持しています。

  • 当期利益率も2020年以降に改善し、30%台を維持しています。これは企業が効率的に利益を出していることを示しています。

ROEとROAの分析

  • ROEは2007年から2021年にかけて大きく変動しており、特に2008年と2019年には高い値を記録しています。これは株主資本に対する利益の効率性が高いことを示しています。

  • ROAも同様に高い値を示しており、企業の資産が効率的に利益を生み出していることを示しています。

EBITDA

  • EBITDAは売上に対する比率として40%台を維持しており、特に2020年以降は50%を超える水準を記録しています。これは企業が安定したキャッシュフローを維持していることを示しています。


引用:マネックス証券「銘柄スカウター」


設備投資

  • 設備投資は2014年から2023年にかけて増加しており、特に2021年以降は大幅に増加しています。これは企業が成長を目指して積極的に設備投資を行っていることを示しています。

  • 設備投資の売上高比率も年々増加しており、2023年には13.3%に達しています。これは企業の成長戦略の一環として、設備投資に多額の資金を投入していることを示しています。

研究開発費

  • 研究開発費も全期間を通じて増加傾向にあります。特に2020年以降は急増しており、2023年には27,195百万円に達しています。

  • 研究開発費の売上高比率は一貫して12%から15%の範囲で推移しており、特に2016年以降は安定して13%以上を維持しています。これは企業が継続的に新製品や新技術の開発に注力していることを示しています。

総合評価

  • 資本効率: 設備投資、研究開発費の全てが増加傾向にあり、特に売上高に対する比率も高い水準を維持しています。これは企業が積極的に資本を投下し、その資本を効果的に運用していることを示しています。

  • 成長戦略: 設備投資と研究開発費の増加は、企業が長期的な成長を目指していることを示しています。特に設備投資の大幅な増加は、将来的な生産能力の拡大や新規市場への進出を意図している可能性があります。

  • 研究開発活動: 研究開発費の売上高比率が高い水準を維持していることから、企業は新技術や新製品の開発に積極的に取り組んでいることが分かります。これは競争力の強化と市場シェアの拡大に寄与する重要な要素です。

評価

  • 成長性: 売上高は一貫して増加しており、利益率も高い水準を維持していることから、企業の成長性は非常に高いと評価できます。

  • 収益性: 各種利益率が高い水準を維持しており、特に営業利益率と当期利益率の上昇傾向が顕著です。

  • 効率性: ROEとROAが高い水準を維持しており、資本効率と資産効率が高いことを示しています。

  • キャッシュフロー: EBITDAの比率が高いことから、企業は安定したキャッシュフローを確保しており、財務基盤が堅固であることがわかります。

全体として、この企業は積極的な設備投資と研究開発活動を行い、長期的な成長と競争力の強化を目指していることが分かります。高い成長性と収益性を持ち、効率的に資産と資本を運用していて、これらの要素は長期的な投資に適した企業であることを示唆しています。


②貸借対照表分析


引用:マネックス証券「銘柄スカウター」

資産のトレンド

  • 総資産は2014年から2023年にかけて一貫して増加しており、特に2021年以降は大幅な増加が見られます。

  • 流動資産も増加しており、特に現金及び現金等価物が2023年に大幅に増加しています。これは企業が十分な流動性を保持していることを示しています。

  • 非流動資産も増加傾向にあり、特に有形固定資産とその他の非流動資産の増加が顕著です。これは企業が長期的な成長を目指して積極的に投資を行っていることを示しています。

負債のトレンド

  • 総負債も増加していますが、資産の増加に対して比較的穏やかな増加です。これは企業が適切に負債を管理していることを示唆しています。

  • 流動負債と非流動負債はともに増加していますが、特に流動負債の増加が顕著です。これは短期的な負債管理が求められる状況を示しています。

純資産のトレンド

  • 株主資本は全体的に増加しており、特に2021年以降は大幅に増加しています。これは企業が安定した収益を上げ、内部留保を拡大していることを示しています。

  • 非支配持ち分は記載されていないため、全体の純資産は株主資本のみで構成されていることが分かります。

流動性

  • 現金及び現金等価物が増加していることから、企業は高い流動性を維持しています。これは短期的な資金繰りに対するリスクが低いことを示します。

  • 流動比率(流動資産/流動負債)は増加傾向にあり、企業の短期的な支払い能力が向上しています。

財務健全性

  • 自己資本比率(株主資本/総資産)は増加しており、企業の財務基盤が強固であることを示しています。

  • 負債比率(総負債/総資産)は減少傾向にあり、企業の財務リスクが低減しています。

評価

  • 資産増加: 総資産の増加は企業の成長を反映しており、特に現金及び現金等価物の増加は流動性の高さを示しています。

  • 負債管理: 負債の増加は見られますが、総資産に対する比率は適切に管理されており、特に短期的な流動負債の管理が重要です。

  • 資本の増強: 株主資本の増加は企業の収益力と内部留保の強化を示しており、長期的な成長基盤が強固です。

  • 流動性と財務健全性: 高い流動性と強固な財務基盤は、企業が外部ショックに対しても耐性があることを示しています。

全体として、この企業は健全な財務状況を維持しており、成長性と安定性のバランスが取れていると言えます。長期的な投資に対しても魅力的な企業であることが示唆されています。


③キャッシューフロー計算書分析


引用:マネックス証券「銘柄スカウター」

営業キャッシュフロー(営業CF)

  • 営業CFは全期間を通じて増加傾向にあります。特に2020年以降は大幅な増加が見られ、2021年以降は80億円を超えています。これは企業の営業活動が非常に健全であり、安定した収益を生み出していることを示しています。

投資キャッシュフロー(投資CF)

  • 投資CFは一貫してマイナスであり、企業が積極的に投資を行っていることを示しています。特に2017年には大幅なマイナスが見られますが、これは一時的な大規模投資が行われた可能性があります。全体として、投資活動に多額の資金を投入していることが分かります。

財務キャッシュフロー(財務CF)

  • 財務CFは全期間を通じてマイナスであり、特に2020年以降はマイナスの幅が大きくなっています。これは企業が多額の借入金返済や配当金支払いを行っていることを示唆しています。財務活動においても安定した資金運用が行われているようです。

フリーキャッシュフロー(フリーCF)

  • フリーCFは安定してプラスであり、特に2020年以降は大幅に増加しています。これは企業が営業活動から得られるキャッシュフローから投資活動を十分に賄い、なおかつ余剰資金を確保できていることを示しています。フリーCFの増加は企業の財務的健全性と成長のための余力を示しています。

現金・現金等価物

  • 現金・現金等価物は変動があるものの、2023年には34,704百万円と大幅に増加しています。これは企業が十分な流動性を保持し、予期せぬ事態にも対応できることを示しています。

評価

  • 財務健全性: 営業CFが安定して増加しており、フリーCFも増加傾向にあることから、企業の財務健全性は高いと評価できます。財務CFがマイナスであるものの、これは借入金の返済や配当金の支払いを反映していると考えられます。

  • 資金運用効率: 投資CFが一貫してマイナスであり、企業が積極的に成長のための投資を行っていることが示されています。これにより、将来的な成長が期待できます。

  • 流動性: 現金・現金等価物が増加していることから、企業は高い流動性を維持しており、予期せぬ資金需要にも対応可能です。

全体として、この企業は安定した営業活動と積極的な投資活動を行いながら、高い財務健全性を維持していることがわかります。これは長期的な投資に適した企業であることを示唆しています。


【総合価値評価】


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