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デザイナーがビジネスゴールへの貢献を実感するの、難しい説〜BtoB SaaSデザイナーの苦悩~

こんにちは!
株式会社スタメンのデザイナーのmonacaです。エンゲージメント経営の実践ができるプラットフォーム「TUNAG」のプロダクトデザインをしています。

突然ですが、ビジネスゴール(事業のゴール)への貢献をデザイナーが実感するの、かなり難しくないですか…?

この課題感をもとに、開発プロジェクト全体の指標からもう一段具体化した指標をデザイナー主導で設定してみました。今回はこのKPI設定に至る背景を書いていきます。

・BtoB SaaSプロダクトの定量的指標
・デザイナーの成果

などに興味・関心のある方に読んでいただけたら嬉しいです!

デザイナーの成果見えづらい問題

TUNAG」は、社内報・1on1・サンクスカードなど、3000種類以上の社内制度を通じてエンゲージメント経営を実践できるプラットフォームです。

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今まで一年半近くTUNAGのUIデザインに取り組んできて、「プロダクトデザイナーとして、事業への貢献を実感することが難しい」という問題をずっと抱えてきました。↓悩みをより具体化したのがこちらです。

🤔プロジェクトにおけるデザインの成果を定量的に振り返ることが難しい
🤔プロジェクト全体で追っている指標がプロダクトだけでなく、カスタマーサクセスの領域のものでもあり、デザインがプロジェクトにどのように貢献したのか見えづらい

この問題は、「サービスの導入が決定してからプロダクトの利用がスタートする」というBtoB SaaSの特性から来ています。このサービス特性上、開発プロジェクトの多くが「プロダクトをユーザーに長く使ってもらうこと」を目的とするものであるため、プロジェクトの効果はすぐには測れません

ただでさえデザインの成果を具体的な数値で測ることは難しいのに、加えてこのようなサービス上の特性があるため、明確な判断軸を持ってデザインすることに苦戦していました。

生まれた課題感

😢「速くクオリティを高いものを作る」ことに注力するが、その先の目的が漠然としている
😢 個人の目標をどう設定していいか分からない

事業のゴールが遠く感じ、自分の仕事に対して成果と改善点が見えづらい状態でした。デザイナーとしての目標設定や振り返りの際に、何かこのままではいけない気がすると常にモヤモヤを感じていました。

取り組んだこと

事業のゴールが遠い」と感じてしまうことが貢献実感する上でのギャップになっていると感じ、より具体的なところに目線を置くことにしました。

・デザインの意思決定の判断軸となる
・プロジェクトに対し、デザインがどれくらい影響を与えたのか検証できる

この要件を満たし、困りごとを解決できる指標を立てました。
新しいプロジェクトが始まる際に、プロジェクト全体のKPIからもう少し具体化したKPIをデザイナーで設定しました。

例を挙げて説明します。↓の図をご覧ください。

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どんなプロジェクトもプロジェクト毎に目的・全体のKPIがあると思います。今回私が行ったのは、このプロジェクト全体のKPIから、デザイナーの責任範囲に含まれる指標を新たに立てる、というアクションです。

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開発プロジェクトの「解決すべき課題」「提供したい価値」に目線を向け、そこにデザインが貢献できる「最低限の使いやすさ、機能を通して得られる体験」の部分に指標を立てました。

この「最低限の使いやすさ、機能を通して得られる体験」デザインだけでは成り立たないので、PdMやエンジニアなどプロジェクトメンバーにも共有し、相談しながらKPIを立てました。

さらに、立てたKPIがただの目標で終わるのではなく、実際に効果検証に活用できるよう、

・機能をリリースしてからいつまで計測するか?
・対象は全企業なのか、いくつかの企業に絞るのか

これらの測定期間/測定対象を明確にしました。

いきなりカンペキを目指さない

今回、実現可能な指標を立てることにあえて重きを置きませんでした。

自分が主体となって指標を立てるのは今回が初めてです。そのため実際に指標を立ててみて、自分の理想と実際のユーザーの利用の仕方にどれくらいギャップがあるのか測ることを最初のステップとしました。

KPIを設定して良かったこと

まだリリース前なので効果測定はまだですが、KPIを運用してみて既にメリットを実感できました。

🌟自分のデザインについての明確な責任範囲が見えたことで、ひとつひとつのデザインに強い意志を込めることができるようになった
🌟プロジェクトメンバーと共通認識を持てたことで、PdMやエンジニアと、使いやすさやユーザー体験について同じ目的のもと議論を行えるようになった

いくつかデザインパターンを出して意思決定に迷った時、「こちらのデザインの方がプロジェクトの目的を達成できる、具体的には離脱率の抑止につながりそうなので、このデザインにしたい」と明確な軸を持って判断することができました。ここの判断軸が以前よりクリアになったことで、デザインする際に感じる漠然とした不安がかなり解消され、意思決定のスピードが速くなりました。

また、プロジェクトメンバーと議論する際も、個人の好き嫌いでなく「目的を達成するためにどんなアウトプットが適切か?」という建設的な議論ができるようになりました。

まとめ

まだ今回指標を立てた機能はリリース前なので、検証できたら改めて記事にできればと思います!

こういうBtoB SaaSあるあるすごく気になるので、他にもある!という方はぜひコメントやシェアで教えてください😂

⭐️

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